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「HRアワード2016」受賞者インタビュー

応募者に「どんな人と、どう働きたいか?」というリアルなイメージを喚起
新卒採用活動の既成概念をリセットし、応募者と社員の相互理解を図る「相棒採用」とは

春日 均さん(株式会社アサツーディ・ケイ 執行役員 人事・法務センター統括)

株式会社アサツーディ・ケイ 執行役員 人事・法務センター統括 春日均さん

グローバルレベルで繰り広げられる厳しいビジネス競争に勝つには、優秀な人材の確保が不可欠であり、多くの企業が新卒採用に力を注いでいます。しかし、近年は「売り手市場化」が進んでおり、思うような成果を上げられていない、との声も聞かれます。そうしたなか、大手広告会社のアサツー ディ・ケイ(以下、ADK)は、従来からの採用方法を全面的に刷新。応募者が「この人と働いてみたい!」という社員に向けて売り込めると同時に面接もしてもらえる「相棒採用」を2017年度新卒採用からスタートさせました。この取り組みは大きな注目を集め、「HRアワード2016」企業人事部門優秀賞を受賞。新たな採用ソリューションの開発・導入をリードしたのが、同社執行役員 人事・ガバナンスセンター統括である春日均さんです。春日さんに「相棒採用」導入の背景や目的、社員や応募者からの反応などについて、詳しくうかがいました。

Profile

かすが・ひとし●1985年に大学卒業後、流通系ハウスエージェンシーを経て1989年に旧旭通信社入社。広告営業としてビールメーカーを中心に、化粧品、人材紹介などのクライアントを担当。2006年より営業局長としてビールのナショナルブランドのCM制作、キャンペーン開発をAEとして担当。その後2009年より営業を調整、統括する営業企画室室長、2012年より総合企画本部本部長を経て、2013年より執行役員 総合企画本部長。2014年、執行役員コーポレートセンター統括を経て現職に至る。

環境が激変するなか、もはや当たり前の新卒採用手法では通用しない

「相棒採用」の導入を決めた経緯についてお聞かせいただけますか。

私は面接官として長年採用に携わってきましたが、人事総括として新卒採用に関わったのは、2016年度採用からです。途中から参加したので2016年度は様子見でしたが、2017年度はゼロから関わることができるので、新たなことに挑戦したい、という強い思いを持っていました。

採用担当から2017年度新卒採用のコンセプトについて聞かれたとき、「どうせなら全国紙に載るような話題性の高いものをやってみたらどうか」と答えました。当社はクライアント企業のコミュニケーション活動をご支援する仕事をしているけれど、自分たちは本当に良好なコミュニケーションがとれているのか。画一的に十年一日の採用活動を、何の疑いもなく続けているのではないか。せっかくアイデアやユニークなものを売り物にしている会社なのだから、採用活動自体に話題性があり、オリジナリティーに富んでいて、「なるほど、ADKってこういう会社なのか。面白いよね」と言ってもらえるものにしたらどうかというのが、最初の発想でした。

また、面接などを通じていろいろな学生とお会いする中で、「我々はこの人たちの本質を理解して選んでいるだろうか」という疑問を常に持っていました。もっとじっくりと本人の人となりを確認した上で、選ばなければいけないのではないか。しかし、現実には大量に新卒者をさばく面接がまだまだ続いている。もう少し丁寧に一人ひとりと向き合うようなものができないかと考えたのが、「相棒採用」のきっかけでした。

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