――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

日本の経済が「成長」から「成熟」に入り、収益伸張が困難を極め不確実な未来の中、「自分の道を自分で開く人材」が多く育たないと、日本自体が沈みゆくという問題意識を私は持っています。リーマンショックの時に自身の厳しい原体験から、その問題意識は生まれました。自分の道を自分で開くために必要なのは、一言でいえば、自身の価値観から生まれるより根源的なリーダーシップを持つことです。そういった方は強い意志を持ちます。

経営者が天才的なビジネスモデルを構築するのが困難となった今、企業は「1人の社長の100歩」より「100人の社員の1歩」を求めています。よって、これまで以上に管理職層もメンバー層に対して、「リーダーシップ」を発揮することが必要になっています。私は、下記のようにマネージャーとリーダーを定義しています。

マネージャー：部下の能力を業績に結び付ける
リーダー：未来図を描き、人々を一致団結させる

私がさまざまな企業をみてきた中で、確かに「マネージャー」は多くいましたが、「リーダー」と呼べる方はめったに会うことが出来ませんでした。しかし、「マネジメント」を身につけることがまずは重要ですが、そこから先にいくにはやはり「リーダーシップ」が不可欠です。そして戦略性だけでなく、自身の内側から湧き出す力＝「インサイドアウトのリーダーシップ」という考え方が、成熟社会を生き抜くためには重要だと思うようになりました。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

ブルームウィルは「自分の道を自分で開ける人」を一人でも多く創りたいと考え、子供向けと社会人向けの両輪で事業をしています（「子供に夢を。大人に誇りを」）

社会人向けの人材育成事業では、トレーニングを通して、しっかりと意識と能力を身につけて欲しいと考え、単発で終わらせず実践連続型の形をとっています。ベースはDコルブ氏の「経験学習理論」です。

トレーニングの目的はクライアントの「収益向上」と「スキル習得」の同時実現です。よく研修は「効果・成果が見えない」と言われます。私自身も人材育成に携わる身として、それが嫌で、どうしたら人が成長し、どうしたら企業の収益が向上するのかを追求し、形にしたものが弊社のトレーニングプログラムです。各社の経営層にご好評をいただいています。

私たちが「良いと思うもの」を世の中に嘘偽りなく出せているので、その自信が参加者に伝わり、きついトレーニングでも、ついてきてくださるのだと思います。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

経営者という特殊環境での訓練などでしか育まれないリーダーシップは、一部の限定的な人にしか発揮できないという論もありますが、 リーダーシップは「自分の価値観を明確にし、その価値観に沿って生きること」であり、全ての人がリーダーシップは発揮できると私は考えています。当日は私たちの想いや、事例を通して独自のリーダー育成法をご紹介できればと考えています。

成熟社会の日本で、自分の幸せを自分で定義し、自分の目標に向かい行動する人材を増やし、世の中に「意志ある大人を溢れさせたい（＝bloom will）」と思っています。そして、社会を変革させていきたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。

• この記事をシェア