働き方のニューノーマルに向けて
松下 慶太さん(関西大学社会学部 教授)
まつした・けいた/1977年神戸市生まれ。博士(文学)。京都大学文学研究科、フィンランド・タンペレ大学ハイパーメディア研究所研究員、ベルリン工科大学訪問研究員、実践女子大学人間社会学部などを経て現職。近年は特にコワーキング・スペース、ワーケーションなどモバイルメディア・ソーシャルメディア時代におけるワークプレイス・ワークスタイルを、メディア論や都市論、コミュニケーション・デザインなどの視点から研究している。主な著作に『モバイルメディア時代の働き方』(勁草書房、2019年)、『ワークスタイル・アフターコロナ』(イースト・プレス、2021年)など。
2020年、コロナ禍でテレワークが広がりました。コロナ禍の長期化で、テレワークはオフィスに戻るまでの短期間を緊急避難的に乗り切る手段ではなく、ワークフローを含めたDXを本格化し、働き方を再編するものとして捉える企業も増えています。
私たちの働き方に生じた変化は、回転しつつも戻ってくる「観覧車」ではなく、回転しながら新たな方向に加速していく「ジェットコースター」だったのです。では、このジェットコースターが向かう先はどのようなものでしょうか。
これまでの働き方は、オフィスや工場など場所に基づく「PBW(Place Based Workstyle)」でした。転勤や通勤あるいは産休・育休などはそこから派生した課題だったといえます。
2010年代には、仕事の活動によって時間・場所を柔軟に組み合わせる「ABW(Activity Based Working)」が注目されました。これまでもフレックスタイムは浸透してきましたが、これからフレックスプレイスも加えた、働く時間・空間を柔軟にする流れが広がるでしょう。私はそれをさらに一歩進めて、働くに関する活動だけではなく、生活も含めたスタイルに併せて場所を選択、デザインしていく「SBW(Style Based Workplace)」として捉え直されると考えています。
SBWでの働き方はどのようになるのでしょうか。
この続きは「日本の人事部 LEADERS(リーダーズ) Vol.9」でご覧になれます。
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