メディアサイトは、大学の授業や企業の研修・セミナー、会議、プレゼンテーションなどさまざまな会合、イベントを収録し、映像や音声、資料画像を同期したコンテンツとして配信するシステム「Mediasite」を手掛けている。南氏はまず、その特徴と優位性を紹介する。「いつどこでも簡単に収録できるうえ、多様な方法で配信することが可能です。リアルタイムでコンテンツを見ることができる〈ライブ配信〉や、収録直後からオンラインで即時公開できる〈オンデマンド公開〉のほか、CD・DVD化など用途に合わせた配信も可能です。また、コンテンツを管理する機能を備えているのも大きな特徴です」。その優れた機能は多くのユーザーに認知されており、いまや大学の授業収録配信システムとしては世界トップクラスの実績を誇ると言う。
ビジネスの現場においても、オンライン研修教育システムやWebセミナー配信、社内イベントのライブ配信、幹部メッセージのライブ配信など、さまざまな場面で用いられている。「ある大手監査法人はMediasiteを用いたオンライン研修を導入。以前は全国各地から研修施設に集まっていましたが、それぞれが自分の職場で研修を受講できるようになったことで、出張旅費や滞在費などの大幅なコスト削減を実現しました」
さらに南氏は、今回の講演テーマである「Mediasite」を活用したモバイルラーニングへと話を進める。「2012年はモバイルネットワークの発展と端末の多様化により、モバイルラーニングが一気に普及しました。もともとeラーニングは時間に縛られず、自分のペースで学べるという長所があったわけですが、スマートフォンやタブレット端末などに配信するモバイルラーニングならば場所にも縛られません。移動中や出張先でも映像、音声、資料が融合したコンテンツを使い、中身の濃い学習ができます」
続けて、モバイルラーニングの将来について語る。「今後の技術の発展によって、ますます可能性が広がるのは間違いないでしょう。ただし、Mediasiteもモバイル端末もあくまでもツールに過ぎません。われわれとしては、どのように用いれば、お客さまの利益に貢献できるかをさらに追及していきたいと考えています」。最後の質問コーナーでは、コンテンツのデータ容量やコストに関する質問が繰り出された。人事担当者にとっても大いに関心のあるテーマだったようだ。