[会場]大手町サンケイプラザ [後援]厚生労働省
講演者インタビュー
障がい者雇用の画期的なカタチ
日本を代表する企業の90社以上が活用する理由とは
株式会社エスプールプラス 副社長 執行役員
和田 一紀氏
社内業務での障がい者雇用は限界を迎えている中、障がい者目線で「やりがいある仕事」を創出し、かつ企業目線でも「社員が笑顔になる」雇用の仕組みを本講演で提唱します。実際に就業機会に恵まれない障がい者400名以上が一般就労し、結果的に企業の障がい者雇用促進も実現しています。NHKはじめ各メディアで多数取上げられ、本年度、行政誘致を受けた画期的な「就農」モデルです。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
1960年に制定された「身体障害者雇用促進法」から56年が経った現在、民間企業に36万人以上の障がい者が就業していますが、法律名の通り、そのほとんどが身体障がい者です。2013年の雇用率改定から一気に雇用が過熱したものの、実は就業中の身体障がい者の「1年間の雇用純増数」は、ここ3年間毎年約3割ずつ減少。直近1年間の雇用純増数は、全国で5800名のみです。法律の対象企業は約8万8000社なので、1年間で1社あたり約0.06人しか身体障がい者は雇用できない計算です。さらに2018年の雇用率改定は2.5%前後になると推測されており、知的障がい者、精神障がい者の雇用を増やすことがマストな時代に本格的に突入します。
このように従来の障がい者雇用に限界が迫っている中、私たちは知的または精神障がい者の目線で「充実感を味わえ、やりがいのある仕事」に注目しています。企業目線でも「社員が笑顔になる」「会社の繁栄にプラスになる」雇用の仕組みを考え抜いた結果が「就農」モデルです。
本講演では、NHKはじめ各メディアで多数紹介され、行政からも企業誘致を受ける日本で唯一の障がい者雇用スキームお伝えするとともに、なぜ日本をけん引する企業を中心に90社以上がこのサービスを利用しているのか、その背景や理由も併せてご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
「一人でも多くの障がい者雇用を創出し社会に貢献する」を経営理念に、働きたいけれど働けない障がい者と、雇用したいけれど雇用できない企業の橋渡しに愚直に取り組んでいます。
その形が「農業を通じた障がい者雇用」です。今まで知的障がい者の方々をメインに450名以上の就職を実現させ、事業開始から5年間での定着率は95%以上です。この実績の背景には、働きやすい雇用環境づくりから人材発掘、企業への採用サポート、就職後の定着支援までを、ワンストップで支援していることがあります。農園で働く障がい者からは笑顔・元気があふれ、雇用する企業からも、当社のサービスを利用して良かったとの感謝の言葉をいただいています。サービスを利用する企業は、9割以上が農業とは縁がない企業ですが、従業員が数万名という日本を代表する企業から、70名という新興企業まで多岐に渡り、それぞれの企業のご要望にお応えしています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
ビニールハウス1棟、参画企業1社、障がい者スタッフ3名で2010年に事業をスタートしました。当時の福祉業界には民間企業の参入に障壁があり、事業の存続が危ういこともありました。しかし、企業の障がい者雇用への意欲も高まっていく中、多くの企業に当社の考え方に共感していただき、今につながっています。
世の中に無い新しい考え方を広めるには、志の高い理念を掲げ、試行錯誤を繰り返し、粛々と遂行する事が重要だと感じています。これからも新しい考え方をつくっていき、近い将来には「障がい者雇用支援と言えばエスプールプラス」と言ってもらえるようになりたいと、従業員一同本気で事業に日々取り組んでいます。当日皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
- 和田 一紀氏(わだ かずのり)
- 株式会社エスプールプラス 副社長 執行役員
- 1996年(株)リクルート入社。新規事業立ち上げを経験。営業部門にて表彰を多数受賞。2006年米国のフリーペーパー企業へ副社長として経営参画(ハワイ在住)。業界No.1に押し上げ、ノーマライゼーションの精神を学ぶ。その後、当社社長と出会い『障がい者雇用×農業』に社会的意義を感じ、2011年創業期より参画。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社アイ・キューの登録商標です。
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