会合レポート
『日本の人事部』人事エグゼクティブ定期会合(日本の人事リーダー会)第8回
人事部長が知るべき“イノベーションの類型”と“人材育成”
米倉 誠一郎氏 一橋大学イノベーション研究センター 教授
2016.9.12 掲載
企業においてイノベーションという言葉を聞く機会は多いが、その本質や要件についてきちんと語られることは少ない。企業におけるイノベーションにはどのような類型があり、それらを起こすことのできる人材はどんな要件を備えているのか。一橋大学イノベーション研究センター教授の米倉誠一郎氏による問題提起と、参加者同士によるディスカッションで、イノベーションの本質に迫った。
プロフィール
米倉 誠一郎氏 一橋大学イノベーション研究センター 教授
(よねくら せいいちろう)1981年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了後、ハーバード大学にてPh.D.(歴史学)を取得。1997 年より一橋大学イノベーション研究センター教授。1999年~2001年、2008年~2012年3月同センター長。2012年3月よりプレトリア大学ビジネススクール (GIBS) 日本研究センター所長を兼務。現在、一橋大学の他に、Japan-Somaliland Open University 学長も務め、2001年より『一橋ビジネスレビュー』編集委員長を兼任している。イノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組織の史的研究を専門とし、多くの経営者から熱い支持を受けている。著書は、『創発的破壊 未来をつくるイノベーション』(ミシマ社)、『脱カリスマ時代のリーダー論』(NTT出版)、『経営革命の構造』(岩波新書)、『2枚目の名刺 未来を変える働き方』(講談社)など多数。
日本人は永久に部下であり続けるしかないのか
「世界の中で日本人は、永久に部下であり続けるのではないか」。米倉氏は大変ショッキングな言葉から、問題提起を始めた。このような状況を招いたのは、日本企業の人材教育における投資戦略の間違いではないのか、以前の日本は現在よりも人の教育を尊重していた、と米倉氏は語る。
「1873年(明治6年)に岩倉具視は日本の近代化を進めるため、欧米に視察に行きました。帰国後は富国強兵、軍備拡張、殖産興業を推し進めます。しかし、これだけでは足りないと考え、教育に力を入れました。当時の義務教育比率は約30%しかありませんでしたが、1900年(明治33年)には80%、1902年(明治35年)には90%と推移し、1930年(昭和5年)ごろには99%とほぼ100%を達成しました」
米倉氏はもう一つ興味深いデータとして、国民に占める学生の比率を挙げる。1870年(明治3年)ごろは日本全体で4%を切る程度と非常に少ない。当時はイギリスでも、6%しかなかった。1910年(明治43年)に日本はイギリスを抜き、1930年(昭和5年)にはアメリカに次いで2番目に学生の比率が高い国になる。米倉氏は、これら戦前の教育投資が時をおいて、戦後の高度成長へとつながったと語る。
「明治政府は教育に投資し、誰もが教育を受けられるようにしました。この投資がいつ花開いたのかというと10年後、20年後という長いスパンになります。なぜ日本が戦争で焼け野原と化しても、1960年代に復興を果たし高度経済成長へと移行することができたのか。それは、戦前の教育投資があったからです」
このときの教育投資は主に初等教育であり、誰もが読み書きソロバンをできるようにし、非常に優れたワーカーを作り出すことになった。米倉氏は、日本はこのような計画的な投資を、高度経済成長期以後の90年代からは大学レベルにおいても行うべきだったと主張する。
「本当は20世紀後半の教育投資は、大学に対して行わなければいけなかった。ここで投資できなかったことが、いま効いてきているのです。問題は勉強の量ではありません。人が『考える力』を身につけていないことです。先ほど、日本人は永久に部下であり続けるという話をしましたが、実際、グローバル企業でアジア地区を統括するのは、日本人ではなくなっています。日本人は有能な部下にしかなれない。語学力のせいではありません。ディベートする力がない、相手と戦わなければいけないときにきちんと戦えない、という事実があるからです」
米倉氏はここで、二つのデータを示した。一つ目は日本の名目GDP。総額では3位だが、一人当たりで見ると27位にまで落ちる。これは日本の生産性の低さを示している。もう一つの数字は日本人の自殺率。世界で9位という高さだ。
「日本は安全でいい国だと思いますが、なぜこれほど自殺率が高いのか。それは、日本で働く我々のせいだと思います。日本は大変チョイスの少ない国になりました。最近の学生を見ても視野は狭く、大企業に入ることしか考えていない。もっと若いうちに海外を見に行ったり、他のことに挑戦したりするべきではないでしょうか。僕が言いたいのは、日本人はいい国を作ったなどと思いこんでいるけれど、実はそうでもないということ。国民1億2000万人、みんながゆでガエルになっているのではないか。企業人事はもっと幅広い採用をしていかないといけないのではないか。このままではやはり、日本人は永久に部下にしかなれない国民になってしまうと思います」
