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主催
日本の人事部「HRアワード」運営委員会
後援
厚生労働省 経済産業省

入賞者一覧

日本の人事部「HRアワード」2019トップ > 入賞者一覧:企業人事部門
皆さまからいただいたご意見を基に、300点を超えるエントリーの中から、「企業人事部門」「書籍部門」「プロフェッショナル部門」の入賞者55点を決定しました。あなたの声により、最優秀賞を決定します。ぜひ投票にご協力ください!

企業人事部門

(1) キヤノン株式会社:挑戦機会の提供と安心感の醸成で社員の変身を後押しするキヤノンの人材育成~働き方改革から学び方改革へ~

ビジネス環境の変化、技術進歩に合わせ、社員は日々新しい知識とスキルを学ぶ必要がある。そこでキヤノンは、自分の専門・専攻にとらわれず、未経験業務へ挑戦できる「研修型キャリアマッチング(CM)制度」を用意した。

同制度は、研修と社内公募を合わせた仕組みだ。社員は配属を希望する部署で必要なスキルを研修(3~6ヵ月)で学ぶことができ、配属先でレベルに応じた業務に就く。さらに研修中から配属後にかけて、社内キャリアカウンセラーがキャリア形成や適応を支援し、安心して未知の領域へ挑める環境をつくる。

研修型CM制度をはじめ、同社は社員が環境変化に応じて学び、成長する「変身力」を高める環境整備に注力。働き方改革の課題に対応するため、2017年から「学び方改革」「教え方改革」を開始。終業後や土日に受ける受講料無料・上司承認不要の自己啓発講座、他拠点双方向型遠隔研修や時間と場所を選ばないモバイルラーニングの整備を進める。

【企業情報】https://global.canon/ja/employ/new/workstyle/work-program.html

(2) 国際自動車株式会社:徹底して寄り添う選考・研修で新人の定着・活躍を実現する
国際自動車の新卒採用

国際自動車株式会社は、2010年より新卒採用を始め、毎年100人以上をドライバーとして採用している。さらに3年以内の離職率は10%以下と高い定着率を誇る。不人気業界といわれるタクシー会社でありながら、現在は新しい層の声を生かし、業界の慣習を変える企業として注目を集める。

同社の新卒採用は若手社員が担当する。新しい意見に反発がでることもあるが、経営陣や管理職らが若手の意見を否定しない姿勢を貫いて後押し。「すっぽんぽん採用」「仮面就職」といった目を引くプロモーションが生まれた。若手の意見を生かす姿勢はほかでも生かされ、社内の慣習を変えるきっかけになっている。

定着率の向上については、採用選考でネガティブな面もさらけ出し、応募者とその家族を招く職場見学会を開催するなど、入社前後でのギャップ解消を図る。今後も、一歩進んだ新卒採用を始めようと取り組みを進めている。

【企業情報】http://www.km-recruit.jp/shinsotsu/

(3) 株式会社セールスフォース・ドットコム:チーム運営を科学する
~定性データ活用による若手社員の成長実感向上とキャリア自律支援~

セールスフォース・ドットコムの内勤営業部門は若手や管理職1年目が多い若い組織。非対面の営業活動で高いコミュニケーション力を獲得できる一方、緻密な準備作業を必要とし、対面営業と比べ早期離職やパフォーマンス低下などの課題があった。この解決に向け、各種調査によるPDCAを実施。勘に頼らない組織運営と高いエンプロイー・エクスペリエンスの実現への施策に取り組んでいる。

●成長実感:求められるスキルとマインドを6項目で定義。企業内大学では若手社員自らが成長を実感できる仕組みを構築した。
●キャリア自律:傾聴を重視した1on1に加え、キャリアコンサルタント面談を導入。自己理解やメンタル不調・人間関係をヒアリングし、従業員満足度の向上を図った。

施策を通じて、営業成績では見えない定性的な組織課題を特定。これを解決する組織運営のPDCAを実現した。また、社員の自己理解が深まり、組織内の雰囲気向上や職場でのストレス軽減につながった。

【企業情報】https://www.salesforce.com/jp/

(4) 株式会社セプテーニ・ホールディングス:育成×テクノロジーで実現する
個別最適化された教育

セプテーニ・ホールディングスでは、多様化する人材に適した教育体系の確立を目指して、人材育成の効率を最大限に高める「個別最適化教育」を構築中である。

自社で保有する人材に関する統計データを基に、社員個々の成長の型である「キャリアグラフ」を予測。パーソナリティごとに成長過程で陥りやすい、「つまずき要因」とその「時期」を解明した。これにより、一律的な集合研修にあった教育効果の不均等を緩和し、多様な人材をより効率的に育成することが可能となった。構築においては、複数回のトライアルにより、その育成効果を検証している。

