掲載:2024.09.06
2024年8月2日開催「HRコンソーシアム」全体交流会レポート
現場の声を反映した人事制度や施策はどのようにして作られるのか
従業員の本音の引き出し方、関係性の築き方を考える
小川 尚信氏(エイベックス・エンタテインメント株式会社 事業戦略本部 HRBPグループ ゼネラルマネージャー)
岡田 悠希氏(オルビス株式会社 HR統括部 部長)
村瀬 俊朗氏(早稲田大学 商学部 准教授)
人事部門が新たな制度や仕組みを導入していく上で、現場の声をどのように聞くのか。どうすれば人事パーソンは従業員との関係性を築き、本音で語り合うことができるのか。現場の声を聞き、それを人事に関する制度や施策に反映させることを実現しているエイベックスの小川氏、オルビスの岡田氏の事例を基に、早稲田大学の村瀬氏が加わり、人事部門と現場との関係がどうあるべきかを議論した。
- 小川 尚信氏(おがわ ひさのぶ)
- エイベックス・エンタテインメント株式会社 事業戦略本部 HRBPグループ ゼネラルマネージャー
2012年に新卒でエイベックスに入社。入社後は東京、大阪での営業を経験。2014年よりデジタル部門へ異動。多くの音楽サブスクリプションサービスのローンチに携わる。2017年よりCEO直下の新設部門にて、グループ全体の構造改革を経営と対になった戦略人事として推進し、主に人事制度設計や、働き方改革、オフィスデザインなどを担当。現在は事業戦略本部にて、人事全体の責任者およびグループ各社のHRBP統括を担っている。
- 岡田 悠希氏(おかだ ゆうき)
- オルビス株式会社 HR統括部 部長
2018年からオルビスにて、リブランディングと両軸で戦略人事として採用ブランディング、組織開発、人事制度改革を立て続けに主導。昨年には、さらなるブランド成長を見据え行動指針を大きくアップデート。オルビスが掲げる「スマートエイジング®」の提供価値のもと、一人ひとりが自分らしく働ける組織づくりを目指す。
- 村瀬 俊朗氏(むらせ としお)
- 早稲田大学 商学部 准教授
専門はリーダーシップとチームワーク研究。2011年にUniversity of Central Floridaから産業組織心理学の博士号を取得。Northwestern大学およびGeorgia Institute of Technologyで博士研究員やRoosevelt大学での就労後に、2017年から現職で教鞭を取る。学外では、様々な企業との数々の共同研究やアドバイザリィ活動を通じて、リーダーシップ、チームワーク、組織開発に関する組織の課題に対して助言や伴走を行っている。
小川氏によるプレゼンテーション:
従業員からの声を施策や制度に落とし込む際は、経営による意思決定であることをしっかりと伝える
小川氏は幼少期から俳優やモデルの仕事を経験した後、新卒でエイベックスに入社した。東京と大阪で営業を経験したのち、同社が人事部門の構造改革に着手した7年前から人事担当となって、現在は責任者を務めている。
「エイベックスでは従業員とのコミュニケーションにおいて、三つのことを重視しています。一つ目は、従業員の声を多角的に集めること。ただし、施策や制度に落とし込む際は、そこに経営の意思があることが重要です。二つ目は、声を聞いたら必ずフィードバックをすること。声を聞くだけで満足しても、全く解決にはならず、逆にハレーションを生むだけです。三つ目は、制度や仕組みを導入する際には、各事業責任者を巻き込み、運用の当事者意識を一緒に高めることです」
従業員の声を多角的に収集する方法はいくつかあるが、もっとも情報が入りやすいのは業務外の場面によるコミュニケーションだと小川氏は語る。
「社員同士で食事をする機会が非常に多く、経営層と従業員、上司と部下、従業員同士など、さまざまなケースで行われています。私自身も日々、経営層や従業員との食事の機会を多く設けています」
そのほかの施策としては、人事主導で遂行する定期的な1on1やストレスチェック、アンケートなどを行っており、日々の情報を、タレントマネジメントシステムを活用して蓄積している。さらに、HRBPとして事業責任者やチームリーダー、現場から話を聞く機会がある。そして退職者との面談や、客観的な意見を聞けるアルムナイネットワークなどからも声を聞く一つの手段としている。
