日本の人事部「HRカンファレンス2016-秋-」 人の採用・育成・マネジメントに携わる皆さまが集う、日本最大のHRイベント
2016年11月15日(火)・16日(水)・17日(木)・18日(金)開催 [会場]大手町サンケイプラザ [後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2016-秋-」トップ講演者インタビュー> 前原 はづき氏(株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長)インタビュー

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女性中間層を管理職候補としていくには? ライフタイム・キャリアと働き方の3つの志向

前原 はづき氏 photo

株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長

前原 はづき氏

女性活躍推進法を受け、女性管理職育成の取り組みが急ピッチで進んでいます。しかし、トップ層をピックアップし、発破をかける形での登用には限界があります。本講演では、継続的に女性管理職を輩出していくためのポイントとなる「ライフタイム・キャリア」「働き方の3つの志向」という2つのキーワードを軸に、中間層の女性社員を管理職候補として育成していくためのヒントを紹介いたします。

―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

女性活躍推進法を受け、本年度はどの企業でも急ピッチで女性のキャリア支援の取り組みが進んでいます。しかしながら、「女性管理職比率」という数値目標を気にするあまり、短期的・即効性が期待できる取組み――すなわち、プレマネジメント層の意識啓発・引き上げにばかり意識が向いていないでしょうか。

そのような近視眼的な取組みでは、「男並みに働くハイパフォーマーの女性を登用したものの後続がいない……」という、過去の“女活ブーム”と同じ失敗を繰り返すことになるでしょう。後続となる中間層・中堅層の育成に腰を据えて取り組まない限り、継続的な女性管理職比率の伸びは望めないのです。
 
そして、心ある「中間層の女性社員」に向き合い、管理職候補としていくには、従来型の“企業戦士的なキャリア観”の思い込みを廃して、ライフイベントに寄り添うキャリア形成を提示し、支援することが必要です。これは、女性社員の啓発ということ以上に、マネジメント側、言いかえれば人事の考える人材開発のあり方を根底から捉えなおす必要があるということです。

女性社員のみならず、共働き世代の男性、そして介護や体力低下に直面するミドル・シニアの男性も、“企業戦士的なキャリア観”に限界を感じています。本講演の内容が、女性活躍推進の施策はもちろん、これからの時代の人材開発・組織開発のヒントとなれば幸いです。 

―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

当社のミッションは「企業と働き手の本音と信頼をつなぐ」です。

企業側としては「仕事大好きなハイパフォーマーが理想。会社が言わずともどんどんキャリアアップしてほしい」と考えるのは当然なこと。一方、働き手側にすれば、生活者として自分の家庭や暮らしを無視したキャリア形成が非現実的だということも、また至極当然のことです。

お互いの言い分をぶつけ合えば権利闘争に発展し、相互不信が募ります。そうではなく、ちょっとした視点の転換でWin-Winの関係性につなげていく――。企業側が自社の言い分ばかりを押し付けるのではなく、少し働き手の視点で語りかければ、案外簡単に実現できます。

当社は、女性に限らず、働き手に「自分自身の良き職業人生」を正面から考えてもらうことで、健全な成長と貢献、自律的キャリア意識を引き出し、これからの時代の建設的な労使関係の実現をサポートします。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

現在では「長時間労働」が、女性活躍を阻害する要因として盛んに議論されるようになりました。しかしながら、さらにその後ろにある真の課題――「高度経済成長期に成立した人事システムの制度疲労」という問題については、まだ充分に問題提起されていません。

当社は「働き方の3つの志向」「ライフタイム・キャリア」という2つのキーワードから、これからの時代の組織のあり方・人材開発について企業・働き手の双方へ働きかけています。

企業の人事担当者として、そして同時に、自分自身の人生を生きる一人の働き手として、本講演の内容をヒントにしていただければ幸いです。

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講演者プロフィール
前原 はづき氏(まえはら はづき)
株式会社ライフ・ポートフォリオ 代表取締役社長
『企業と働き手の本音と信頼をつなぐ』をミッションに、2009年ライフ・ポートフォリオ設立。社会構造の変化を踏まえた人材開発の考え方を提唱。ダイバシティを中心テーマとしてライフ&キャリア研修やダイバシティ・マネジメントに関する研修を行う。
『企業と人材』『人材教育』『労政時報』等の専門誌に多数寄稿。

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