個別最適化教育の実施データを蓄積・分析することで、人材開発の再現性を高め、全社員に最適な育つ環境を与え、活躍を促すことが期待できる。

【企業情報】https://www.septeni-holdings.co.jp/

(5) ソニー株式会社:“PORT”が加速する学び方改革
―多様な社員が集い、学び合い、教え合う―

ソニーは、多種多様な事業、人材を持つ企業である。「高い専門性の融合」「外への意識」「質の高い経験」「最高の人材の化学反応」「未来を創るイノベーション」という五つの人材育成方針を掲げ、全世界のソニーグループ社員12万人が集い、つながり、互いに刺激を受けながら学べる場としてPORTというコンセプトを導入、コンセプトを体現する新たなラーニングスペースを設置した。

【社員主体の学びを促進】
・30以上の社員主体の”学習するコミュニティ”
・社員が講師となる270科目を超える技術研修
・延べ2500人以上が参加する講演会、ワークショップ、読書会
【本社に設置したラーニングスペース】
・ガラス張りの研修室とオープンな共有スペース
・本革、木材、ガラスなど素材に拘った什器
・一つひとつ座面の異なる多様性を表す研修チェア

PORTには日々数百名の社員が研修や学びに訪れ、新しい出会い、多様な考えをぶつけ合い社員主体の学びが実践されている。

【企業情報】https://www.sony.co.jp/

(6) トレンドマイクロ株式会社:経営陣と社員が本音で話すには?
過去の決断の裏側を知る「タイムマシンセッション」

トレンドマイクロでは、社員の「役員と本音で話したい」という思いをきっかけに、経営陣と社員が対話する「タイムマシンセッション」を始めた。過去の意思決定を材料に話し合い、経営陣は社員の本音を、社員は社内で起きている出来事の本質を知る。

参加社員は、経営陣が過去に下した決定を挙げ、Proud(誇りに思えるもの)、Suffering(競争に遅れを取る結果になった、リカバリーに多大な労力をさくことになったもの)、Confusing(社内外を混乱させたもの)の三つに分類。それぞれの項目で会社にインパクトを与えた決定について、その理由と意見をまとめ、対話の材料にする。対話の中で、経営者は意思決定の裏側にあった思考、思いを率直に話し、社員から未来に向けた改善点を聞く。対話の中で出たアイデアは、経営者がスポンサーとなって実行する。

社員にはもちろん、経営者にとっても、社員のリアルな声を聞き、具体的なアクションにつなげられる場として効果を上げている。

【企業情報】https://www.trendmicro.com/ja_jp/business.html

(7) 丸紅株式会社:人財のつながりが地方創生を推進する「地方銀行との人財交流施策」

丸紅は、2018年10月より静岡銀行や山口FG、常陽銀行などの地方銀行8行へ社員を派遣する取り組みを開始した。中期経営戦略GC2021の人財戦略で掲げる、丸紅グループ内外を超えて人財が行き交い有機的につながる「丸紅人財エコシステム」の創出を目指す取り組みの一つだ。

国際業務や事業開発に長けた丸紅社員が、地方銀行が有する情報・ネットワークと丸紅グループが有するさまざまなリソースを活用しながら、各行の取引先企業の海外進出やM&Aを支援するとともに、丸紅グループとの連携による新規事業の創出を推進する。

本施策に加えて、地方への人材還流を図り地方創生の実現を後押しする内閣府プロフェッショナル人材事業への参画や、中小企業の事業承継を手がけるPEファンドとの連携などを通じた人財派遣にも取り組んでいる。

【企業情報】https://www.marubeni.com/jp/sustainability/human_resources/strategy/

(8) 三菱ケミカル株式会社:三菱ケミカルは決めました
~製造現場の働き方改革に本気で取り組みます~

三菱ケミカル株式会社は健康支援と働き方改革を両輪とした「KAITEKI健康経営」を掲げ、多様な人材が生き生きと活力高く働ける職場づくりに取り組んでいる。その推進のために、製造現場や研究開発現場でのヒアリングに基づいた従業員の声とこれまでの取組みを踏まえて30の施策で構成される宣言「三菱ケミカルは決めました」を策定した。

とくに製造現場で働く従業員の働き方改革や施策の周知を意識して「三菱ケミカルは決めました」というキャッチーなフレーズとともに社内周知を図っている。イントラネット上に社長が直接語りかける動画やさまざまな職場で働く従業員が登場するPR動画を掲載し、人事制度・施策についての理解と活用を促している。

同シリーズには、下記のような例がある。

  • 製造現場の社員もしっかり休めるように要員配置を見直します
  • 製造現場のトイレ環境を改善します
  • 男性の育児休職または時短取得率100%をめざします
  • 職場での受動喫煙防止対策を徹底します

【企業情報】https://www.m-chemical.co.jp/

(9) 株式会社村田製作所:センシングデータプラットフォームNAONAを活用した、
採用面接におけるコミュニケーションの可視化

人手不足が深刻化するなか、応募者が初めて企業と接する面接での印象が人材獲得の重要な要素となっている。

村田製作所では、独自開発した関係性情報のセンシングデータプラットフォームNAONAを用いて、中途採用での応募者と面接官の発言量や発言のテンポ、感情値といったコミュニケーション指標を可視化・解析することにチャレンジした。

