――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

高橋：物質的な豊かさに満たされる世の中、顧客ニーズの多様化・高度化、業界・国境を越えた競争の激化……。今の日本は高度経済成長期のように、同じことをやり続ければ業績が上がり続けるわけではありません。

企業は「既存ビジネスのシェア確保」に加えて、「国外への市場開拓」「イノベーションによる新商品開発」に追われ、現場は目の前の成果を上げるために躍起になり、人が育てられない、人が育たない、人がいないと悲鳴を上げています。そして、存在することが希少である、自ら育ち“自ら変わり続ける個人”を求めるようになっています。

人事には、今まで以上に「企業の成長と個人の成長を同時実現」させる人材育成が命題として課されていますが、なかなか解を見い出せないまま、模索しているのが実情です。

新たなビジネスは模倣されやすいが、人材力は模倣されにくい――。

企業側が人材育成に解を見い出せない中、

• 今の世の中に求められる“自ら変わり続ける個人”の正体とは？
• 何故、現場は“自ら変わり続ける個人”を求めるのか？
• 何故、現場で“自ら変わり続ける個人”が育たないのか？
• どのように研修を構築すると、人は“自ら変わり続ける個人”になるのか？

企業の競争力向上に向けて、今の時代だからこそ育てたい“自ら変わり続ける個人”の養成、階層別研修の構築法を、学術的な背景やフレームを用いて、分かりやすくお伝えします。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

高橋：弊社リンクアンドモチベーションは「企業ビジョンや戦略の遂行のための行動変容を実現することで、組織と個人に新たな“当り前”を作り出す」ことをテーマに人材開発・組織開発を支援しています。

今回テーマに掲げた階層別研修は、それぞれの階層に“求められる役割期待、新たな当り前”が変化することで生じる、自身の“キャリアの断絶”に向き合い、乗り越えるための“きっかけ”ですが、

• 人は“限定合理的な感情人”であり、共感をしないと変わろうとしない
• 変わるためには内発的なモチベーションの喚起が重要である
• そして、変わり続けるためには、小さな成功体験が必要である
• また、周囲との関係性を繋ぎなおす仕組みの整備も重要である

といった、モチベーションやコミュニケーションを基点としたノウハウをもとに、人が“キャリアの断絶”を乗り越えて変わること、変わり続けることを実現できる支援を行っています。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

高橋：階層別研修は大手企業であれば全ての企業が行っているもの。それだけに、研修のための研修になりがちな傾向はありますが、「階層研修を通じて人を変えることができる」「階層別研修を通じて、企業を強くすることができる」「階層別研修を通じて、企業の競争優位性を高めることができる」ということは、今までの経験の中でも確信しています。

「どうすれば、人が早期戦力化するのか？」「どうすれば、組織は強くなるのか？」。絶対解が存在する訳ではありませんが、そんな悩みを抱えている方に、“自ら変わり続ける、成長し続ける個人”を育てるためのヒントをお伝えしたいと思っています。皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。