今の日本人に足りないのは「自分を好きになる力」
続いて米倉氏は、参加者に「最近、子どもの教育で話題になる『生きる力』とは何だと思いますか」と問いかけた。
「僕は、『生きる力』とは『自分を好きになる力』だと思っています。自殺の裏返しである自己肯定感です。自分のいいところを自分で認める、ということです。それが生きる力になる。ディベート力よりも何よりも、それが先にないといけない。これは社会人でも同じです。したがって、人事の皆さんはいま、大事な局面にいると言えます。社員全員が自己肯定感を持てるような取り組みを行えば、この先、社内にものすごく良いことが起きると思います。この生きる力こそが、イノベーションにつながる大切な要素です」
ここから米倉氏は、イノベーションとは何かについて語り始めた。イノベーションの父と呼ばれる経済学者のヨーゼフ・A・シュンペーターは、1912年の著書『経済発展の理論』の中で「現状の均衡を創造的に破壊することで、新たな経済発展を導く」ことがイノベーションだと述べている。そして「馬車を何台つないでも機関車にはならない」とし、質的な転換が必要だとも述べている。
「未だにイノベーションのことを『技術革新』という人がいますが、これはイノベーションの意味を狭くしてしまっています」
シュンペーターは「イノベーションとは以下の新しい組み合わせである」と言っている。その要素は五つ。(1)新しい製品の導入、(2)新しい生産方式の導入、(3)新しい市場の創造、(4)新しい原料供給源の導入、(5)新しい組織の導入だ。
「デルは部品を内製せずに、一番安いメーカーから買って組み立てるという水平分業を行いました。これは新しいビジネスモデルであり、イノベーションです。また、担保を取らずに少額融資を行うマイクロファイナンスも、イノベーションの一つです。グラミン銀行を立ち上げたムハマド・ユヌスは、最初29ドルを41人に融資してスタートし、今や1兆円の資金を800万人が使っています。2006年には、ノーベル平和賞を受賞しました。これはやり方を変える、プロセスを変えることによるイノベーションです」
また、以前はアフリカや南米など新たな場所に進出することが市場創造だったが、今ではよりコンセプチュアルなマーケットが重要になっていると米倉氏は語る。
「例えばコンビニ。彼らはいま、新しいマーケットを発見してさらにクリエイトしています。人口動態からすると、今後は三人に一人が65歳以上になるので、シルバー層に狙いをつけています。スーパーが苦戦する中、コンビニがミニスーパー化しつつあります」
もう一つの事例は、メガネ・チェーンのJINSだ。これまで「メガネを売っていなかった人」を対象に、メガネを売ろうとしている。同社は市場がレッドオーシャン化する中で、メガネをかけていない人にメガネを売ろうと考えた。そこで一番当たった商品が、PCから出るブルーライトをカットするメガネ「JINS PC」。400万本という大ヒットになった。
「このようなブルーオーシャンは、新しい素材からも生まれます。例えば、ユーグレナという藻の仲間であるミドリムシ。これを大量培養できる技術が生まれ、この藻がつくる燃料でジャンボジェット機を飛ばそうとしています。また、日本のベンチャー企業が、天然のクモの糸と同じ強度を持つ人工のクモの糸を開発しました。大量生産が可能になり、さまざまな用途が検討されています。まだまだイノベーションのヒントはあるのです」
イノベーションを起こすことのできるチームを作る
ここから米倉氏は、イノベーションの類型について語り始めた。イノベーションを「技術インパクト」を横軸、「市場インパクト」を縦軸におき、「斬新」~「保守」というインパクトの内容で分けると、以下の四つのモデルに分けられる。
一つ目は、「技術=保守」「市場=斬新」である「間隙創造的革新(Niche creation)」だ。ニッチ創造とも呼ばれ、既存の技術と新たな市場創出との組み合わせによって生まれる。例として、ソニーのウォークマンや日清のカップヌードルがある。
二つ目は「技術=斬新」「市場=斬新」である「構築的革新(Architectural innovation)」。斬新な技術と市場創出によって生まれる。例としては新たな技術を用いて一般大衆をターゲットにヒットしたフォード社のT型フォード。「一家に一台」という考えから市場を生んだ、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックが開発したパーソナルコンピュータがある。
三つ目は「技術=保守」「市場=保守」である「通常的革新(Regular innovation)」。既存の技術と市場深耕によって生まれる。技術や生産手段の改善によって、安価で高品質な製品を提供するといった形であり、1980年代の日本企業にはこのような形態が多かった。