従業員からの声を施策や制度に落とし込む際は、そこに経営としての意思があることを明確にし、伝えているという。その背景には、7年前の人事改革での苦い経験がある。
「当時、従業員から管理職への不満が多数上がってきたため、その声を反映して管理職を一新したことがありました。結果として短期的な従業員のモチベーションアップにはつながったものの、まだ準備が整っていない人材が多かったり、会社としてのフォロー体制も十分ではなかったりしたこともあり、従業員からの声に対して、適切な対応とはならず、不満の声は変わらない状況でした」
こうした教訓を生かし、2024年1月にジョブ型報酬制度を導入したときは、制度の落とし込みの際に、経営層の意思を明確にし、制度の意図やフォロー体制がしっかりとできている状態で遂行できた。制度検討のきっかけは従業員の「競合他社より給与水準が低い」という声が一つの基になったが、その課題をどう捉えて落とし込むかを経営層で徹底的に議論したのだ。
「経営層が自分事として遂行する姿勢を見せたことによって、中長期的なモチベーション向上につながりました。そして、従業員からただの不満ではなく、当事者意識を持った、制度をよりよくするような改善提案の声が寄せられるようになりました」
岡田氏によるプレゼンテーション:
大事なのは、従業員の声を施策に反映したときにメッセージとして伝えること
岡田氏は現在、採用、組織開発、人材開発、労務などのHR全般を担当している。
従業員の本音を引き出して関係性を築くうえでもっとも大事にしているのは、「膝と膝を突き合わせて、共に悩んで考えること」だと、岡田氏は語る。
「ダイバーシティや個の尊重が重視されているなか、HRは一律ではなく個別対応していく必要があります。一方で組織としては統率を取らなければなりません。つまり、HRのテーマは個別×統率です。従業員の声を聞く仕組みをつくって、施策に生かし、従業員にフィードバックする。このサイクルを回し続けていけば、従業員の本音をより聞けるようになり、関係性を築けます」
岡田氏は従業員の声を聞くための施策として、コミュニケーションが双方向のものを重視している。一例として、2024年から始めた新任マネジャーの育成プログラム「マネジメントキャンプ」について説明した。マネジメントキャンプは新任マネジャーとメンバー4〜5名で行う、本音を引き出す取り組みだ。
「まずマネジャーに席を外してもらい、HRがメンバーの本音を引き出します。その後マネジャーに戻ってもらい、目的は誰が言ったかではなく本人に対する気づきの支援なので、メンバーの誰が言ったかはわからないようにしてフィードバックします。良い点も出てくるのでマネジャーの自信につながります。ネガティブな点はHRがディレクションして包んで伝えるため、マネジャーも受け入れやすく、改善につながりやすいようです」
さらに、岡田氏がもっとも本音を聞ける場として挙げたのはオンボーディングだ。
「中途採用で入社した人からは、前職とオルビスを比較した話が聞くことができ、組織全体の課題を抽出しやすいためです。オンボーディングという建てつけなので、『組織の課題を教えてください』と質問しても構えずに本音で話してくれます」
続けて、岡田氏は「HRが従業員の声を聞くことはマーケティングと同じだ」と語った。
「HRの顧客は従業員です。マーケティングで顧客の声を大事にするように、従業員の本音をしっかりと引き出すことがHRにとって非常に重要です。事業のマーケティングと異なるのは、自分たちが向き合いさえすれば、顧客である従業員は目の前にいること。向き合う施策があり真摯に伴走すれば、また相談しようと思ってくれる関係性をつくれます」
大事なのは、従業員の声を施策に反映したときに、メッセージとして伝えることだという。岡田氏は出社方針を在宅勤務メインから週3回に変更したときの例を語った。
「出社回数が増えることを歓迎しない従業員は多く、特にお子さんのいる社員からは『通勤時間がなかったからフルタイム勤務できた。これからは時短勤務に切り替えなくてはならない』という声を複数聞きました。そこで、育児をしている社員には違った対応をすることにしたのです。全社説明会で勤務制度の変更を説明する際は、育児と仕事を両立している女性社員が書いた一日の流れを書いたメモ書きも共有しました。『従業員の声はちゃんと反映されているよ』というメッセージを込めたのです」
