樋口 知比呂氏からのメッセージ
先日、人的資源管理について講義をする機会があり、改めて考えてみたことをメッセージとして贈りたいと思います。
人的資源管理の特徴の中に、管理されるべき対象が「生身の人間」であり、それが故に管理が難しいという点があります。生身の人間の素晴らしい点は、思考し、学習し、成長することです。これは他の経営資源にはない特徴で成長するが故に教育訓練をしてより高いアウトプットに貢献してもらうことができる資源だといえます。一方で、管理者の好き放題には使えないという特徴もあり、ご機嫌を損ねたり、休んだり、辞めたりします。つまり人に対する配慮が大事で、うまくバランスを取って使うことが人のマネジメントの要諦です。こういった難しさから人のマネジメントの分野ではイノベーションが起こりにくく決定的なマネジメント手法というものが見つかっていません。この正解のない難しさが人事のややこしさであり、永遠のテーマなのだと思います。