“日本企業の良さ”を、外国人社員や若手社員に伝えるための“ アナログ体験”学習
株式会社神鋼ヒューマン・クリエイト プリンシパル
弘中 悦夫氏
日本企業が世界で勝ち残るためには、その強みの本質である「QCDSを大切にする行動・習慣」を、改めて徹底することが必要だと我々は考えています。そして、このことを若手社員や外国人社員に植え付けるには、知識の習得だけではなく、その必要性・重要性を“体感”させることが不可欠なのです。そこで我々は、“体感”をキーワードとして、敢えて“アナログ体験”を組み込んだ教育プログラムをご提案させていただきます。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
弘中:日本企業の「特質」であり、「強みの本質」ともいえるものとして、「“QCDS”を大切にするという行動習慣が根付いていること」が挙げられるのではないでしょうか。だからこそ、海外に進出した多くの日本企業は、現地の社員に対して、これを伝えようとしているのです。
ところが、それに成功している企業が多いとは言えません。それどころか、「日本人の若手社員」に対してさえ、うまく伝えることができず、国内事業の将来を危惧している有様です。こうなった原因の一つは、日本企業の「強みの本質」を、言葉で伝えることの難しさにあると我々は考えました。例えば、団塊の世代は、高度成長というステージの中でさまざまな体験をし、成功や失敗を体感しながら「強みの本質」を身につけました。これは「言葉の力」より「体験・体感させる力」の方が、はるかに有効であったということの“証”なのです。
ところが、近年の日本企業において、若手社員達は、目先の業務に追われ、「強みの本質」を育むことができるような体験・体感をする機会がありません。そこで我々は、研修を体験・体感の場として捉え、この中で「“QCDS”を大切にする行動習慣」創りを行いたいと考えました。
今回、ご紹介するプログラム「MACS」は、あえて泥臭い体験ができるよう構成されており、現実に近く、臨場感を感じることができるように設計されています。まさに、“アナログ効果”なのです。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
弘中:我々は、100年を超える歴史を持つ神戸製鋼所において長年人材育成を担っていた人事労政部門から、約30年前にスピンアウトした人材開発専門企業です。
階層別教育やビジネススキル等の教育、教育施策のコンサルティングに加え、各種技術・技能教育、資格取得研修やクレーン、フォークリフトの教習等も実施しており、神戸製鋼所グループおよび一般企業の人材育成をお手伝いしています。
さらに我々は、「現場重視」の教育方針のもと、単なる知識やスキルの習得に留まらず、実際に使える能力や行動変革を目指して、日々、新しい教育施策を企画・開発しています。つまりスマートなものではなく、泥臭い現実的な教育を得意としている企業なのです。
講演は、今回ご紹介するプログラム「MACS」など、さまざまなシミュレーションや野外研修等を長年にわたって開発・実施し、国内のみならず中国等海外においても高い評価をいただいている講師が担当いたします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
弘中:今回ご紹介するプログラムは、以下のような“日本企業の強み”を、国内外の受講者の方々に、正しく伝え、考えてもらうためのツールとして、極めて有効であると考えています。
- 最低限の「企業の良心」である“約束した品質を守る”ためにすべきこと(Q)
- 「良いものを安く提供する」ための生産性向上とコスト低減を行うためにすべきこと(C)
- お客様に迷惑をかけないために“約束した納期”を守るためにすべきこと(D)
- 従業員と社会に対する企業の責任である“安全や環境”に対応するためにすべきこと(S)
上記のことが、このプログラムの中で、どの様にして具現化されているかをご紹介いたします。是非、ご期待ください。
- 株式会社神鋼ヒューマン・クリエイト
プリンシパル - 弘中悦夫氏(ひろなか・えつお)
- 大学卒業後、神戸製鋼所入社。企画部等を経て、神鋼ヒューマン・クリエイトへ。研修コンサルティング部長等を歴任後、北京東方神通専業人材培訓有限公司に副総経理として赴任。その後、帰国し現職。これまでの経験を活かし、各種研修の開発・実施だけでなく、組織開発、教育体系等のコンサルティングに従事