[主催]『日本の人事部』(株式会社アイ・キュー)
[後援]厚生労働省 経済産業省 [会場]大手町サンケイプラザ
講演者インタビュー
組織風土改革による「志」と「絆」の創造 ~価値観の共有による残業時間削減~
中部産業連盟東京事業部 人材マネジメントコンサルティング部 所長上席主任コンサルタント
梶屋 宣之氏
時間外労働に対する問題意識が高まる中、人事施策やBPRなどが実施されているが効果が上がらないケースが多い。これは「生活残業」あるいは「残業を“よし”とする風土」など深層的な意識に真因があるからです。社員の本音の吐露から始まり「我々は時間でなく成果で勝負する!」といった明確な行動規範を共有する組織風土改革こそがその事態打開の根本となります。今回はその手法をご紹介します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
時間外労働に対する問題意識が高まる中、「ノー残業デー」などの時短施策やBPRなどさまざまな対応が行われていますが、効果が十分に上がらないケースも多いようです。この根底には「生活残業」あるいは「残業を“よし”とする風土」など、深層的な意識があります。この問題を解決するには、全社員が意識を変え、主体的に課題に対峙することが必要です。
中産連では組織風土改革の手法であるCEP(Chusanren Engagement Program)で対応しています。CEPは「Stage OM(Open Mind)」「Stage VS(Values-Sharing)」「Stage CE(Create Engagement)」の3ステップで推進します。「Stage VS」では、グループワークで会社や組織に対する本音を吐露することで問題意識の共有を図ります。自由な雰囲気の中から社員自身の中から「自分たちは何をするべきなのか……」とのリフレクションが生じてきます。「Stage VS」では同じ問題意識を持ち、これからどう行動していくかという価値観が共有されます。「Stage CE」では共有された価値観をエネルギーの源泉として「時間外削減施策」「生産性向上のための施策」などの検討が主体的に進められ、それらを実現するために「我々は時間でなく成果で勝負する!」といった行動規範が創造されます。今回はその手法を解説いたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
中部産業連盟は1948年に設立されて以来、奉仕の精神を旨とし、企業経営の支援を目的にコンサルティングや企業内研修に取り組んできました。そのような中、人材マネジメントの領域では人事制度改革やマネジメント研修、組織風土改革など幅広い領域で経験を積み重ねてきました。現在は「役割主義」や「シニアの処遇」をはじめ、時代のニーズに応える形で実効性の高い手法を取り入れており、「組織風土改革による時間外削減」にもいち早く取り組んでいます。
一方、研修の柱としては、人材アセスメントやアクションラーニングの手法を取り入れ、行動改革というテーマに積極的に取り組んでいます。今回は、これらのノウハウを活かした組織風土改革手法によるアプローチをご紹介します。中産連は人材マネジメントのハードである「人事制度構築」とソフトである「人材アセスメント」や「行動改革」の両輪を担うコンサルタントファームであることが特徴です。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
「時間外削減」といえば「ノー残業デー」などの施策が思い浮かびますが、これらは社員にとっては規制であり、当面の効果は生み出せても本質的な解決にはならないことが多いようです。喫緊の課題であると同時に困難な壁でもある「時間外削減」を実現し、魅力的な会社を創り上げるためには、経営者と社員の問題意識や価値観が共有され、主体的に行動する風土を創り上げることが必要です。単に時間短縮をするのではなく、「生産性向上」や「新規事業開拓」などにより競争力を強化するという困難な課題を乗り越えることがセットとなります。この反り立つ壁に臨む意志と覚悟を共有することが今回のテーマの本質であると考えます。
- 梶屋 宣之氏(かじや のぶゆき)
- 中部産業連盟東京事業部 人材マネジメントコンサルティング部 所長上席主任コンサルタント
- 長崎大学経済学部卒業後、大手自動車メーカーを経て、1994年中産連に入職し現在に至る。人事制度改革支援、人材アセスメント、組織風土改革支援、リーダーシップ教育、人事考課研修、アクションラーニングなど人材活性化をテーマにした研修・コンサルティングを専門分野とし、指導先は製造業から商社まで多岐にわたる。
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