四つ目は「技術=斬新」「市場=保守」である「革命的革新(Revolutionary innovation)」。斬新な技術と市場深耕によって生まれる。例としては、洗剤量が少なくても汚れが落ちる花王のアタックがあり、将来はロボットによる高齢者介護なども注目されている。
次にイノベーションを起こす企業家のタイプについて説明があった。そこには4タイプがある。(1)構築的革新=企業家的企業家、(2)革命的革新=技術志向的企業家、(3)間隙創造的革新=市場志向的企業家、(4)通常的革新=経営管理者的企業家だ。
「日本は間隙創造的革新、通常的革新には強いのですが、構築的革新、革命的革新には弱いように思います」
では、イノベーションを起こせる人材をどのように育てればいいのか。そのヒントになるのは、二人組による企業の成功事例だ。日本の戦後を代表するベンチャーであるソニーとホンダ。そこには井深大と盛田昭夫、本田宗一郎と藤沢武夫という二人組がいた。PCの革命も二人組が起こしている。マイクロソフトはビル・ゲイツとスティーブ・バルマー。アップルはスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックだ。
「どれもエンジニアとマーケッターなど、技術とビジネスとの組み合わせです。日本の会社も以前は、チームとして役割を分けながらイノベーションを実践していました」
では人事はイノベーションを起こすために何をすべきなのか。米倉氏は、チームをつくる観点が必要だと語る。
「技術者ばかりを集め、ビジネスチームになっていない会社が多いのではないでしょうか。人事がうちの会社はどこで生き延びていくのかを考え、そこにイノベーションを起こすことのできるチームをつくる発想で人を集める。そうでないと、イノベ―ターを作る人材教育も人事もできないのではないかと思います。イノベ―ターを育てることを考える前に、イノベーションとは何かを考えることからスタートしてください」
イノベーションを支えようとする人事の悩みとは
米倉氏の問題提起後は、参加者との質疑応答が行われた。
- 質問1
- 参加者:人事として学生に接していると、最近は学生が企業の価値基準に合わせているようになったと感じます。米倉先生は最近の学生をどう思われますか
- 米倉氏:学生は社会の鏡、会社の鏡、学校の鏡です。「今の学生はダメだ」と言っている人がいたら、実はその人や組織のほうがダメになっている。学生に覇気がないと思うなら、こちら側に覇気がないということです。こちらが本気になれば、学生はそれに応えてくれます。これまで学生には知識を学ばせてきて、情報処理の方法を知っている学生が成績もよかった。しかし、現在は学生もネットで何でも調べられるので、すでに多くの情報を持っています。そのため、教師の役割は知識を与えることではなく、その知識の背景にあるものは何か、それをベースに考えるべきことは何かを伝えることだと思います。自分で問題を探して、仮説を立てて、検証する、といった思考のサイクルをつくることを指導しなければなりません。
- 質問2
- 参加者:現在の社内は、決してイノベーティブとはいえません。人事としてこれからどんなトライアルをすべきでしょうか。
- 米倉氏:これまで採用していた人とは違う人材、「こういうのはうちの社風に合わないな」という人材をあえて採用してみる。難しいことかもしれませんが、あえて違う人材を採用して、組織の中枢に据えていくというやり方はいかがでしょうか。人事の皆さんは「どんな変革をやるべきか」を、すでに自覚されていると思います。もう、やるかやらないかなんですね。これまでいい人材が採用できていないのであれば、恐れずに変えてみてはどうでしょうか。やはり、皆さんが最初にイノベ―ターになるべきだと思いますね。
- 質問3
- 参加者:最近の学生はチャレンジ精神もあるし、自分のキャリアに対してオーナーシップを持っていると感じます。しかし、そんな人材が入ってきてもイノベーションが進まない理由は、新たな考えを生かす文化が社内にないからだと思います。どのように文化を醸成するとよいですか。
- 米倉氏:ストリーテラーとしての人事はカッコイイですよね。社内の文化をつくることは大事な役割だと思います。アメリカの経営コンサルタントであるトム・ピーターズは、「会社には共有された価値観が必要」と言っています。それが文化になる。以前、ホンダの社員が困ったときには「オヤジ(本田宗一郎氏)だったらどうしたかな」と考えるという話をしていました。これこそが共有された価値ですね。自社のWayを社員に考えさせ、納得させるのは人事の役目と言えます。ただ、最近の学生は以前に比べて教養がなくなっている面もあるかもしれません。昔の学生はたくさん本を読み、たくさん映画も見て、旅行もよくしていた。しかし、現在の学生は自分のコアをつくれず、自身の考えを述べることも苦手です。そのような面での支援は必要だと思います。
「イノベーションを起こす人事」は何をすべきなのか
米倉氏による問題提起をもとに、参加した人事リーダーたちが数人ずつのグループに分かれて、企業における「イノベーションを起こす人事」についてディスカッションを行い、その内容が発表された。
- <グループ1>
