――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

人材不足を補うために外国人採用を検討されている企業が増えていますが、「英語ができないから難しい」「すぐ辞めてしまうのではないか」などのお話をうかがうことが多いですね。

弊社モンスター・ラボは、社内公用語を日本語にしたまま外国人社員を採用し、現在では東京本社150名の社員の約2割を10ヵ国出身の外国人社員が占めています。上記のような企業からご相談を受けることがあり、私どもの経験を共有させていただくことで少しでもお役に立てたらと考えたのが、今回のテーマ決定の背景です。

本講演では弊社が日本にいる外国人を採用して組織に統合してきた経験をメインに、発展系として海外組織と日本をつなぐ人材育成手段と併せて、二つの観点からお話ししたいと考えています。

東京本社での経験からは、特に採用方法、社内公用語を日本語にしている理由、実際の社員紹介、チーム内サポート体制、文化への配慮など、日本人と外国人が「分け隔てなく仕事をする」ために弊社が行ってきたことについてお話しできればと思います。

また、日本の人材で数を補えないような大規模な組織成長のため、海外組織と協業する場合に肝要なブリッジ人材の育成についても、お話しいたします。弊社ビジネスの一環として行なっている「クライアント企業の社員の方をブリッジ人材として育成するスキーム」について、クライアントのご意見を元にご紹介したいと思います。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

外国人と日本人が当たり前に一緒に働くことを通して組織を成長させてきた経験は、失敗や困難だったことも含めて弊社の強みだと考えています。

日本人と外国人が分け隔てなく働く企業であることには、多くのメリットがあります。まず採用活動において弊社の魅力として捉えられたこと、そして、社員に新しい知見がもたらされたことです。弊社の規模を鑑みれば、非常に短期間で複数の海外拠点創設を実現できたことも、この組織体制が理由の一つだと考えています。なぜなら、現在私どもは海外6ヵ国600人体制で、国境をまたいで事業を行っていますが、外国人と働くことに躊躇のない文化を本社に築くことがそのような事業戦略を可能にしてきたからです。もちろん、未だ完璧な環境を築いているとは言い難く、まだまだ奮闘途中ですが、組織形成の方法の一つとして経験をお伝えし、またご意見などを承ることができれば幸いです。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

弊社社員の多くに共通しているのは、「多様な人材と働くことができる会社」に所属することを魅力に感じていることです。会社のミッションとしても「多様性を活かす仕組みを創る」をかかげていますが、このような社員たちが人材不足の補充という観点を越えて、一人ひとりの成長や組織と事業の発展を担ってくれていることを日々実感しています。人材不足からリードされた外国人社員・組織の必然性は、言い換えればより大きな人材市場へのリーチを促し、組織に新しい風を吹き込むチャンスでもあります。私どもの経験が、皆さまの課題や不安解決の一助となるよう尽力いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

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