岡田氏は、HRから従業員に向けてメッセージを出すときはナラティブを大事にしているという。
「自分の言葉で話し、ストーリーとして伝えるようにしています。例えば、目標設定の期間になって『書類を提出してください』とただアナウンスしているようでは、従業員も話を聞き流してしまいます。なぜこの書類を出してほしいのか、HRにとってどんな意味があるのかを想いをのせて話すことが大事です。相手の感情はこちらの感情をぶつけて初めて引き出されるので、感情を出していくことを大切にしています」
村瀬氏によるプレゼンテーション:
組織開発において最も重要なのは、現場リーダーとメンバーがコミットしている状態を作ること
村瀬氏はアメリカで組織心理学の博士号を取得。20年にわたりアメリカで研究を続けた後、現在は早稲田大学商学部で准教授を務めている。専門はチームワークやリーダーシップだ。
今回のテーマに関連して、村瀬氏は『期待理論』について説明した。期待理論とは、行動することによって報酬が得られるという期待が満たされていれば人々は行動する、というものだ。
「従業員に置き換えるなら、自分の声に上司や人事が耳を傾け、何かしら実行してくれて、それが望ましいと思えることが重要です。例えば、アンケートに答えたけれど上司が聞いてくれない、何のフィードバックもないとなると、従業員は意見を伝えなくなっていきます。岡田さんと小川さんは、膝と膝を突き合わせて話をするところから、施策の実行まで対応されていると感じました」
また、組織開発においては現場リーダーがもっとも重要だと村瀬氏は続ける。
「組織開発が成功している企業とそうでない企業を比較すると、現場リーダーがメンバーと深く関わっていることが成功のポイントだとわかります。つまり、組織開発において最も重要な点は、現場リーダーとメンバーがコミットしている状態を作ることです。現場の声をしっかりと聞くことがゴールではなく、組織全体の成長のために解消すべき課題を見極め、必要に応じて組織を変化させていくことがゴールなのです」
ディスカッション:
経営層や管理職との連携を意識
村瀬:お二人の話を聞いて、従業員の声を聞くにあたっては現場マネジャーの負担が大きいいのではないかと感じました。マネジャーが従業員の声を聞くためのTipsがあればお聞かせいただけますか。
岡田:従業員の声を聞くための施策にHRだけで完結できるものはほとんどなく、ほぼ管理職に集約されてしまいます。当社でもHRが「管理職しんどい問題」を勃発させていました。そこで、2023年の下半期くらいから、チームビルディングとリテンションはHRが担当することにしました。具体的にいうと、チームビルディングがうまくいっていない組織にはHRが介入し、組織づくりに参加します。目標設定や評価、ときには1on1にもHRが入ります。そこで得た情報を管理職と連携し、マネジメントのアドバイスも行います。
小川:当社では、管理職は大変なものだと認識しています。マネジメントだけではなく、自ら現場に出ている管理職も多くいるため、業務も大変な分、先ほどお話しした報酬改定の際に、管理職の給与水準を引き上げました。またHRが組織の目標設定やチームビルディングを手伝いながら、マネジメントという立場として管理職がメンバーからしっかりと支持され、目指したくなる状態を作れるサポートをしています。
村瀬:思いきった戦略ですね。業務は大変だけれど、その分は報酬で報いるということですね。
小川:そうですね。管理職とメンバーの関係性がよくなって信頼関係ができれば、さまざまな相談を受けたり、何かあったときに腹を割って話ができたりする関係性を築いていけます。HRBPとして日々事業と密接に動いているので、何かあったときには声をかけるようにしています。
村瀬:従業員から大量の声が集まってくると、聞かなくてもいい声を聞いてしまったり、集めたものをどうしようかという問題は発生したりしませんか。
岡田:さまざまな場で集めた本音情報を2週間に一度集約して、人と組織のパワーを最大化させるために必要なものとそうでないものを取捨選択しています。また、上司と部下の1on1で、部下から視点が低い不満などが出てきた場合は、管理職がその場でちゃんとフィードバックできるようにスキルセットを行っています。
