守島 基博氏からのメッセージ
現在、人事部にはさまざまな要求が突きつけられています。少し考えてみただけでも、もっと経営戦略と連動した人事をせよ、現場リーダーの役に立て、もっと足を運んで現場の実態を知れ、働く人のキャリア自律を支援しなければならない、女性の活躍を推進せよ、高齢者が働きがいをもてる会社にせよ、もっとプロになれ、など多様なものがあります。でも、こういう時代だからこそ、人事部門がしっかりとした戦略をもって進んでいくことが必要だと思うのです。多様な要請に応えようとだけしていると、どっちつかずで誰の役にもたたない人事部門になってしまうからです。企業のなかでは、人事部門だけが、会社の強みと、そこで働く人材のキャリアや幸せを、同時にかつ長期的な視点から考えることのできる部門です。そしてそのためには人事独自の戦略が必要です。「人事の日」を、将来にむけて会社の人材と組織がどうあるべきかに関する戦略をたて、人事の進む未来を考える日にしてください。どこかに出かけて、人事部門でそうしたディスカッションをする日にするのもいいでしょう。1年に1日ぐらいは、目の前の仕事から離れて、人事の未来戦略を考える日をもつことが必要です。