- イノベーションは誰もが起こしたい。しかし、経営者から強力なメッセージがないとなかなかその機運は生まれない。そこで、いかに社内に危機感を示していけばいいのかについて、話が盛り上がりました。例えば、「10年後を見据えて、大きく会社を変えなければ生き残れない」というメッセージが経営陣にある場合、人事はそれをどうサポートすべきか、ということです。メッセージの方向性が決まれば、バリューを変えるために行動を起こし、カルチャーづくりで支えられるのではないか。また、人事は企業を活性化するために、「企業内で安全に失敗ができるのだ」という文化をいかにつくるのかが問われている、という意見も出ました。
- <グループ2>
- 最初に出た意見は、まず人事が変わらないとダメなのではないかということです。さまざまな会社でダイバーシティの取り組みが行われていますが、10年やってもなかなか実態は変わらないところが多い。企業文化が強固だと、それが変革を邪魔してしまう。例えば、その会社を改革するために転職したのに、入社すると「早くなじんでください」と言われる。このような意思がダイバーシティの良さを消しているのではないでしょうか。また、話し合いの中で変革のアイデアとして出たのは、オープンイノベーションの人事版です。同じ悩みを持つ他社と、一緒に考えてみてはどうか。そして、人事は中途採用でも「長く勤めてほしい」と望むのではなく、人材の流動性を受け入れたうえで、社内に刺激を与えることを前提に外部から人を迎えるべきではないか。これからの人事は人事権のないところで、社員に対してどんな手助けができるのかを考えるべきだ、という意見も出ました。
- <グループ3>
- 私たちは、互いに悩みを打ち明けるような話になりました。今の人事は人を揃えることまではできていますが、その後の風土づくりや、イノベーションへの誘導については、まだまだ有意義な活動ができていません。組織のタテの系列で、現場にイノベーティブな活動をしてほしいと伝えることはできても、実践となるとやはり難しい。そのようなときに、組織を俯瞰し、そこに横串を刺すような見方ができるのは、やはり人事しかいません。経営と現場が同じ方向を見るようにするには、その横に人事がいて、別視点でのアドバイスや働きかけをしなければいけない。決して自動的に変革が起こることはないと思います。今日の米倉先生のお話で、人事は働きかけられるポジションにいるということが確認できたように思います。
- <グループ4>
- このグループではイノベーションを阻害しているのは人事制度ではないか、という意見が出ました。イノベーションを起こすために人事が何をできるのかを、原点に立ち返って考え、一気に変えていかないと物事は変わらない。そうしなければ、人事がイノベーションを支えるような仕組みはできないのではないかという議論になりました。
- <グループ5>
- 現場にどれだけ人事が入っていけるのかが問われている、という意見がありました。日本企業の人事は、グローバルでも日本人のリーダーをなかなかつくれていません。企業として、日本人がリーダーシップを取れるという雰囲気をいかにつくるかで苦労している。そして、人事がどういう形でバリューを出せるのかも明確な指針がない。その意味では「制度をどうするか」といった間接的な役目よりも、「目の前の社員たちの気持ちをいかに聞き出し、社内にどうすればインパクトを出せるのか」といった直接的な役目のほうが、今の人事の役割では大きいのではないか、そんな意見が出ました。「制度」という言葉を使わない活動こそが大事なのではないかと思います。
- <グループ6>
- そもそもイノベ―ターになる人は「やりたい人」ですから、そこには「自主」というベクトルがあるという意見が出ました。人事は社員の中にそのような「火」を見つけたら、それを消さないようにしなければいけない。そのような支援の動きをいかに企業という集団の中で行うのかが問われているのではないかと感じました。また、このような場で他社の話を聞くと、自分の会社はどうかということがよくわかるという意見もありました。
最後に米倉氏から、参加者に向けてメッセージが送られた。
「人事がうまくいかないと思ったときに注意しなければいけないのは、『仕組みがないからだ』と思ってしまうことです。しかし、人事の原点に返って考えると『やりたいことをやれ』という仕組みがあるからこそ、人は活性化するのです。現在の日本人にはポテンシャルもあるし、いい人材もいる。もっと人を信じてよいのではないでしょうか。人事の問題について語るとき、そのプロセスばかりが話題になりますが、企業のあり方そのものにもっと疑問を持っていいと思います。正直、日本企業は利益率が低すぎる。それに対して、人事が『こんな結果しか出せていないのだから、経営そのものがおかしい』と指摘し、そこから人材登用に介入していこうとする考え方があってもいい。会社の全体像を見ることができるのは、経営トップと人事だけです。そこにコミットしないとこの先、日本は一流国として生きていけないのではないかと思います」
第8回会合の風景
アドバイザリーボードの皆さま同士で、活発な議論が交わされました。