――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

・自社の人材の視野を広げたい、従来の考えを転換させる発想力・思考力を身につけてほしいとお考えの方
・他社交流型研修をすでに実施しているが、そのやり方を再検討したい方
・他社交流型研修を実施したい、参加したいと考えている方

VUCAの時代、イノベーションが必要な時代にあって、人に求められるスキルや発揮すべき行動は大きく変化しています。世の中に新しい価値を生み出す人材を育てて活躍してもらうには、既存の枠組みではなく、組織や思考の壁を越えて新しい組合せや視点を持つ必要があり、その答えの一つが他社交流型研修による人材開発であると考えます。

しかしながら、研修企画から効果検証など、そのやり方はさまざまに試行錯誤されているのが現状ではないでしょうか。

本講演は、皆さんが今後、他社交流型研修を検討する際の参考事例として、4社合同で実施した他社交流型研修の取り組みをご紹介します。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

他社交流型研修に対するニーズは従来から根強くありますが、どのようなやり方が効果的なのか、本当に効果があるのか、形骸化させず継続するにはどうすればいいのかなどを悩まれている企業は多いのではないでしょうか。

他社の人材と一緒に学び、刺激を受ける機会は、公開型研修やMBAのコースなどが代表的で、人脈作りやビジネスマッチングを目的とした異業種交流会なども以前から存在します。しかし、正解が分からない時代において、既存の延長線や自社の常識を超えて、多様な考え方ややり方を想起できる人材開発を目的に、他社と研修を継続的に実施する機会は、そう多くはありません。

本講演でご紹介するのは、他社との交流を通して多様な考え方を取り入れ、視座・視野を拡大するとともに、新たな発想を生み出せる人材を開発するにはどうすればいいのか、実際に悩みを抱える12社の人材開発担当者が意見を交換して研修内容を考えることから企画がスタートし、実践、効果検証までを行った取り組み事例です。

聴講される方々が、今後他社交流型研修を検討される際の参考になるよう、効果に影響したと考えられる四つのポイントについてご紹介します。また、参加企業の育成担当者とのパネルディスカッションを交えながら、その後の受講生の変化や、育成担当として実施に至るまでに感じた点、難しかった点、次に生かせる点なども、お伝えしたいと思っております。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

多様性が求められる現在の社会では、自社のやり方の延長だけで企業が存続することはできません。さまざまな環境や立場の人が寄り添い、問題解決する力が必要です。他社や異文化を持つ人たちとの交流で刺激を受け、学び、自社の活動だけでは体験できない世界を知る。これまでと違った視点で物事を捉え、考える人材を育てることが重要なのです。

本来、個人がサードプレイスなどを活用し、積極的に越境学習を行う機会を持つべきですが、企業が主導して他社交流の機会を積極的に提供することも、求める人材の開発を加速する一つの方法と考えます。本講演が皆さまの人材開発の一助となれば幸甚です。

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