ガラパゴス化する日本の採用戦略~世界の常識、日本の非常識~
株式会社ビズリーチ 代表取締役
南 壮一郎氏
世界を舞台に「人材獲得競争の時代」へと突入している昨今の採用市場において、いかにして優秀な人材を採用するのか。日本の20分の1 のコストで採用を行う海外の人材業界の最新トレンドや、今まで明かされることのなかった市場構造、採用成功の秘訣を、国内最大級の会員制転職サイトを運営するビズリーチ代表の南が「全て」お伝え致します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
南:グローバル競争の激化、事業ライフサイクルの短期化など、今日の企業経営を取り巻く環境が厳しさを増すなか、今後の経営戦略の実現を担う「未来の人材」の獲得競争も激しさを増しています。
例えば、次世代技術に明るく、複数の言語を操ることが出来るエンジニアや、海外現地法人の立ち上げ経験者、海外MBAを取得し、事業経営経験が豊富なエグゼクティブには、日系企業のみならず、多くの外資系企業から積極的なコンタクトが試みられ、国境を超えた採用・転職が日常的なものになりつつあります。
「会社の資産は人である」と公言し、自身の時間の半分以上を人に関わることに投じたのは、GEの元CEO、ジャック・ウェルチ氏ですが、その入口である「人材採用」において、日本企業の手法は欧米企業のそれに比べると10年以上遅れていると言われます。欧米企業が「攻め」の採用活動を展開しているのに対し、多くの日系企業は「待ち」の採用活動しかできていません。このままでは、日本企業はグローバルで展開されている人材獲得競争で負けてしまうのではないでしょうか。そして、人材採用で負けることは、経営で負けることを意味しているのではないでしょうか。
本講演では、ガラパゴス化しつつある日本の採用の現実や、新しい手法として世界各国で続々と導入されている「攻め」の採用活動について、弊社での取り組みなども交えながらお伝えいたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
南:弊社の強みは、「ダイレクト・リクルーティング」の提供により、お客様の「攻め」の採用活動を実現している所です。
「ダイレクト・リクルーティング」とは、これまで人材紹介会社やヘッドハンターが使っていたインターネット上の管理画面で、転職希望者の職務経歴書を直接「検索・閲覧し、スカウトすることができる」手法で、既に欧米やアジアでは日常的に行われている手法です。この手法により「優秀な人の紹介を“待つ”」ことしかできなかった企業が、「攻め」の採用活動に転じ、優秀な人材の確保や採用コストの削減に成功しています。
弊社が運営している会員制転職サイト「ビズリーチ」では、1,700社以上の企業様と30万人以上の会員様にご利用いただいています。また、登録会員の約35%がビジネスレベル以上の英語力を有し、20%以上がMBAを含む修士以上の学歴を保有するなど、各企業で活躍されている方々に多数ご登録いただいています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
南:本公演では私自身のこれまでのキャリアや、まったく所縁の無かった業界で起業を決意するにあたった経緯、また、人材業界で起きている現実を全てお話ししたいと思います。
人材業界はアベノミクス以降の経済環境の好転により、バブル期とも言えるほど盛り上がりをみせています。一方で、皆様に提供されている中途採用のサービスは、年々世界のトレンドから取り残されつつある「時代遅れの」サービスであり、世界では人材獲得競争を勝ち抜くために、さまざまな手法が取り入れられています。
短い時間ではありますが、余すことなく、その全貌をお話できればと思いますので、ぜひご参加ください。
- 株式会社ビズリーチ 代表取締役
- 南壮一郎氏(みなみ・そういちろう)
- 株式会社ビズリーチを創業し、2009年管理職・グローバル人材に特化した会員制転職サイト「ビズリーチ」を開設。関連会社を合わせ5年で社員数370名(7カ国出身)の組織へ成長。世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダーズ2014」選出。1999年タフツ大学卒業。モルガン・スタンレー証券、楽天イーグルス創業メンバーを経て現職。