[会場]大手町サンケイプラザ [後援]厚生労働省
講演者インタビュー
10年後の働き方、組織像から考える 人材育成の目的を再構築する4つの観点とは?
株式会社シェイク 代表取締役社長
吉田 実氏
技術革新が加速する中、10~20年後には今ある仕事の半分は、AI(人工知能)に取って代わられると言われています。働き方改革など、既に企業と人との関係性は大きく変化しつつある現在、企業はどのような人材を育てていくべきなのでしょうか? 本講演では、人材育成の目的を再構築するリーダーシップ開発4つのポイントについてお伝えし、皆様と共に考えていきたいと思います。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
「VUCA(ブーカ)」という言葉を、ご存じでしょうか? 不確実性が増していて、何が起きるか分からない時代のことの総称です。昨今、まさに「VUCA」を感じるような出来事が世界中で起こっています。また、急速にテクノロジーが進化する中、10~20年後には、今ある仕事の半分はAI(人工知能)に取って代わられ、2045年にはAIが人間を超えるシンギュラリティが起こるとも言われています。このような変化の中、企業は、今後どのような人材を育成していくべきでしょうか。
研修の効果を測定するフレームワークとして、「反応」「学習」「行動」「結果」の4段階で測定する「カークパトリックモデル」が有名ですが、果たして、「VUCA」の時代においても、ラーニングポイントを学び、行動させることが研修の目的として最適なのでしょうか。また、研修で伝えている各階層の「役割認識」や「コンピテンシー理解」などを通じ、みんなに同じような行動を促進することは、AI時代の人材育成として有効でしょうか。逆に、このような人材は、AIに淘汰されることにならないでしょうか。
本講演では、これからの時代における人材育成の目的を、これまでと違う角度から捉えなおすことで、今後の人材育成施策のヒントを得ていただきたいと思います。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
同じ企業で毎年、階層別研修を担当しているのですが、受講者の反応は大きく二つのケースに分かれます。一つ目は、研修で気づきを得て、元気になって帰っていくのですが、翌年、同じような課題を持った受講者が現れるケース。二つ目は、受講者の課題が毎年変化し、前年より、組織が進化していることが感じられるケース。一つ目のケースは、研修自体は効果を発揮しているかもしれませんが、結局、その受講者の課題を生み出す組織が変わっていないため、研修が対処療法にとどまってしまっています。二つ目のケースは、現場に人材課題を解決する力があり、人が成長する風土がある組織です。
研修を、その時だけ元気になる栄養ドリンクのような位置づけにしては意味がありません。人が変わることは当然ですが、人を育てることが出来る組織作りや、組織風土変革までを考えることに拘り、人材育成の設計をしています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
AIの時代になればなるほど、「人とは何か」「どうすれば、もっと人がイキイキと働くことが出来るのか」が問われると思います。
人はよく、感情の生き物であると言われます。「想い」を持ち、「共感」しあいながら人とつながり、自分らしい人生を歩み、自己実現をしていくのだと思います。一人でも多くの人が、イキイキと働くための組織づくり、人づくりを一緒に行っていきましょう。まずは、自分から。今日もイキイキと過ごす一日を!!
- 吉田 実氏(よしだ みのる)
- 株式会社シェイク 代表取締役社長
- 大阪大学基礎工学部卒。住友商事株式会社に入社。通信機器の営業、新規事業立ち上げに携る。2003年シェイク入社。人材育成事業の立上げ拡大に従事。2009年9月より代表取締役社長に就任。2011年に書籍『「新・ぶら下がり社員」症候群』を出版。ファシリテーターとして育成に携わった人数は12,000人を超える。
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