tag&associates株式会社 代表取締役
冨田 晋作氏
経営課題の普遍的なトピックである自律型人材育成。ただ実際に取り組むと、総論賛成・各論反対が随所に起こり、その運用に躓くことも少なくありません。本講演では、失敗事例の原因を特定し、現場で改善・改良を重ねてきた経緯と結果をもとに、育成のための全体像の設計の仕方、その中での優先順位の付け方、立場やレイヤーの違いをふまえたアプローチの仕方を、具体例でお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
自律型人材育成に取り組 んでいるが 「経営陣や事業部門との隔たりができ ている」「 成果が乏しい」といった課題をお持ちの方、あるいはどこからどう始めたらよいかわからないと迷われている方向けにお話しいたします。
また、自律型人材育成は、事業部門の方々 が人材・組織開発の能力 やメソッドを持 つことも目的・成果の一つであり、ここに課題感をお持ちの方にもご参考になればと思っております。
オーナー企業やベンチャー企業などのように、一部の方の強いリーダーシップで作られたビジネスモデルを有する組や、産業や商習慣的に個人の主体性が求められてこなかった組織では、その歴史的背景自体が取り組みの大きな壁となることもあります。しかし「どんな企業も変われる」チャンスをもっています。私自身もそういった環境でマネジメントし、多くの失敗を経験しました。それも踏まえて、現場感のあるお話をさせていただきたいと思います。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
経営陣、事業部門、人事、人材・組織開発部門がタッグを組んでお互いの強みと役割を活かすために「やってはいけいないこと」をお話しします。
特に事業部門と人事、人材・組織開発部門の関係性は重要です。成果、戦略、ビジネスプロセス、カレンダーが同期しているか、あるいはその認識でコミュニケーションできるか否かは、重要なテーマです。
企業の状況によっては変革、チェンジマネジメントになることもあります。そういったときには「七人の侍」のように、 取り組みの主体者となるチームが「絶対に成し遂げる」という強い挑戦心、コミットメントを持っておく必要があります。ただ実際の現場での運用となると、総論賛成・各論反対が随所に起こり、その運用につまずくことも少なくありません。個々人に悪気や他意はなく、自然とそういったことが起こります。
また、事業と採用のマーケティングが確立されておりファイナンス的にも余裕がある企業では、打つべき選択肢も多くありますが、全ての企業がそうではありません。今の戦力でできることにフォーカスし、一点突破しなければいけない状況や企業もあります。
ただ、どういった目的や状況でも「負けに不思議の負けなし」で、失敗には明確な原因があり、それらを現場での実例をもとにひもときながら、どうしたら良いのか、そのポイントをお話ししていきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
自律型人材育成の取り組みは、同じ志を持った仲間を社内で増やしていく組織開発的な取り組みでもあります。それは個社ごとのミッション、ビジョン、バリュー、カルチャーを改めて考える機会でもあり、それをいかに一人ひとりにとって自分ごと化してもらうかのエンゲージメント施策でもあります。だからこそ途中で思わぬ抵抗に 遭ったり、時に孤独になったりすることもあります。
ただ、朝礼暮改を恐れずに、Why(目的)、What(価値)、How(手段)をしっかり考えて進めていけば、確実に社内の関係性が変わり、個々人の意識・スキルセット・組織能力が上がります。
本講演がそういった成果に向けたヒントの一つになれば幸いです。
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