部下との関係を異文化対応のアプローチにより構築する
新しいマネジメント手法のご紹介
株式会社神鋼ヒューマン・クリエイト 研修開発センター コンサルタント
岩谷 真弓氏
近年、メンタル面やパワハラの問題が多発しており、対応に悩んでいるマネジャーが増えています。これらの問題は「組織文化の代弁者である上司」と「異なる行動様式をもった部下」との違いを双方が受け容れられず、感情的になることが原因ではないかと私達は考えています。そこで、この解決策として従来の手法とは一線を画した、感情調整により価値観の相違を受け容れることができる新しい実践的なマネジメント手法をご提案します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
岩谷:近年、企業では「メンタル面」や「パワハラ」に関する問題が増加しています。その主な理由は部下育成であり、多くのマネジャーがこの課題に悩んでいるのではないでしょうか。「組織文化の代弁者である上司」と「従来とは異なる行動様式をもった部下」とが、それぞれの違いを受け入れられず、感情的になっていることが根源的な原因ではないかと私たちは考えています。
そこで今回の講演では、解決策として、価値観の相違を乗り越えるための「感情の調整」に焦点を当てた、従来の手法とは一線を画す実践的なマネジメント手法をご紹介します。
まず例として、神戸製鋼グループで実施したアンケート結果をご紹介します。これは、若手に対してどのようなことを叱りたいと思い、どのような不安を抱えているかということを、OJT指導者にたずねたものです。講演では、アンケート結果がどのような原因によって生じているのかについて考察し、さらに具体的な解決方法として、感情調整の手法、具体的な叱り方、建設的な対話を進めるための態度(ノンバーバル・コミュニケーション)についてもご説明します。
今までは「感情問題」をマネジメント・テーマから避ける傾向がありましたが、今回ご紹介する「感情調整手法」は、理論的背景(「基本感情喚起システム」)に基づいた普遍的な手法であるため、容易にマネジメントの場で活用できるものと考えています。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
岩谷:私たちは、約30年前に神戸製鋼所の人事労政部門からスピンアウトした人材開発専門企業で、神戸製鋼所グループおよび一般企業の人材育成をお手伝いしています。
研究開発、製造、技術、販売等、各組織の中に入り、それぞれの育成課題を共に解決することが仕事です。例えば神戸製鋼所の場合は、各事業部の企画・人事部門と共に、各ラインの職場・現場の人々の抱える育成テーマに焦点を合わせたコンサルティング活動を行なっています。そして、こうした活動からの経験・知見と、大学の先生方などのご指導を融合して、新たな研修開発やコンサルテーションの実施にあたっています。このような「実践知」に基づいた人材開発支援が、グループ外からのご注目をいただくことになり、企業をご支援することも増えてまいりました。今回ご紹介する新しいマネジメント手法も、こうした活動から誕生してきたものです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
岩谷:「感情調整」は、部下育成の場面にとどまらず、私たち一人ひとりが、さまざまな人間関係の中で、常に焦点を当てられる課題ではないでしょうか? つまり、日常業務ではもちろんのこと、グローバル展開を進めている組織の方々にもお役に立てるものであり、さらにはご家族、ご友人、さまざまなコミュニティでも生かしていただけると思います。
新しいマネジメント手法のご検討のほか、ご自身の人間関係をより円滑にするための参考のために、本講演にご参加いただけると幸いです。今回は、実際のプログラムを体感できる演習もご用意しております。皆さまのお越しをお待ちしております。
- 株式会社神鋼ヒューマン・クリエイト 研修開発センター コンサルタント
- 岩谷真弓氏(いわたに・まゆみ)
- 甲南女子大学文学部卒業。商社勤務を経て現職。南山大学人間関係研究センターにおいて人間関係論を学び企業への応用を志す。近年、サンフランシスコ州立大学心理学部D.マツモト教授に師事し、感情と文化に関する研修の講師認定を得る。製造業からサービス業まで顧客多数。日本ロゴセラピスト協会公認ロゴセラピスト
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
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