――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

「働き方改革」が加速する中で、多くの企業は生産性の向上や採用難、社員の離職などの課題に直面しています。同時に従来の属人的な人材マネジメントの限界を多くの企業が感じており、ITと人材データを活用した科学的な人事戦略のニーズも急速に高まっています。その大きなカギになるのが、社員を見える化し一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出していく人材活用戦略である、「タレントマネジメント」です。

多くの日本企業では、人材情報をExcelやデータベースで管理するにとどまり、活用しきれていないのが現状です。一方、先進企業では、人事部の中に「タレントマネジメント推進室」や「タレントマネジメント企画室」のような人材活用に特化した部門が生まれ、科学的な人材戦略を実現しています。

こうした科学的な人材戦略には、蓄積された人事ビッグデータを分析し活用するためのマーケティング的思考が必要です。これからは、採用から育成、配置、活躍といった一連の社員情報を蓄積し、分析活用できる人材活用プラットフォームの有無によって差がつく時代となるでしょう。

今回の講演では、Excelの延長戦上にあるような従来型の人材管理からの脱却し、あらゆる人材情報を見える化して活用することで“科学的な人事戦略”を実践していくために、「タレントマネジメント導入のすすめ」について解説します。また、最新の事例やテクノロジーもご紹介します。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

弊社は、先進企業におけるデータマイニングやテキストマイニングなど、各種マーケティング分析手法を使ったCS（顧客満足度）向上やビッグデータ活用プロジェクトを数多く経験してきました。その中で、CS向上にはES（従業員満足度）向上が欠かせないことや、自社を経営していく中で感じた、より科学的な人事マネジメント実践への解決手法として、「タレントマネジメント」に注目。弊社のもつビッグデータ活用、見える化技術を結集して最新タレントマネジメントシステム「タレントパレット」を開発しました。以来、従業員数百人～数千人規模のさまざまな業界業種において、従来の人事部門に多く存在するExcelベースでの人材管理から脱却し、あらゆる人材情報を見える化することで、科学的な人事戦略を実践しています。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

今、人事は「少子高齢化」「働き方の多様化」「グローバル時代」の対応に加え、「長時間労働の早期是正」「離職の防止」という課題に直面しています。メンバーの適性やスキル、経歴などの人材情報を見える化し、経営層や人事・各メンバーが相互に深く理解しあうことはもちろん、日々のモチベーションや業務負荷を把握することで、早期にメンバーの最適配置、負荷バランスの分散を図っていくことは、人材育成や公正な人事評価のためにも急務です。人材を見える化し、働き方を改革していくために必要な「真のタレントマネジメント」とは何か？ どこから始めればいいのか？ その答えを、具体的な事例やデモを交えて解説します。

• この記事をシェア