株式会社エクシードバリュー 代表取締役社長
松村 芳郎氏
働く場所がいくらでも見つかるこの時代にどうすれば若手社員の早期離職や帰属意識の低下を防ぐことができるのか。他社との差別化に重点をおく施策には限界があります。経営理念の定着と浸透をはかることで貴社で働く唯一無二の意味を社員に理解してもらうことが重要です。経営理念と人事はどう向き合うべきか。人事のミッションと経営理念に根ざした人財育成のポイントをお伝えします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
若手社員の早期離職、人材のミスマッチ、社員の帰属意識の低下など、人材に関する企業の課題は山積みです。これらの課題解決に向けて人事担当者さまは日々頭を悩ませておられると思います。
また、採用にかかる経費が膨らんでいく一方、なんとか人数を確保できてもその質にお悩みの方もいるかもしれません。一方、在職者に対しても目先の労働条件の改善を行い続けることにそろそろ限界を感じているのではないでしょうか。さらに、視点が他社との差別化だけにあるのであれば、過熱する競争に限りなく付き合っていかなければなりません。
今この時期だからこそ、自社の経営理念に立ち返り、経営理念に根ざした人材の定着と育成に転換していく必要があるのではないでしょうか。働く場所がいくらでも見つかる現代、経営理念と従業員が貴社で働く意味をどうリンクさせ、帰属意識をどう高めるべきなのか。本講演では、貴社における経営理念の定着と浸透を図るためのヒントをお伝えします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
皆さまの会社には経営理念はありますか?決して、経営理念がなければ駄目だというわけではありません。ただ、企業が一番大切に考えていること、その事業をなぜ行っているのかの答えが経営理念にあるとすれば、それをステークホルダーに開示することはとても大切です。
そして、経営理念はただ開示するだけでなく、そこに込められた想いを社員が理解し、経営陣と一体になって共有できている状態が望ましい姿です。HPに載せているだけ、壁に飾っているだけでは意味がありません。
それでは経営理念を実践するのは一体誰なのでしょうか?経営陣が先頭に立って実践するのは当然ですが、顧客と接する最前線には社員一人ひとりがいるはずです。その社員一人ひとりにこそ、経営理念に込められた想いを常に念頭においてもらい、顧客と接してもらう必要があります。
数多くある会社の中から貴社の存在を知り、そして貴社に入社した人々。そしてまた、これから入社する人々に対して、経営理念を通じて貴社で働く唯一無二の意味を理解してもらうことが何より大切ではないでしょうか。
本講演を通じて、貴社の経営理念と、求める人材像をマッチングさせるポイントをお伝えすることで、他社との差別化に重点を置いた現在の視点を変えるきっかけになればと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
今回、テーマとして取り上げた「経営理念の定着と推進」は、企業にとって永遠のテーマではないでしょうか。
本講演をきっかけに自社の経営理念を今一度見つめ直していただく機会にしていただければと思います。また、経営理念として明文化したものがない場合には、自社が大切にする価値は何なのか、事業を行う意味を改めて考える機会としていただければと思います。
経営理念は、決して創業者のためだけのものではありません。今、この瞬間に汗を流して働いている全ての社員のものでなければならないはずです。だからこそ、特に人事担当者は経営理念の定着や浸透、実践の先頭に立っていかねばならないと考えます。
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