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服部 泰宏氏
神戸大学大学院 経営学研究科 准教授
はっとり・やすひろ/1980年神奈川県生まれ。2009年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了、博士(経営学)取得。滋賀大学経済学部情報管理学科専任講師、同准教授、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授を経て、現職。日本企業における組織と個人の関わりあい(組織コミットメントや心理的契約)、経営学的な知識の普及の研究、シニア人材のマネジメント等、多数の研究活動に従事。著書『日本企業の心理的契約: 組織と従業員の見えざる約束』(白桃書房)は、第26回組織学会高宮賞を受賞した。2013年以降は人材の「採用」に関する科学的アプローチである「採用学」の確立に向けた「採用学プロジェクト」に従事、同プロジェクトのリーダーを務める。著書『採用学』(新潮社)は、「HRアワード2016」書籍部門最優秀賞を受賞。近著に『日本企業の採用革新』(中央経済社)、『組織行動論の考え方・使い方』(有斐閣)がある。

服部 泰宏氏からのメッセージ

組織における「人事」の起こりは、19世紀後半頃だと言われています。当初は特定の部門としてのそれではなく、経営者や現場のマネジャーたちがそれぞれに担う、まさに機能としての人事でした。それからドイツでは1890年代、アメリカでも1900年前後頃に、部門としての人事が企業の中に起こったのですが、それは両国における経営学誕生の時期とほぼ重なっています。これは、決して偶然ではないと思います。社員のマネジメントをプロフェッショナル集団たる人事部の手によって行おうという動きが始まった瞬間は、かつて経験や勘に頼っていた経営の現場に、科学的のメスが入った瞬間でもあったのです。

それから120年にわたる研究蓄積の中で見えてきたのは、「人事の世界に唯一最善の理論などないが、こう考えれば良い解に近づくことができるという、ロジックは確かに存在すること」。そして、「優れた企業には例外なくロジックがある」ということです。

今日、人事の皆さんは、ますます多くの課題を抱え、日々忙しくなさっていることと思いますが、「人事の日」くらいは少し立ち止まって、自社のロジックを見つめ直したり、経営学が提示するロジックを味わったりなさってみてはいかがでしょうか。