講演者インタビュー
マネジメントの革新と主体性を引き出すメンバー育成の処方箋
学校法人産業能率大学 経営管理研究所 人事研究センター 主幹研究員
杉崎 高広氏
現場の前線に立つミドルマネジャーは、成果目標を達成しつつ、人材を育成するという、2つの大きな役割を担っています。この2つの役割を統合したマネジメントを展開するためには、自職場を構造的に捉え、将来を見すえた職場構想を描き、メンバーとともに実現していくことが必要になります。本講演では、これらの考え方や職場での展開方法、具体的なスキルについて、本学主幹研究員の杉崎高広がわかりやすくご紹介いたします。 (協賛:学校法人産業能率大学 総合研究所)
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
杉崎:先行き不透明な経営環境のなかで、産業能率大学では、現状を踏まえた未来志向の職場づくりが求められると考えており、その実現のために求められるマネジャーの行動を以下の四つに整理しています。
1.問題解決アプローチから戦略的アプローチへの転換を図る
2.未来に立って現在を見つめる
3.「維持」と「革新」のバランスを取る
4.「成果目標の達成」と「人材開発」の統合を図る
上記の1~3の行動をベースに、「成果目標の達成」と「人材開発」の統合を図るマネジメントの考え方を、本学では「OJD(On The Job Development)マネジメント」として提唱しています。
今回の講演では、「OJDマネジメント」の実現のために、
1.職場を客観的・構造的にとらえる観点(OJD活性度診断モデル)のご紹介
2.OJD活性度診断モデルをもとにした、自職場をとりまく状況把握の方法
3.自職場の管理構想検討の進め方
4.OJDマネジメントの実現にむけたメンバー・集団へのアプローチ方法
などについて、わかりやすく解説したいと考えています。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
杉崎:産業能率大学総合研究所は、上野陽一によって1925年に創立された日本産業能率研究所から続く、日本有数の研修・コンサルティング機関です。日本産業界の黎明期から、高度成長期を経て現在に至るまで、創立から約90年にわたり日本を代表する社会人研修・コンサルティング機関として産業界に貢献してきました。特にミドルマネジャーを中心としたマネジメントに関わる人材開発プログラムの開発と実施、組織改革のための諸制度の構築からその定着化まで、企業の経営課題を解決する的確なソリューションを提供しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
杉崎:「未来を創れる人材がほしい」という企業ニーズが増えています。それはある意味、現在の仕事に懸命な人材が企業内に大勢いることを表しているのかもしれません。だからこそ今後は、未来の事業、職場、人材を創ることができる強力なリーダーシップを有する管理者が求められているのです。
本講演では、管理者層を対象とした「OJDマネジメント研修」のエッセンスをご紹介します。まずは、現状の職場を徹底して分析するための診断ツール。その上で、職場を取り巻く環境変化を分析し、未来に向けた職場の管理構想を描く考え方や方法論を見ていきます。そして最後に、その構想を実現するための人材の開発、つまり未来の人的資源の開発を行うためのアプローチをご紹介します。
- 学校法人産業能率大学 経営管理研究所
人事研究センター 主幹研究員 - 杉崎 高広氏(すぎさき たかひろ)
- 早稲田大学政治経済学部卒。東レ株式会社 人事・勤労部門にて「人事・労務管理」「教育・研修」業務に従事。2005年より産業能率大学に入職し現在に至る。マネジメント研修、論理的思考をベースとした問題解決研修、プロ人材アセスメント、キャリア開発研修を実施。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp