講演者インタビュー
学生の入社意思を醸成する対話のデザイン
~15卒上位校学生調査に見る動機形成~
株式会社マイナビ HRリサーチセンター HRM研究ユニット 主任研究員
神谷 俊氏
学生は就職活動を行う中で、どの様な情報に影響を受け、何を判断の軸として検討し、何を切っ掛けに自らの入社先を選択して行くのでしょうか?本講演においては2015卒上位校学生に対して行った調査結果を元に、学生の企業に対する印象が形づくられるプロセスや入社の意思決定を行う際の心理変化のプロセスを浮き彫りにし、企業がどの様にコミュニケーションを図って行くべきかについてお話させて頂きます。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
神谷:本講演のポイントは二つです。一つ目は、就職活動を行う「学生の内面」に注目している点です。我々は、いわゆる上位校と呼ばれる学生層に対して継続的な質問紙調査・インタビュー調査を行い、彼らの心理が企業の採用フェーズでどのように変化をしていくのかを追ってきました。その結果見えて来た彼らの企業に対する印象・入社動機の変化の傾向は、非常に興味深いものがあります。例えば、インターンシップの体験、リクルーターとの対話、面接への参加といったそれぞれの経験が彼らの心理にどのような影響を与えていたのか。就業経験のない彼らが、就活の中でどのような情報に影響を受け、志望意欲を醸成しているのかに関する考察は、来期の施策を検討する上で参考になる部分が大きいと思います。
また、二つ目のポイントは、学生と社員の「対話」に着目している点です。来期16年卒採用から、採用活動のスケジュールは変化し、持続的・状況適応的な学生対応施策としてリクルーターの活用を図る企業様は多いと思われます。しかし、どのような対話が学生のキャリア形成を促しているのか、その対話構造や対話フローについて吟味し、戦略的なコミュニケーションデザインを進めている企業は多くはないでしょう。本講演では、学生のキャリア形成を促す対話のあり方について、学生の心理データも踏まえて解説する予定です。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
神谷:登録数・掲載企業数の最も多い新卒求人媒体「マイナビ」を運営する株式会社マイナビ。そのリサーチ部門であるHRリサーチセンターHRM研究ユニットは採用・若手育成の領域において企業や学生に対して実にさまざまな調査を行っている調査・コンサルティングの専門チームです。
特に採用領域における調査には注力しており、マイナビモニター会員に対する定量的な調査のみならず、特定の学生や企業群に対するインタビューやフィールドワークといった質的な調査も積極的に展開しています。本講演では、それらの調査の一端をひも解き、マイナビだからこそ可能な学生のインタビュー内容や傾向データを参照しながら、彼らの内面についてお話します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
神谷:16年卒市場を迎えるにあたって戦略的・効率的な採用を展開したいと考えている企業のご担当者様に最適な講演内容だと思います。広報期間における他社との競合が激化し、選考時期も重なりやすい16年卒市場では、いかに学生のニーズに応えるキャリア支援をできるかかが採用の成否を分けます。学生は何を考えているのか分からない……。辞退要因が見えない……。そんな企業の方は、ぜひご参加ください。当日は、グループでの対話の時間も予定していますので、積極的な姿勢でご参加いただけると嬉しく思います。
- 株式会社マイナビ HRリサーチセンター
HRM研究ユニット 主任研究員 - 神谷 俊氏(かみや しゅん)
- 2007年、同社に入社後は、多数の新卒採用のコンサルテーションに携わり、継続的な改善成果を残す。その後、人事領域全般のコンサルティングを行う部署を設立。現在は、同部署においてコンサルタントとして企業講演・研修へ登壇する一方で、同社リサーチ部門にて学生の心理変化に関する調査を主軸に研究を行っている。
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