――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

「業績向上」「メンバーの育成」「コンプライアンス・内部統制」から始まり、メンバーに対しては「キャリアゴールの把握と支援」「健康管理」「ワークライフバランスの拡充」。一方で、「業務プロセスの革新」「イノベーションや新規ビジネスの開発」そして、当たりまえのように「プレイヤーとしての活躍」まで求められる。今どきのマネジャーへの要請は増すばかりです。

持つべき能力・スキルを俯瞰（ふかん）したうえで、人事として、新しい働き方を実践し支援できるようなミドルマネジャーをいかに育てられるか？ そのアプローチ方法を考察します。

そもそもなぜプレイヤーからマネジャーへの転換は難しいのでしょうか？ それは、自分のプレイヤー力でなんとかしようとすることで、チームとして成果を上げるマネジメントへの転換に遅れるからだと考えます。そして、マネジャー昇格後はプレイヤーとして動くことを否定し、マネジメントに徹することをいきなり求めるアプローチがさらに難しくしているように思います。

私たちが志向するのは、プレイヤーとして培ってきたものを活かしながら、マネジャーへの準備を丁寧に支援するアプローチです。多くの企業が導入するマネジャー昇格後の“新任管理職研修”ではなく、マネジャーになる準備をスムーズに進める“プレイヤー卒業研修”の事例として、弊社のアクションラーニングプログラムをご紹介します。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

「すでにあるものを丁寧に活かし、知恵を生み出す組織を創る」

ブリコルールとは、ブリコラージュする職人のこと。ブリコラージュとは、その場にあるものを丁寧に活かし、工夫して新しいものをつくりだす営み。 組織や人に関する問題は、ますます複雑化・多様化しています。一方で、その対応には、どこかにいるかもしれない英雄待望論や、 別の場所で成功したベストプラクティス模倣論が幅をきかせているように感じます。

私たちは、複雑化・多様化した問題への対応に魔法は存在しないと考えます。 必要なのは、自分たちが持つ力や組織に備わる資源を、試行錯誤しながら活かし、その経験から学び、知恵を生み、巡らせること。 自分たちの問題は、自分たちで考え、自分たちで解決するという、知恵を生み出す組織。 私たちは、そんな創発力を備えた職場や人材を、クライアントの皆さまとブリコラージュしてつくり出すことを使命として生まれました。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

環境変化に適応すべく組織や人材の変革に挑むも、目立った成果につながっていない事例を数多く目にしてきました。そのような事例に共通しているのは、これまでとはまったく違う組織・人材になることを求めるようなアプローチを志向していることでした。

自分たちの組織・人材が培ってきたものを活かしながら、知恵を絞って新しい変化に適応すること。まさにブリコラージュの発想が求められていることを確信しています。

働き方改革で求められる新たなミドルマネジャーを、プレイヤー時代からどう育てていくのか？ ブリコルールなりの考えをご紹介しつつ、新しいヒントが創り出される場にしたいと思います。

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