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特別講演[E-2]

500名以下の企業に必要なマーケティング人材育成法
「売上を倍増させる3つの視点」

村松勝氏
株式会社ミスター・エム 代表取締役
村松 勝氏(むらまつ・まさる)
プロフィール:広告代理店(株)電通ワンダーマン・ケイトージョンソンを経て、2007年(株)ミスター・エムを設立。現在、マーケティング人材の育成を中心に活動中。主な書籍に、丸善丸の内本店週間ランキング1位の「儲ける会社!が知っている結果の出るマーケティングのやり方・使い方(明日香出版社・2011年10 月発売)」がある。

マーケティングに重要なのは「想い」と「戦略」

マーケティングの話をする前に、まず、私自身について簡単にご紹介いたします。私は学生時代、物づくりが大好きな「発明家志望」で、在学中に一発当てて働かない道を想い描いたりしていました。15年ほど前には、発明に対して支援者を募るテレビ番組にも出演したほか、21歳のときには折りたたみ式のレジャー用シートテーブルを開発して、実際に製品化。大手スーパーマーケットチェーンで発売されることになったものの、結局は廃盤になるといった経験もあります。作りたい物を作ってはいたけれど、マーケティングが弱かったのですね。

そこで卒業後は、マーケティング会社などに勤務し、外資系たばこメーカー顧客囲い込みプログラム企画・運営、大手通信企業データベースマーケティング企画・運営、外資系輸入車メーカー顧客獲得プログラム企画・運営などを担当。その後、マーケティング戦略の立案、実践を得意とする吉田隆太と当社を設立し、現在に至っております。

村松勝氏/講演 photo 大きな転機となったのは今から6縲怩V年前のことです。ある起業家から、都内で潰れそうになっている歯科医院を再生したいという依頼を受けました。その後、2ヵ月で再生に成功。そのとき、マーケティングには「想い(HEART)」が重要だということを痛感したのです。

「想い」とは、事業を推進する中心人物がどうしても叶えたいと思っているもののこと。言い換えれば経営理念や事業ビジョンであり、この、人の「想い」とご縁を大切にしながら、私どもが持つマーケティングノウハウ(「戦略」)を提供することで、ビジネスを成功に導き、共に喜びを分かち合うことできると確信しました。一言で言い表すと、「想い(HEART)」×「戦略(STRATEGY)」。これをミッションに掲げました。

さて、ここで話を本題である「マーケティング」に移していきますが、皆さま、マーケティングとは 何だと思いますか? 私たちは日常的に「マーケティング」という言葉を頻繁に使ってはいますが、実際に考えてみると、とてもわかりづらいものだと思います。その理由としては、世の中にはマーケティングに関する本が数多く流通していて、さらにはカタカタの専門用語が多く使われているということが挙げられるでしょう。

たとえば、アマゾンで「マーケティング」と検索した際、本日の資料作成時点で19,212件の書籍がヒットしました。マーケティング用語例としましては、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、プロダクトライフサイクル、CRM、SWOT分析、5 Force、ダイレクトレスポンス……など、例を挙げ出したらキリがない状態です。

こうした状況を含めて、マーケティングがわかりづらい理由は、(1)横文字が多く、用語が難解、(2)大企業の事例が多い、(3)本によって内容に偏りがある、という三つに集約されると思われます。そこで今回のマーケティングセミナーでは、(1)なるべくわかりやすい日本語で、(2)中小企業の事例を用いながら、(3)全体感を理解していくことを目標にお話を進めたいと思っています。

村松勝氏/講演 photo 改めまして、「マーケティングとはなにか」。日本マーケティング協会によると、「『マーケティング』とは、企業及び他の組織がグローバルな視野に立ち顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的な活動である。」とされています。

それでは、「市場創造のための総合的な活動」とはなんでしょうか。まず「市場創造」とは「新しい市場をつくり、また既存の市場を拡大すること」です。次に「総合的な活動」ですが、当社ではこれを、様々なマーケティング理論や今までのマーケティングの実践から、三つの要素に集約いたしました。それが、(1)商品(サービス)の差別化、(2)表現の魅力化、(3)集客の効率化、です。そしてこれらの視点は(1)(2)(3)の順番で考えると同時に、それぞれ掛け算でレベルアップしていくものなのです。

ご参考までに、(1)(2)(3)についての触れている著名な方々とその理論名を以下にご紹介します。

(1)商品(サービス)の差別化
大前研一氏<3C>、ジェローム・マッカーシー氏<マーケティングミックス(4P)>、フィリップ・コトラー氏<STP>
(2)表現の魅力化
佐藤可士和氏<ブランディングプロセス>
(3)集客の効率化
レスター・ワンダーマン氏<ダイレクトマーケティング>、神田昌典氏<ダイレクトレスポンスマーケティング>

「差別化」「魅力化」「効率化」がマーケティング成功のカギ

私どもでは、この三つの視点によるマーケティングを、「3ステップマーケティング(R)」と名付け、実際にマーケティングを行ってきました。多くの成功事例があるのですが、この3ステップマーケティング(R)につきましては、2011年10月に『結果の出るマーケティングのやり方・使い方』としてまとめさせていただいたことをご報告するとともに、代表的な事例として「古紙リサイクル用の紙ひも」をご紹介したいと思います。

この企業の課題は「古紙回収には紙ひも」という条例と、「丸い形状の紙ひもは手が痛い」という消費者の悩みを解決するために商品を開発し、1個50mで250円の平らな形状の紙ひもを販売したものの、売れ行きが伸びないということでした。

そこで、3ステップマーケティング(R)を使って分析したところ、「顧客(消費者)」視点からは紙ひもを使用する地域は増加しており、市場として伸びていく可能性があることがわかりました。また、ターゲットとニーズを考えてみると、ターゲット=主婦・高齢者、ニーズ=丸いひもは手が痛くなるため、手が痛くならない商品が欲しい、と同時に、環境意識への高まりもある。「競合」はどうかといえば、エコを意識した紙ひもの場合は形状が丸く、価格が安いものはビニール製という状況でした。商品特徴をまとめれば、1)紙でできていること、2)ひもが平らなことです。

ここまで分析ができ、次にすることは、特徴と顧客利益(ベネフィット)を総合的に考えてみることです。「顧客利益」とは、顧客にとっての問題解決をする、もしくは欲求を満たすメリットのことで、この事例に当てはめれば、1)エコ素材(紙製品)であり、手が痛くならない形状(平ら)であることに当たります。

次に表現の魅力化を検証してみましょう。表現コンセプトは「優しいひも」。環境に、手に、そして、心に、優しい紙ひも、ということでした。元のネーミングは「万能紙ひも ひらりS」です。この名前では、特徴と顧客利益(ベネフィット)は表現されているでしょうか。またパッケージは以下の写真の通りでした。

そこで私どもはシンプルに「エコ素材でつくった古紙リサイクル用の握っても手が痛くならない 紙ひも」とネーミングし直し、新たなパッケージデザインを起案。店頭POPやチラシなども、同様のデザインを展開しました。

古紙リサイクル用の紙ひも photo 「効率化」では、日本最大級の総合展示会である「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2011」に出展。その結果、日本DIY商品コンテストの新商品部門で金賞を受賞するに至りました。結果、大手DIYショップ、ホームセンターなどで採用されたほか、テレビ番組などでも紹介されることに。

この事例からも、3ステップマーケティング(R)の有効性を感じていただけたかと思いますが、最後にマーケティングの基礎知識を改めてまとめておきましょう。

【マーケティングの位置付けと役割】
最も大切なことは「想い」であり、実現させる手段は「戦略」
「想い(気づき・理念・ビジョン)」×「戦略(ヒト・モノ・カネ)」=事業価値の最大化
「マーケティング戦略」×「セールス戦略」=売上の最大化
マーケティングの定義
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。(出典:公益社団法人日本マーケティング協会)
マーケティングの三つの役割
「商品(サービス)の差別化」→「表現の魅力化」→「集客の効率化」

以上、当社の3ステップマーケティング(R)を使用した事例などをご紹介しながら、マーケティングの基礎をお話いたしました。皆さまの今後のマーケティング戦略のヒントになれば幸いです。本日はありがとうございました。

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