田中 聡氏からのメッセージ
「人と組織」にまつわる課題の難易度はますます高まっています。長時間労働是正、ダイバーシティ&インクルージョン、AI・DX人材の活用、SDGs対応、健康経営、副業・兼業、ジョブ型雇用、そして新型コロナ対応……など、いずれもまだ「成功事例」「モデルケース」が存在しない、いわば「前人未到の超難問」です。
こうした新種の超難問と対峙する上で、これまでの経験や実務感覚に基づくアドホック(場当たり的)なアプローチでは限界があります。課題解決を担う人事パーソン一人ひとりがこれまで以上に意識的に学びの機会を確保し、理論とデータに基づく豊かな専門性を身につけていくことが求められています。
そのために、人事パーソンとして自分自身は何を学び、今後どうありたいのか――「人事の日」と制定されたこの2月2日ぐらいは慌ただしい人事の日常から少し距離を置き、長い時間軸で自分自身の学びとキャリアを見つめ直す時間にしてみてはいかがでしょうか。
私自身も人と組織にまつわる研究者の一人として、人事パーソンのみなさんの充実した学びとキャリアを応援するために、そしてプロフェッショナル人事として活躍する姿を夢見て人事のキャリアを志す若い世代が一人でも多く生まれることを願って、今後も意味のある研究知見をお届けしていきたいと思います。