日本の人事部「HRカンファレンス2017-秋-」 人の採用・育成・マネジメントに携わる皆さまが集う、日本最大のHRイベント
2017年11月14日(火)・15日(水)・16日(木)・17日(金)開催 [主催]『日本の人事部』(株式会社アイ・キュー)
[後援]厚生労働省 経済産業省 [会場]大手町サンケイプラザ

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2017-秋-」トップ講演者インタビュー> 前原 はづき氏(株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長)インタビュー

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「残業減」で「成果アップ」の仕事術~働き方改革を価値創造につなげるために

前原 はづき氏 photo

株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長

前原 はづき氏

現在、様々なアプローチで働き方改革が進められていますが、「残業時間」という定量的な指標が独り歩きし、自己目的化しているケースが多く見受けられます。しかし、働き方改革を推し進める際、無思慮な目先の“効率化”は成果ダウンに直結します。本講演では、効率性を上げ残業時間を抑制しながら、成果につながる仕事の時間を確保するためのタスクマネジメントの考え方をご紹介します。

―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

現在、企業における働き方改革の取組みは、「残業時間削減」という分かりやすい指標を中心に進められているケースがほとんどです。もちろん、日本の長時間労働の風土は大きな問題であり、改善していくべきですが、「労働時間(量)」に注目しすぎるあまり、「労働の質」に対する問題意識や取組みが後回しになっているのではないでしょうか。

その結果、現場では「業務量は減らないのに、残業はするなと無理難題が降りてきた」というボヤキばかり。このままでは、「時間削減」が自己目的化した結果、成果を生みだす「考える仕事」の時間が失われ、企業の活力は失われてしまいます。

働き方改革で真に目指すべきなのは、「残業削減」という表面的な定量目標の達成ではありません。成果にフォーカスした自律的・自律的な仕事の進め方ができる成熟したビジネスパーソンを生みだし、各自の期待役割・等級にふさわしい業務をアサインすること、そしてその再設計・指導ができる管理職を養成すること。そして、成果を生みだす筋肉質な組織に生まれ変わっていくことを目指すべきことなのです。

今回、「春」のカンファレンスに続いて、当社のタスクマネジメント手法である「タスク・ポートフォリオ」をご紹介します。自律的・自立的な働き方のマインドセットと合わせて、成果を上げつつ労働時間を削減する仕事術を実践してください。

―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

当社のミッションは「企業と働き手の本音と信頼をつなぐ」です。

昨今の働き方改革では、働き方改革を進めたい企業サイドと、疲弊した現場の働き手サイドのあいだに、一枚岩とは言えない「ミゾ」が生じています。多くの働き手は、生産性向上やワークライフバランスという”美辞麗句”に対し懐疑的で、働き方改革をよそ事として感じています。

経営的な重要性、マクロ環境からの必然性を説いても、働き手の意識・行動は変わりません。本当の変化を生みだすには、働き手の目線に立ったメッセージが必要なのです。 「企業側の言い分・想い」を押し付けず、働き手の視点で語りかけることは、そんなに難しいことではありません。

当社は、働き手に「自分自身の良き職業人生」を正面から考えさせることで、自律的な働き方、健全な成長と貢献を引き出し、これからの時代の建設的な労使関係の実現をサポートしています。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

現在の働き方改革に関わる議論では、本来、働き手の生活・人生に直結する内容であるにもかかわらず、どこか他人事として冷めた目で眺めている方が少なくありません。

産業革命以来の労働スタイル・労働観の大変革を前に「頭も意識もついてこない」というのもやむを得ない面があります。しかし、それではいつまでたっても会社は変わりません。必要なのは、働き手の一人ひとりが、自分の人生の問題として今の時代の変化を理解することではないでしょうか。

本講演の内容が、企業の人事担当者として、そして同時に、自分自身の人生を生きるひとりの「働き手」として、皆さまの働き方・生き方のヒントになれば幸いです。

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講演者プロフィール
前原 はづき氏(まえはら はづき)
株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長
『企業と働き手の本音と信頼をつなぐ』をミッションに、2009年ライフ・ポートフォリオ設立。社会構造の変化を踏まえた人材開発の考え方を提唱。ダイバシティを中心テーマとしてライフ&キャリア研修やダイバシティ・マネジメントに関する研修を行う。「企業と人材」「人材教育」「労政時報」等の専門誌に多数寄稿。

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