講演者インタビュー
共創(コ・クリエイション)を実現するリーダーシップ
~答えの無い時代の協働とは?~
オーセンティックワークス株式会社 代表取締役
中土井 僚氏
環境の変化が早く、答えが見出しづらい現代においては、現場の一人一人が主体性を発揮し、自考自動をすることに加え、チームで未知の価値を共創(コ・クリエイション)することが求められています。共創の実現には、メンバー以上にリーダー自身の変容が問われます。個人とチームの主体性と創造性の解放を実現するリーダーシップとは一体何か?指示・命令を超えた共創型リーダーを生み出す鍵は何か?をご紹介します。
(協賛:テンプスタッフラーニング株式会社)
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
中土井:景気は上向いていても、ビジネス環境のマクロトレンドとして「答えの生み出しづらさ」は不可逆的に加速しています。激しく変化する環境に対応していくためには、波の微細な変化を察知して体を鋭敏に動かすサーフィンのように、より現場に近いところで、肌感覚を頼りに答えを生み出していくことが求められます。上層部が答えを持ち、指示・命令を下すことで成果が生み出せた時代の組織運営やマネジメントからの根本的な脱却が求められていますが、その適応ができている組織はほとんど見られないのが実情です。「答えの無い」時代においては、「上の答えに従わせる」のではなく、「チームで協働し、過去になかった答えを共創(コ・クリエイション)する」という発想が必要になります。このような共創型マネジメントを実現するためには、メンバー以上にリーダー自身の変容が求められます。メンバーが思っていることをなんでも言える状態があって初めて、「答えが無い中で答えを生み出すチームワーク」が生まれます。リーダーがメンバーを委縮させたり、コントロールするような状況では「なんでも言える」状態は生まれません。その実現を可能にする「共創型リーダーシップ」とは一体何か、そのリーダーシップはどのようにして醸成されるのかを講演の中でご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
中土井:マサチューセッツ工科大学のオットーシャーマー博士が提唱する「U理論」に基づき、エグゼクティブコーチング、エグゼクティブダイアログ、次世代リーダー向けのリーダーシップ開発プログラム、組織変革ファシリテーションなどの長期間に渡る本格的な意識変容と行動変容を支援しています。
「問いと内省」、「行動と学習」に基づくパラダイムシフトをベースにした変革を行っているため、「三日経てば忘れる」研修ではなく、「自転車に乗れるようになった後は、自転車の乗り方がわからなかった時代に戻れない」のと同じ類の変容を実現しています。共創型リーダーシップの実現の要諦は、過去の経験によって構築されたパラダイムの転換と自己革新にありますが、U理論はそれを可能にするテクノロジーです。それに加えて、数多くの実践の現場の中から日本企業に合った独自のノウハウを構築しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
中土井:コーチングやファシリテーションなど、部下の主体性を引き出し、自考自動を促す「引き出すマネジメント」の必要性は十数年前から提示されていましたが、21世紀に入り14年経過した現代において、今や求められているものは「チームによる共創(コ・クリエイション)」です。今回の講演でのご紹介内容は、これから10年先を見据えた人材開発の新しいビジョンです。
「他社のうまくいった事例を自社に取り入れたい」という発想ではなく、「新しい時代の人材開発を自らの手で生み出したい」、「かけがえのない仲間である社員のために自分に何ができるのかを考えたい」という発想の方に、ぜひご参加いただければと思います。
- オーセンティックワークス株式会社
代表取締役 - 中土井 僚氏(なかどい りょう)
- 組織変革ファシリテーター。U理論をベースにしたマインドセット転換による人と組織の永続的な行動変容を支援。「自分らしさとリーダーシップの統合」を目指し人と組織の未来づくりを進める。著作として『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』(PHP出版)等がある。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp