田中 聡氏プロフィール画像
田中 聡氏
立教大学 経営学部 准教授
たなか・さとし/1983年 山口県周南市生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程 修了。博士(学際情報学)。新卒で株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)に入社。大手総合商社とのジョイントベンチャーに出向し、事業部門での実務経験を経て、2010年 同社グループの調査研究機関である株式会社インテリジェンスHITO総合研究所(現・株式会社パーソル総合研究所)立ち上げに参画。同社リサーチ室長・主任研究員・フェローを務め、2018年より立教大学 経営学部 助教、2023年4月より現職。働く人とチームの学習を研究している。主な著書に『経営人材育成論』(単著:東京大学出版会)『チームワーキング』(共著:日本能率協会マネジメントセンター)、『事業を創る人の大研究』(共著:クロスメディア・パブリッシング)など。

田中 聡氏からのメッセージ

「人と組織」にまつわる課題の難易度はますます高まっています。長時間労働是正、ダイバーシティ&インクルージョン、AI・DX人材の活用、SDGs対応、健康経営、副業・兼業、ジョブ型雇用、そして新型コロナ対応……など、いずれもまだ「成功事例」「モデルケース」が存在しない、いわば「前人未到の超難問」です。

こうした新種の超難問と対峙する上で、これまでの経験や実務感覚に基づくアドホック(場当たり的)なアプローチでは限界があります。課題解決を担う人事パーソン一人ひとりがこれまで以上に意識的に学びの機会を確保し、理論とデータに基づく豊かな専門性を身につけていくことが求められています。

そのために、人事パーソンとして自分自身は何を学び、今後どうありたいのか――「人事の日」と制定されたこの2月2日ぐらいは慌ただしい人事の日常から少し距離を置き、長い時間軸で自分自身の学びとキャリアを見つめ直す時間にしてみてはいかがでしょうか。

私自身も人と組織にまつわる研究者の一人として、人事パーソンのみなさんの充実した学びとキャリアを応援するために、そしてプロフェッショナル人事として活躍する姿を夢見て人事のキャリアを志す若い世代が一人でも多く生まれることを願って、今後も意味のある研究知見をお届けしていきたいと思います。