講演者インタビュー

――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

藤井：営業を上手に育てるためには、人事（育成部門）と営業現場との連携がとても重要です。しかし、人事（育成部門）は営業のことがよく分からないので現場に任せる。一方で、営業現場は人事（育成部門）に課題をうまく伝えきれないので、思ったような育成ができないなどの問題が見受けられます。

営業職に対する、商品知識やコミュニケーションスキルなどの研修や勉強会は、比較的手厚く行われますが、そのあとは実践あるのみと、OJTなど現場任せになりがちです。また、若手を育成する立場でもある営業管理職の大半が、プレイングマネジャーという実態もあり、マネジメントと現場業務の両立に苦心しています。そのため、個人商店化が加速し、組織的な営業活動ができないという声をよく聞きます。

日本経済が右肩上がりで成長している時は、各営業が効率良く動けばよかったのですが、現在は組織的に営業が動かなければモノが売れないという現実が浮き彫りになっています。では、人事（育成部門）はどのように組織的な営業力強化に関わっていくのか？ それは、人事（育成部門）が研修を設計するときのような理論的・体系的な捉え方を、営業現場に即した考え方に変換して浸透させていくことです。

今回、営業ゲーム研修の仕組みを通して、営業現場に必要な理論的・体系的な捉え方をご紹介することで、営業現場の課題をご理解いただき、人事（育成部門）主導で強い営業組織をつくり成果を出すための研修設計・運営の考え方をお伝えします。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

藤井：株式会社マーケットヴィヴィッドは、2004年に設立した会社です。営業組織変革のために、経験や勘で陥りやすい営業の落とし穴を営業の共通認識・言語化により「見える化」し、「考える力」の土台形成を図ることで、営業の「幹」「本質」から組織・個人を変えていくことが、マーケットヴィヴィッドの最大の強みです。

共通認識を深めるためのツールとして、「営業ゲーム®」という営業が売上目標の達成を目指すプロセスシミュレーションを活用し、営業組織や日頃の活動で重要な要素を「見える化」します。また、営業ゲームでは売上目標達成のゴールを見据えて、動いては考え、考えては動きながら達成ストーリーを描くPDCAの繰り返しを行い、「考える力」の強化も同時に図ります。

共通認識の重要性や、それに紐づく強化ポイントを落とし込む中で、普段のクセや判断傾向を自己分析し、今後の行動指針の形成支援を行っていきます。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

藤井：「営業が元気になることが、会社が元気になり強くなる近道」とマーケットヴィヴィッドは考えています。苦しんでいる営業は数多くいます。営業成績という目に見える数字で、雲泥の差が出てしまうのが営業です。営業マネジャーによって差が出てしまうのも現実です。

営業一人ひとりを強くしたい、営業マネージャーを強くしたい、そして営業組織の強化を図り会社を元気にしたいと考えている人事（育成部門）、研修ご担当者、営業上位役職者の方々に、営業組織活性化のヒントを持ち帰っていただきたいと思っています。