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特別講演[A-2]

ジレンマを克服し、新たな価値を生み出すイノベーティブリーダー

守屋 智敬氏
株式会社HRインスティテュート チーフコンサルタント
守屋 智敬氏(もりや・ともたか)
プロフィール:1999年、株式会社HRインスティテュートに参画。ITベンダー、製造業を中心に、新規事業計画立案&事業戦略実践のためのコンサルティング業務に従事。イノベーティブな次世代リーダー育成プログラムを多数実施。また、プロボノとしての社会貢献人財の創出のための活動も行う。

超実践的プログラム「ワークアウト」活用のすすめ

「90年代までは、企業に変革をもたらすリーダーが求められていました。しかし、経済成長が滞り、市場が飽和状態となっている現在では、新しい価値を創出できる『イノベーティブリーダー』が必要とされています」と、守屋氏は言う。しかし、多くの企業ではそういった人材を育成したくてもできないジレンマを抱えている。「時間やコスト、既存ビジネスへの呪縛などがあり、短期的な成果を求める傾向が強い。長期的視点に立って、人材を育てる余裕がなくなっているのです。一方、働く側も革新的なアイデアを思いついたとしても目の前の仕事で手がいっぱいだったり、周囲との軋轢を気にしたりして実行に移せないのが実情です」

守屋智敬氏/講演 photoこのような状況を打破するためには、経営サイドの意識改革が必要不可欠だ。「リスクを取ってでも、新しい市場を創出するのだという強い覚悟が不可欠です。経営者がそうした覚悟を決めれば、その思いは社員に伝わるものです」。具体的には、次の2点が重要だと言う。一つは「権限を取りにいきたくなる場を作ること」。社員自らが「私にやらせてください」「私がやってみせます」と手を挙げるような環境を作るということだ。もう一つは「現実の経営課題の中に身を投じてチャレンジさせること」。その際には、結果を厳しく問うことが大事だと言う。

次いで、守屋氏は同社の人材育成プログラムである「ワークアウト」について言及する。「実際にお客様が直面している課題の一つをテーマに取り上げ、われわれと一緒になって解決を目指すという、極めて実践的なプログラムです。われわれは戦略やアクションプランを練り上げるお手伝いをするとともに、メンバーからのアウトプットに対するコンサルテーションを行います。コーチが一方的に指導する受動的プログラムと違って、当時者、実践者を育成することができます」

さらに「ワークアウト」を導入した顧客のケースを例として取り上げ、プログラムの流れやスケジュールを紹介。「ジレンマを克服して実践する人間力を鍛えることができた」「チャレンジしなければ未来はないという意識が芽生え始めた」など、受講した方たちの多くに変化が表れたことは、大きな成果だと言う。「新しい市場を創出するためには、『何が何でもオレがやる』という強い思いを持った強烈なリーダーが必要です」という守屋氏の熱い言葉で、講演は締めくくられた。

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