女性活躍を推進するためには
~セカンドランナーをテーマに女性のキャリア開発を考える
株式会社日本マンパワー 研究開発グループ 専門課長 マネジメントコンサルタント
小出 真由美氏
政府の成長戦略が出され、各企業の女性活躍推進の状況や女性管理職の割合などが非常に注目されています。しかし、企業側で様々な取り組みを行っても、女性活躍推進が進まないという声も聞かれます。 今回は、女性活躍の鍵となる『セカンドランナー』に焦点を当て、調査から見る女性社員の意識や実態、そして女性が自律的に働き続けるための施策のポイントを、キャリア開発の視点からお伝えいたします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
小出: 政府が「成長戦略3本の矢」や「働くなでしこ大作戦」といった施策を示したことで、企業における女性活躍推進への取り組み状況や、女性管理職の割合といった指標が大変注目されています。しかし、企業側がさまざまな施策や取り組みを進めても、女性活躍推進はなかなか進まないという声も聞かれます。
弊社の独自調査から女性社員の意識を見ると、約半数は「管理職になりたくない」という考えです。また、「同性の先輩より先に昇進するのは気が引ける」と考える割合は男性より高いなど、企業と女性社員の間には意識の差が生じています。一方で、「仕事に前向きな将来イメージを持っている」という層は、リーダー・管理職になりたい割合が高いという結果も明らかとなりました。
女性社員に前向きな将来イメージや管理職への意識を持ってもらうためには、彼女たちの不安や悩みを解消し、イキイキと働くビジョンを描くことが必要です。
そのため、これまで女性の管理職のイメージであった“スーパーロールモデル”の「1stランナー」層ではなく、多くの女性社員が目指すことができる「2ndランナー:次のリーダーとなりうる候補者」層を育成していくことが必要です。
今回は、「女性の活躍推進」を焦点に当て、調査結果から見る女性活躍推進の問題点や、イキイキと働く女性のリーダー層を育成するためのポイントをお伝えします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
小出:「キャリア開発のパイオニア」として『個人の自律と組織のまとまり』の必要性を広く社会に発信しており、年代別のキャリア開発研修(CDS)やキャリアカウンセリングサービスなどの総合的なサービスを提供しています。特にCDA(Career Development Adviser=キャリアカウンセラー資格)は人事教育担当者にも人気が高く、資格の取得者は1.2万人以上にのぼります。
また、日本企業の経営課題でもある女性社員の活用推進に関しては、本人、上司、職場に対する一連の「キャリ開発支援サービス」を展開しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
小出:なぜ、自社の女性活躍が進まないのでしょう。トップから女性管理職の割合を増やす指示が出て悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。また、せっかく施策を整えたのにぜんぜん活用が進んでいないというケースもあるかもしれません。
そこには、実は女性と企業の意識の差があるのです。結婚や出産などライフイベントをポジティブに乗り越え、イキイキと働く未来がイメージできれば、リーダーや管理職がビジョンの中に入ってくる女性も増加します。これらイキイキと働くビジョンを描ける女性たち:セカンドランナーの育成が次の女性活躍推進の鍵なのです。
- 株式会社日本マンパワー
研究開発グループ 専門課長
マネジメントコンサルタント - 小出真由美氏(こいで・まゆみ)
- 株式会社日本マンパワーで通信教育講座「メンタルヘルス・マネジメント検定(R)講座」「キャリアカウンセラー養成講座」「ワーク・ライフ・バランス実践術」等の人気講座を開発。現在は、女性のキャリア開発、メンタルヘルス、ワーク・ライフ・バランスの施策のコンサルティングや、各種セミナー講師も行っている。
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