村瀬:施策を実行するときのストーリー作りやコミュニケーションで重視していることはありますか。
小川:施策とは「点」の課題を解決するためのものではなく、大きなゴールに向かうために実行するのだと、まずビジョンを伝えるようにしています。何か新しい制度や施策を浸透させていく際は、まずトップから経営層に伝達し、共通言語にします。そこから部長、課長、従業員に共通言語を伝えていくという流れです。また、社長を含めた経営層と従業員との食事会などを意図的に設定し、経営層から直接言葉を伝えてもらうような機会も設けるようにしています。
岡田:コミュニケーションのシナリオのフォーマットが主に二つあります。一つは事業と結びつけて話す方法です。事業計画や進捗、課題に対してHRの施策がどう結びついているかをしっかりと伝えます。もう一つは、HRのポリシーである「一人ひとりの力の最大化」から落とし込んだ施策であるという伝え方です。
村瀬:お二人の話をうかがっていると、トップが日頃から従業員に語るという土壌があった上で、HRのコミュニケーションがあるという印象を受けます。
岡田:従業員にどう伝えるかというプレゼンの役割分担について、トップとはよく議論します。この話は社長からしましょうという順序や、HRの施策だけどHRからではなく事業系のパワーがある役員の人から伝えてもらった方がいい、などといった役割分担です。最近では、経営層からのメッセージを月に一回動画で配信しています。
質疑応答&グループディスカッション:
人事と現場との信頼関係の築き方
参加者1:人事部門自体の満足度を上げるための施策や工夫があれば教えてください。
岡田:従業員からの問い合わせに対応して、HRメンバーがしんどい思いをするときもあるので、モチベーションが高い状態を保てるように意識しています。月に一度HRのメンバー40名ほどで部会を行うのですが、そこでは担当マネジャーから前月のMVPについて5分ほど熱く紹介してもらい、MVP本人からもコメントをもらう場を設けています。マネジャーのコメントは全管理職で事前にチェックもするほどです。それぞれの頑張りをシェアしたり、讃えたりする組織にしたいと思っています。
小川:心がけているのは、日々向き合っている事業責任者や現場のリーダーたちが言っていた、人事への誉め言葉を意図的に拾い上げることです。それとなく本人にも伝えるようにしています。褒められるのは誰もがうれしいことですし、実際に向き合う人材たちからの声は私としてもうれしいので、日々心がけています。
参加者2:現場の声を聞くには、人事と現場との信頼関係が重要だと思います。どのように信頼関係を築かれていますか。
岡田:有言実行を大事にしています。私が2018年に入社したとき、HRはいわゆる管理型で、社内の位置づけも低い状態でした。そこで社内に向けて「お客さまに喜んでもらい事業を大きくするため、HRの戦略を立て直します」と宣言したのです。半期に一度具体的に何をするのかを宣言し、それを100%実行して結果を伝え続けました。数年が経ち、徐々に人事のポジショニングが変わってきたと思います。
小川:どうしても事業側から「人事は事業を知らないでしょ」と思われてしまうこともあるので、意識的に事業の現場に足を運んでいます。ライブ会場に行く、制作現場に行くといったことを繰り返し、現場の人と積極的に食事などでもコミュニケーションをとり、前のめりにたくさん質問をしています。すると、「人事は現場にこんなに興味を持っているのか」という思いを持ってくれて、実際に事業を理解することでいろいろなことに活かせるので、徐々に信頼感をもってもらえるようになりました。
参加者3:従業員の本音を効率的に聞けるような意見の集め方があれば教えてください。
岡田:中途採用した社員との1on1がもっともクリティカルに職場の課題を収集できると考えています。入社間もなくこれから頑張ろうというエンゲージメントが高い状態なので、後ろ向きで不平不満のような意見が出てくることは少ないからです。本音を引き出すために私が最近ハマっている投げかけが二つあります。一つ目は「ぶっちゃけ、どうですか?」と聞くこと。「ぶっちゃけ」と添えるだけでガードが外れます。二つ目は「渾身(こんしん)の意見を教えてください」と伝えること。「渾身」と言うと、みんなすごく深く考えてくれます。
