[会場]大手町サンケイプラザ [後援]厚生労働省
講演者インタビュー
業績管理の悩みを解消する処方箋:機能するKPIによる業績志向の行動マネジメント
学校法人産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 戦略・ビジネスモデル研究センター 主幹研究員
本村 秀樹氏
成長を目指して新たな戦略が打ち出され、中期経営計画で経営目標が明示されるものの、実践面では実務との乖離が大きくなる傾向を感じます。組織と個人の志向のトレードオフによる業績管理の難しさが解消されないままです。本講演ではKPIによるマネジメントのPDCAサイクルを機能させ、働く人が目標達成を目指しながらハピネスを感じる「グリーン企業」を目指すコンセプトをご紹介します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
これまでの取り組みを継続していても、成長できる経営環境ではなくなっていることは明らかです。将来が見えにくい昨今、長期計画の策定をあきらめる代わりに、今後の戦略と業績目標を中期経営計画として明確化する傾向が強くなっています。この中期経営計画自体は明確なフレームを使って良く練られているものが多いと感じます。しかし、いざ実践となるとKKD(経験・勘・度胸)をベースにとにかくがんばるという印象で、計画と実務の乖離を感じざるを得ません。
業績達成に向けてがんばっても、管理者もプレイングマネジャー化して業務に忙殺される傾向が強く、そこには組織(マネジャーとメンバー)のハピネスが見えません。業績目標の達成は企業にとって永遠のテーマです。目標達成のためには、業績に貢献する行動を導くマネジメントである業績管理が必要なことに異論はないでしょう。業績管理は本来管理会計の役割なのですが、人の協働体という特性を持つ組織において、うまくいっていないケースが多いようです。
働く人が目標達成を目指しながらハピネスを感じる状況をつくれないか、という問題意識から今回のテーマを取り上げました。目指す姿を、働き手が負荷で苦しんでいて批判されている会社の色の対比として、「グリーン企業」と表現したいと思います。グリーン企業を目指すための、マネジメントコントロールのフレームをベースとした、業績管理の新しいアプローチをご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
産業能率大学総合研究所は、上野陽一によって1925年に創立された日本産業能率研究所から続く、日本有数の研修・コンサルティング機関です。日本産業界の黎明期から高度成長期を経て現在に至るまで、創立から約90年にわたり、日本を代表する社会人研修・コンサルティング機関として産業界に貢献してきました。特にミドルマネジャーを中心としたマネジメントスキルやコミュニケーションを中心とするビジネススキルの向上、次世代経営幹部の育成、組織の問題解決に関わる人材開発プログラムの開発と実施、組織改革のための諸制度の構築からその定着化など、企業の経営課題を解決する的確なソリューションを提供しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
グローバル化がますます進み、新たな収益源を追求しなければならない環境下では、業績管理すなわち業績貢献のマネジメントを充実させる必要性が高まります。自社の業績管理に高い問題意識をお持ちの方も多いと思います。今回の講演では、業績管理のあり方について処方箋となりうるアプローチを含め、問いかけながらお話をしていきます。自社はどんな状態なのか「簡易診断」する感覚でお聞きください。処方箋と言っても、飲むだけで効く万能薬があるわけではありません。考え方だけを理解するだけで終わらせずに、早速実情を把握することから始め、業績管理のプロセス改革へ向けて行動を起こすことが大切です。何らかのヒントを得ていただければ幸いです。
- 本村 秀樹氏(もとむら ひでき)
- 学校法人産業能率大学 総合研究所 経営管理研究所 戦略・ビジネスモデル研究センター 主幹研究員
- 米国会計事務所 Deloitte Haskins & Sells(現有限責任監査法人トーマツ)監査部門等を経て、1991年産業能率大学に入職し現職に至る。マネジメントコントロールをベースとして、複数の方法論を融合したアプローチによる業績管理他マネジメントシステムの構築や階層別の財務スキル研修を担当。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社アイ・キューの登録商標です。
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