――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

民間企業における障がい者の法定雇用率は、2021年3月までには2.3％まで引き上がることが決定しています。また、2023年4月にはさらなる引き上げも予想されます。

では、民間企業はこれからの障がい者雇用をどのように組み立てたらいいのでしょうか。当社では、障がい者労働市場の過去から未来までを、公表されている各種データをもとに再度整理すると同時に、企業規模ごとの障がい者雇用施策についても整理してみました。その結果次のように推論するにいたりました。
■労働市場全体
・障がい者の労働市場は、現在よりもさらに苛烈な売手市場になっていく
・就労可能な身体障がい者は今後減少し、精神障がい者がさらに増大していく
・就労可能な知的障がい者は微減していく
■需要の変化
・雇用の総数は、首都圏(または都市部)の大手企業がけん引している
・中小企業、地方の自治体では実雇用が滞っている
■供給の変化
・首都圏(または都市部)の障がい者は就労が進み供給力が激減している
・地方の障がい者は就労が進まず買手市場が続いている
■売手市場化の原因の考察
・大手企業の障がい者雇用が、せまい範囲（職種・職域）に制限されたままであること
・採用も首都圏(または都市部)の特定地域に限定されていること

本講演では、以上のような推論をもとに、上昇していく法定雇用率に能動的に対応していくための雇用施策を提案いたします。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

弊社は総合人材サービスを展開するパーソルグループにおいて、障がい者雇用専門の人材・コンサルティング会社として、3000社以上の企業へサービスを提供してまいりました。

さらに近年は、企業と福祉・就労支援機関を結ぶ、障がい者雇用のプラットフォームづくりにも力を入れ、当該労働市場の要（かなめ）の役割を担いつつあります。また、パーソルグループにおいては、その雇用数や雇用内容においては、国内トップレベルの障がい者雇用を実現してきたと考えています。弊社が提供するサービスの強みは、「どこまでもこれらの豊富な経験事例にもとづいている」ということが挙げられます。

今回の講演では、労働市場データの分析結果に加えて、多くの顧客企業と取り組んだ事例、そして自社グループの取り組みから考察した対応策も踏まえた施策案をお伝えできればと思っています。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

弊社は障がい者の人材紹介事業とコンサルティング事業をとおして、多くの企業から「豊富で多様な人材を紹介できる人材会社、多角的で中長期にわたって有効性の高いサポートを提供してくれるコンサルティング会社」として高い評価をいただいてきました。今回の講演コンテンツは自社他社を問わず、弊社が実施してきた障がい者雇用事業から得られた主要コンテンツの一つにです。

本講演ではまた、多様な事例とモデル化で、これまで知らなかった事実や、知っていた事実も別の観点から見ることができると思います。

今回の講演が皆さまの会社の障がい者雇用とはたらく社員の活躍の一助になることを祈念しつつ、ご来場をお待ちしています。

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