小川:重要な意見をくれるキーマンを見つけておくことです。全体から意見を聞き、もちろんその中にも重要な意見はありますが、全体への声を聞くことが難しい状況であったり、スピードを要したりするときは、特にキーマンからの声を聞くというのは効果的かと思います。キーマン本人とも重要な意見をくれるからと手を抜くのではなく、「聞いた意見を本気で取り組む」というスタンスを示して、しっかりと意見を聞くようにします。また事業におけるキーマンを選定する際などは、事業の管理職から意見を聞きますが、場合によっては社外の関係者に意見を聞くこともあります。
ここで参加者同士によるグループディスカッションが行われ、いくつかのグループがディスカッションの内容を発表した。ここではその一つを紹介する。
参加者4:今日の話を聞いて、しっかりと対話をされていることが印象に残りました。グループで意見が出ていたのは、「経営層と現場の間にいるマネジャーに施策の意味づけを理解して現場に反映してほしい、マネジャーに理解してもらうのが難しい」という意見でした。そんなときに行っている工夫があれば教えてください。
岡田:重要な施策を従業員に発表する前に、部門長、部長、課長と話をおろしていきますが、その際はHRからだけでなく社長や役員層から話してもらうようにしています。ただ、信頼関係の構築で大事なのは「個別撃破」だと思っています。一人ひとりのマネジャーからHRが信頼を勝ち得ることができれば、施策への理解も得やすいですね。
私の経験として良かったのは、新任マネジャーの1on1を、月に一度半年間HRマネジャーが行う取り組みです。新任マネジャーが困っていることを共有してもらい、一緒に解決策やアプローチを考えます。すると、HRと信頼関係のある新任マネジャーが少しずつ増えていき、いい噂がどんどん広まるのでHRへの信頼も高まっていきます。
小川:話を現場に伝えていく順序は当社も同じですね。大事にしているのは、マネジャーから疑問が出てきたとき、そこで話を一度止めてしっかりと納得してもらってから現場に落とすことです。何度もマネジャーに説明して、現場に伝えるときの懸念点をクリアにするようにしています。
村瀬:お二人が話されていたことの理論づけになりますが、全員に浅くコミュニケーションするよりも、キーマンがしっかりと理解できるようにコミュニケーションをとることが重要です。経営層の抽象的な話と現場の理解に生まれるギャップを埋めるのが人事の役割なのだと思います。
では、最後にお二人から、参加者の皆さんへメッセージをお願いします。
小川:本日はありがとうございました。それぞれの企業が近しい課題を抱え、施策を実行しているのだなと感じました。同じことをしてうまくいく会社とそうでない会社があるなら、その違いは人事がどれだけ真剣に会社に向き合っているかではないでしょうか。当社も数年前までは、まだまだ人事として会社に向き合う姿勢の本気度が足りなかったと感じており、人事改革に真剣に取り組むという会社の意思や、コミットする人材が人事に集まったことが転換点になったと思います。今日参加された皆さまは真剣に会社に向き合っていらっしゃると思うので、今後も成功体験や失敗体験を共有して、みんなで高め合っていければと思います。
岡田:グループディスカッションのときに聞こえてきたのが、「課題もやりたいこともたくさんあるけれど、HRの人手が足りない」という話でした。私自身も5年間悩んできましたが、リソースが足りることは永遠にないのではと考え、戦略思考をとても大事にしています。戦略とは、今期注力することと共にしないことも決めることです。例えば、2024年は私自身もマネジメントキャンプにファシリテーターとして入り、HRのリソースを全部投入する気持ちでいます。もちろん最低限やらなければいけないことはやりながらですが。その戦略に対して、HR全員が共通認識をもって一点突破で成果を出したいと思っています。
村瀬:このままずっと話していたいくらい、非常に勉強になり楽しい時間でした。参加者の皆さんの熱いディスカッションをお聞きして、同じ思いを共有できたのではないかと思っています。本日はありがとうございました。