[会場]大手町サンケイプラザ [後援]厚生労働省
講演者インタビュー
これからの管理職に必要な知識
精神障がいのマネジメント・戦力化方法
株式会社フロンティアチャレンジ 受託サービス事業部 兼 事業管理部 ゼネラルマネジャー
佐藤 謙介氏
障がい者の法定雇用率引上げを見すえ、採用の中心は「精神障がい者」にシフトすると考えられます。雇用後にどのようにマネジメントし、戦力化していくか、イメージはできていますか。ポイントは、人ではなく「障がいの特徴」をマネジメントすること。
本講演では、ほとんどの会社のオフィスワークで実践可能な「精神障がいのマネジメント方法」と「戦力化の方法」についてお伝えします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
ここ数年で、精神・発達障がい者が企業で働く機会は格段に増えてきました。当社では、障がいのある方に特化した人材紹介事業、ならびに就労移行支援事業所を展開し、精神・発達障がい者の就職支援に注力してきました。しかし一方で、取引先企業の方から「雇用した社員が体調不良を起こし、出勤率が下がっている」「仕事にミスが多く、工数が増えている」「受け入れ現場から『どのように接したらいいか分からない』と言われている」といった相談を受ける機会も増えてきました。雇用が進み始めていることは事実ですが、各社の受け入れ現場には、まだ精神・発達障がい者をマネジメントする能力が備わっていないことを感じています。
当社では、70名を超える精神・発達障がい者を雇用してきた経験から、障がいのある社員の「健康状態」によって勤怠状況だけではなく、業務の生産性やマネジメントの工数が大きく変わることを把握してきました。さらに「健康状態」によって「勤怠や生産性、思考パターンには一定の規則性があるのではないか」との仮説から、当社で働く社員の状況を観察し、「メンタルレベルマトリクス」というメンタルの状態と、言動や思考性の相関関係を一覧にまとめる取組みを行ってきました。
本講演では、精神・発達障がいのある社員が心身ともに健康的に働ける職場作りを通して、職場の生産性を向上させていく方法をご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
当社は、障がい者に特化した人材紹介と就労移行支援という、法人企業の採用と求職者の就職を支援するための事業を行うほかに、特例子会社として、パーソルグループの障がい者雇用も担っています。後者の雇用現場では、さまざまな障がいをお持ちの方々と一緒に働きながら、グループ内で行っている業務のアウトソーシング(オフィスワークが中心)を行っています。また日々、障がいのある社員に対する効果的なサポートや配慮の仕方を研究しています。
その中で特に私たちが注力しているのが、「健康的な職場作り」を通して、障がい者スタッフの生産性を高めていく、という取り組みです。実際に多くの社員が仕事で活躍するようになってきました。特例子会社だからできるサポートではなく、グループ内企業や外部の顧客企業のように少人数の採用現場でも実践可能なノウハウを作ることを念頭に、オフィスワークで障がい者雇用を行う企業のお役に立つノウハウを開発しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
本講演では、当社の現場で実際に使っているノウハウをお伝えします。2018年4月から法定雇用率の引き上げが見込まれるなか、オフィス内での障がい者雇用の必要性が高まっていくと考えられます。
当社には、最初からノウハウがあったわけではありません。多くの失敗を経て細かな改善を行いながら、少しずつ再現可能で効果的なノウハウを体系化してきました。今回参加される皆さまには、各々の状況に照らし合わせて、ご案内するノウハウのどの部が自社の雇用の現場で活用できかを考えながら、お聞きいただければと思います。皆さまの会社で、障がい者雇用がより円滑に進むことを願い、精一杯お話しいたします。
- 佐藤 謙介氏(さとう けんすけ)
- 株式会社フロンティアチャレンジ 受託サービス事業部 兼 事業管理部 ゼネラルマネジャー
- 新卒で株式会社インテリジェンスに入社後、法人営業として企業の採用支援を行う。その後、独立を経て2010年より行政機関にて神奈川県内の障がい者雇用アドバイザーとして従事。
2012年より株式会社フロンティアチャレンジに参加し、特例子会社の事業運営、また外部企業への障がい者雇用のアドバイスを行う。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社アイ・キューの登録商標です。
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