これらのデータ分析結果を踏まえ、応募者の入社意欲が高まる1対1の職務マッチング面談を導入。仕事内容をより深く理解してもらえる機会を創出し、辞退率低下や採用活動の効率化を実現した。面接官には、得られたデータを客観的にフィードバックするとともに、スキルトレーニングなどを実施して意識改革につなげているという。

この取り組みは新卒採用の技術系向けインターンシップ面接でも実証実験を進めており、面接官が適切に技術系学生の話を引き出せているかなども分析していく予定だ。

【企業情報】https://www.murata.com/ja-jp

(10) 株式会社メンバーズ:持続可能な社会を共創するクリエイティブ人材を育成・輩出する
ラーニングプラットフォーム「Co-Creation Digital Lab.」

インターネット専門職の優秀人材の確保が課題となる中、株式会社メンバーズでは、長期的に社員と共に健全に成長・発展していくため、共に学び合える成長プラットフォームとして、社内講座「Co-Creation Digital Lab.」の拡充を推進している。

Co-Creation Digital Lab. は、全社員が社内外を巻き込み共創する教育プログラムで、自学志向性の高いクリエイター養成を目的としている。また、全国に展開する拠点でのリモート開催やオンラインでの受講など、地方のクリエイティブ人材の成長支援にも注力。産官学連携や社外・学生も参加可能なオープンな学びの場としても共創し、「持続可能な社会」実現への取り組みしている点が特徴である。

2018年度は、グループ社員1,000人のうち60%以上が講座にエントリー。延べ3,100人以上が受講し、数多くのクリエイターへの成長支援を実現した。

【企業情報】https://www.members.co.jp/

(11) 森トラスト株式会社:「観客ゼロ」全社員参加型で表現自由な議論の場『MT TALK』

森トラストグループが目指すべき未来像について、各社員が真剣に考え、活発に表現・議論することで、社内に留まらず、広く社会に対してムーブメントを起こすことを目的に、全社員参加型で表現自由な議論の場「MT TALK」を開催。二日間で以下の内容を実施した。

■全グループ会社・全部署対象とした未来提案
■部長陣で構成された横断的チームによる社内浸透プレゼン
■企業内の人財開発組織MT ACADEMYによる新規事業提案
■グループ全体の組織の活性化を目的としたパーティー

今回特に意識したのは、「誰一人として置き去りにしない」ということ。企画・提案・実行・運営について、アンテナが高く、社内への情報発信を積極的に行える若手社員を抜擢し、「MT TALK実行委員会」を組成した。目指したものは、“究極のボトムアップ型イベント”。グループで最も大切な時間を若手主体で実施したからこそ、決して誰も置き去りにしない、「観客ゼロ」の大会を実現させた。

【企業情報】https://www.mori-trust.co.jp/

(12) ライオン株式会社:「教える学び」から「自らどんどん学ぶ」への転換
「ライオン・キャリアビレッジ」

2019年から、教育ICTと少人数討議を組み合せた新しい学びの仕組み「ライオン・キャリアビレッジ(LCV)」を導入。全国の社員に幅広い学習機会を与え、部門を越えた発想やマネジメント視点を学べる点が特長だ。

LCVの柱は大きく分けて二つ。一つは150以上の講座を用意したeラーニング。さまざまなビジネススキルや社内の専門知識を学べ、導入半年後の受講率は全社員の6割超。うち、自部門以外の分野を学んだ社員は8割におよぶ。

もう一つは、ベテラン社員や社外の専門家がファシリテートするケース討議。実際に起った事例をケースに参加者同士で解決策を考える内容で、新入社員から50代のベテラン社員まで開始4ヵ月間で延べ250名以上が年代や職種を越えて討議を交わしている。

いずれも自律的な学びを基本的な土台としており、「学びたい人がどんどん学ぶ」という当初の目的を達成。今後も学びの意欲を刺激する施策を組み合わせながら自律的な学びの浸透を図る考えだ。

【企業情報】https://www.lion.co.jp/ja/csr/employee/development/

(13) ロート製薬株式会社:歩けば歩くだけ健康に!
従業員の健康増進を目的にした“健康社内通貨”『ARUCO(アルコ)』

ロート製薬株式会社は、従業員の歩数や早歩き、非喫煙など健康的な生活習慣の実施に応じて貯まる、健康社内通貨『ARUCO(アルコ)』を付与している。コインは同社が運営するカフェなどでの飲食やリラクゼーション施設の利用、健康に関する社内研修への参加、健診のオプショナル、特別休暇取得などに社員や家族が利用できる。

同社は、従業員自らが前向きに健康づくりに取り組むことを目指し、きっかけづくりに注力。社内イントラで常にコインの獲得状況の確認や利用申請ができる体制を整え、健康の意識だけでなく、日々の行動を「変えること」を狙う。心身の健康を基盤として、情熱をもって日々の仕事に取組み、働きがいや生きがいを持ててこそ、“真の健康”であると考え、コインの利用メニューには自己研鑽(けんさん)につながる研修などを盛り込んだ。今後は、従業員自身が講師を務める健康教室やセミナーの開催を推奨して、主体的な健康づくりを進める。

【企業情報】https://www.rohto.co.jp/article/articletop/2019/0322_01/