[会場]大手町サンケイプラザ [後援]厚生労働省
講演者インタビュー
研修の効果は設計で決まる! 研修設計のプロセスと手法を学ぶ実践型ワークショップ
一般社団法人日本研修コーディネーター協会 代表理事/ビーイットコンサルティング代表/利酒師
飯島 宗裕氏
「人を育てること」が重要だということは広く認知されており、数多くの研修が行われています。しかし、研修に対して効果を感じないという声も多く聞きます。研修の効果を出すためにはその設計をしっかり行わなければなりません。今回は研修設計のプロセスを学んでいただくとともに、ケース(事例)を用いてその技術を体感するワークショップを行います。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
一般に「研修設計」と言えば、研修のテーマに決めた内容(カリキュラム)を構築するというイメージがあるかもしれません。しかし私たちは、効果的な研修を設計するためには、より幅広い視点で「研修設計」を捉えることが必要だと考えています。それは「ニーズの把握」に始まり、「効果の測定」までのプロセスです。今回のワークショップでは、この一連の流れについてまず解説いたします。
本ワークショップのメインは、研修設計です。自社内で研修を内製化するにせよ、外部の研修会社に委託するにせよ、まずはその組織でどのような研修が必要なのかを明確にしなければなりません。しかし、実際にそこまでできている企業や組織は多くないのが実情です。当団体は(1)ファシリテーションやマネジメントゲームなどのコンテンツから研修を設計する「コンテンツ発想型」、(2)将来のあるべき人材像や組織をイメージして内容を落とし込んで研修を設計する「プロファイル型」、(3)組織における課題から必要な人材育成の内容を割り出して研修を設計する「課題設定型」、の三つの研修設計プロセスを推奨しています。今回のワークショップでは、この中の「コンテンツ発想型」と「プロファイル型」を体験していただきます。
今まで実施した研修の振り返りにもつながる内容です。効果的な研修を行うための技術を、ぜひお持ち帰りください。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
「どのような研修を行えば効果が上がるのか?」という疑問を持った仲間が集まり勉強会を開いたのが、当団体の始まりでした。研修を組み立てる場合、前年度の内容を踏襲する、研修会社が提案した内容を実施する、流行の手法を試してみる、などの方法がとられている場合が多いと思います。これらが悪いわけではありませんが、本当に効果のある研修となっているでしょうか。そもそも効果的な研修とは何でしょうか。当団体は80回以上のワークショップの中で、ケースなどを用いて研修のあり方について学びあい、企業の人事担当者を中心にヒアリングを行いながら研修設計のプロセスの体系化に挑戦しました。そして、現時点において効果的な研修を設計するための三つのプロセスを構築しました。私たちはこのプロセスを広めることで、少しでも効果の高い研修を実施する組織が増え、日本全体の人材育成の底上げを図りたいと考えています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
私たちの団体は「We are LIBER of the company!」というスローガンを掲げています。企業を身体で例えると、経営は「脳」、財務は「血液」などと言われることがあります。では、人材育成は何でしょうか。私たちは「肝臓」だと考えています。肝臓は沈黙の臓器と言われ、悪化しても痛みを伴いません。人材も「大切だ」とわかっていても、直接には経営に影響しないため、育成が後手に回ってしまっているケースも少なくありません。その結果、組織が崩壊することもあるのです。人材育成担当者は企業にとって重要な役割を担います。その役割を担うため、人材育成に必要となる研修設計の技術を一緒に磨ければと思います。
- 飯島 宗裕氏(いいじま むねひろ)
- 一般社団法人日本研修コーディネーター協会 代表理事/ビーイットコンサルティング代表/利酒師
- 国の運営する研修機関において、後継者教育を中心に研修の企画と運営を実施。その後、民間のベンチャー企業(コンサルタント会社)に転職し、人事および社員教育責任者として教育制度を築き上げた。現在は効果的な研修の設計手法を開発・普及するため、一般社団法人日本研修コーディネーター協会を設立。代表を務める。
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