株式会社ファインド・シー 代表取締役
小高峯 康行氏
昨今、1on1に取り組む企業が増えてきましたが、期待した成果を出せずに苦しんでいるご相談を数多く伺います。それらの話を整理すると、目指す1on1にたどり着くまでに、3つのステージがあることが見えてきました。本講演ではNTTドコモ・スマートライフ推進部、ドコモ・テクノロジーの1on1導入事例をご紹介。事例を踏まえて3つのステージや、ステージレベルを上げていくためのポイントを解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
ここ数年でDXへの取り組みが進み、組織やマネジメントスタイルの変革のため、1on1を導入する企業が40%を超えました。また、昨年からニューノーマルな働き方に急激に移行し、テレワーク労働環境による「社員のエンゲージメント低下の不安」が大きくなっています。
これまでのマネジメントでは、上下関係が明確で強固なことが、DXを推進する障害になっていました。また、テレワーク以前は、マネージャーが「社員が出社した際の挨拶や、顔色を見る」「オフィスを回り、声がけをする」など、社員の調子を把握する術をいくつも持ちマネジメントしていました。しかし、リモートワークの比率が高まり、物理的にこれまでのマネジメントができない状況になりつつあります。
社員のエンゲージメントを今まで以上に意図的に高めつつ、トップダウンから自律型のマネジメントに変革する上で課題をお感じの方にお聞きいただけると幸いです。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
GAFAやITベンチャー企業を中心に、1on1はスタンダードになっていますが、歴史ある大手企業においては、ここ1、2年が1on1の本格検討・導入期だったと思います。今回は1on1導入から一定期間が過ぎた、ドコモグループの2社にご協力いただき、1on1をどのような背景や課題感から検討されたのか、また実施後はどのような苦労や手ごたえを感じていらっしゃるのか、生の声をうかがいたいと思います。
また、上記2社を含めて、弊社で1on1導入をご支援する中で、なかなかうまく行かない事例やポイントがわかってきました。そこで、1on1を導入してから起こる谷を3ステージで整理し、そのステージごとに何をしたらよいかを、ご紹介いたします。
今回の2社は、異なる1on1の手法を取っていますが、王道である上司・部下の『縦の1on1』と、直属上司ではない先輩が行う『ナナメの1on1』とで、その一長一短が見えてきました。それらを組み合わせることで、起こりがちな3ステージをどの様に乗り越えていくか解説いたします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
弊社でも4年以上1on1に取り組み、いろいろと思考錯誤する中でコロナ禍となり、身をもって1on1の重要性を感じています。研修会社として、傾聴のスキルや、コーチングスキルをよくわかった上でさえ、『1on1がうまくいかない』という社内事例も起こりました。そこでの葛藤や、試行錯誤から1on1の3ステージが見えてきて、ドコモグループを始めとした各社で行っても同様のことが起こると感じております。
1on1に関する公式・理論というより、体感・実践的に積み上げてきた知恵を限られた時間の中でお伝えすることで、皆さんの1on1の質がより早く高まり、組織のエンゲージを高めるヒントになれば幸いです。
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