株式会社インターネットインフィニティー 介護コンシェルジュ相談員 介護支援専門員
吉井 しのぶ氏
家族の介護をしている従業員は、悩みを打ち明けられず一人で抱え込んでしまうケースが散見されます。コロナ禍で在宅ワークが増える中、上司や同僚と話す機会が減り、当事者がますます話しづらい環境になっています。本講演では、「隠れ介護」をしていた従業員が突然辞めてしまう事態が起こらないよう、会社が行うべき対策とポイントを解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
新型コロナウイルスの影響で働き方が変化し、在宅ワークを導入する企業が増えています。在宅ワークは「仕事」と「介護」を両立させる上で大きなメリットがありますが、課題も見えてきています。
コミュニケーションが取りづらくなったことで、「従業員が介護の悩みを抱えているのかわからない」「介護はプライベートな話題のため、オンラインでのやり取りでは聞きづらい」といった声も聞こえてきます。
実態を把握できないまま、“隠れ介護”をしていた従業員が突然辞めてしまう……。
実態が把握できないのでは、何から対策を始めてよいのかわからない……。
本講演では、こうした課題をお持ちの方に対し、働き方の変化に対応した介護離職を予防するための両立支援のポイントを解説いたします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
高齢化が急速に進む中で広がった新型コロナウイルス感染症は、高齢者の身体状況にも大きな影響を及ぼしています。自粛生活の長期化で体を動かしたり人と会ったりする機会が減ると、身体機能や認知機能が低下し、要介護リスクが高まります。要介護者が増えれば、ご家族の介護に直面する従業員も増え、仕事との両立は不可欠となります。
介護に悩みながらも誰にも相談できず、一人で抱え込んでいる方が、貴社の従業員の中にもいるかもしれません。介護に直面するのは、40~60代の働き盛りの方が多く、こうした従業員が突然「介護離職」してしまえば、企業にとっても大きな痛手となります。
企業としては、仕事と介護を両立しやすい環境づくりを進めることが大切であり、新型コロナウイルスがもたらした急速な働き方の変化を、両立支援の取り組みを始める一つのきっかけと捉えていただければと思います。
本講演では、コロナ禍で変化した両立支援のあり方について、データや実際の事例を用いながらわかりやすく解説した上で、両立を支援するために押さえておきたいポイントをお伝えします。今後の対策を検討する上で、参考にしていただけると幸いです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
介護は「先が見えづらい」「直面しないと自分事として捉えづらい」といった理由から、支援体制を整えることが難しい側面がありますが、仕事をしながら介護をせざるを得ない状況は誰にでも起こり得ます。介護をする従業員を支援することが人事の役割ですが、一方で、ご自身も介護を担う可能性をあることを想定しながら、ご参加いただければと思います。
仕事と介護を両立しやすい職場環境の構築に向けて、介護に直面する従業員とそれを支える側双方の視点から、両立支援を考える機会にしていただけると何よりです。
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