第1回 2025.07.09 Wed.16:00-18:00/ 人的資本経営と情報開示
エーザイの情報開示に学ぶ、企業の個性を生かした人的資本経営
自社の人的資本情報をどうすればステークホルダーにわかりやすく伝えられるのか、頭を悩ませる人事担当者は多いのではないでしょうか。エーザイは2024年度、「ありのままを伝える」をコンセプトに、120ページ超の人的資本レポートを公開。「効率的な社会的インパクト創出に寄与する人的資本経営」の達成度を計る独自指標「E-HCI(Eisai Human Capital Index)」を開発し、注目を集めました。エーザイの事例をもとに、人的資本情報をどのように発信すればいいのか、自社ならではの人的資本経営をどう実現するのかを議論します。
●講師紹介

三瓶 悠希氏
エーザイ株式会社 ピープル&コミュニケーション戦略部長
(さんぺい ゆうき)2005年にMRとしてエーザイ入社。国内医療用医薬品事業で経験を積み、2015年以降は中期経営計画の編成、海外MBA留学、CEO秘書、中計編成事務局長と、グローバル業務に従事。原因不明の難病を患い休職するも、脳手術等を経て人事として復職。 グローバルHR戦略企画部戦略グループ長を経て、2025年4月より現職。
第2回 2025.07.16 Wed.16:00-18:00/ 理念浸透
一人ひとりの潜在能力開発を目指して
~対話を重視した、ツムラの「理念浸透」プログラムとは~
ツムラは、パーパスに掲げている「一人ひとりの 、生きるに 、活きる。」を実現するため、理念を深く理解し、共有する組織づくりに注力しています。本講座では、オフサイトミーティングや全社員を対象としたコーチミーテイング、選抜された人財に対する人間力強化を含む経営人財養成、「ツムラアカデミー」の設立など、同社独自の理念浸透と人財育成の取り組みを詳細に解説。部署や年代を超えた対話を通じて、社員一人ひとりの主体性を高め、組織全体の活性化を目指すツムラの戦略から、理念を人と組織を動かすエンジンとするためのヒントを探り、議論します。
●講師紹介

遠藤 浩司氏
株式会社ツムラ CHRO(兼)HR本部長
(えんどう こうじ)1987年入社、医薬情報担当者(MR)として医療用漢方製剤の情報提供・収集などに従事。学術企画部門、製品戦略本部などを経て、2023年ツムラアカデミー室に異動し、企業文化の醸成と経営人財の養成に取り組む。社内でコーチング研修が開始されことをきっかけにコーチングを学び、2021年に(一財)生涯学習開発財団認定コーチを取得。2025年CHRO(兼)HR本部長就任。

梶川 悦子氏
株式会社ツムラ HR本部ツムラアカデミー部 企業文化創造課長
(かじかわ えつこ)1995年入社、お客様相談室、情報技術部、人事部を経て、2024年ツムラアカデミー室へ異動。理念浸透などの企業文化醸成を担当。
第3回 2025.07.23 Wed.16:00-18:00/ ジョブ型人事制度
日立製作所に学ぶ「ジョブ型人財マネジメント」
~個人と組織双方の成長を目指して~
日立製作所は現在、プロダクトやシステムにデータを組み合わせ、ソリューションを提供する「社会イノベーション事業」をグローバルに展開しています。人財の多様化や働き方・価値観の変化に対応し、事業のさらなる発展を実現するには、多様な人財一人ひとりが活躍できる仕組みと、社員自身の意識変革が欠かせません。同社はその変革の中心に「ジョブ型人財マネジメント」を据え、取り組みを進めてきました。本講座では、直近3年間の社員の意識・行動変容、採用から退職に至るまでの制度整備など、同社の多面的な取り組みとその成果を共有。参加者全員で「ジョブ型人財マネジメント」のポイントについて議論します。
●講師紹介

松永 恭興氏
株式会社 日立製作所 人財統括本部 人事勤労本部長
(まつなが やすおき)京都大学法学部卒業。1993年に日立製作所 日立事業所に新卒入社後、一貫して人事関連業務を担当。様々な事業でHRビジネスパートナーを務め、中国機械事業における生産工場移転対応や新工場立上げなどを経験、さらに、コーポレート部門として、全社組織・人事対応や勤務・処遇制度改定、労使対応など、幅広い業務に従事してきた。2024年4月より現職。直近では、グローバルに勝てる「組織」と「人財」を創り込むべく、日本地域共通のプラットフォームの構築・展開に奔走している。

内海 有智氏
株式会社 日立製作所 人財統括本部 Human Capital Strategy & Transformation 部長代理
(うつみ ありとも)早稲田大学政治経済学部卒業。2008年に日立製作所 中央研究所に新卒入社。HRゼネラリストとして労務実務や拠点HR業務の集約・効率化を担当した後、コーポレート部門にて日本の処遇制度改定・労使交渉実務を担当。その後CHROサポート業務に従事し、2023年より現職。グローバルでの人財戦略策定、ワークフォースプランニング、人的資本開示など担当。
第4回 2025.07.30 Wed.16:00-18:00/ 人材可視化
三菱商事が取り組む「適材適所」
ポテンシャルを引き出し、組織力を高める「人材可視化」の新戦略
三菱商事では、重要ポストの職務内容や、それを担い得る人材を可視化し、人材配置の最適化を目指しています。その鍵となるのが、2021年度に立ち上げた「重要職務就任者面談」。経験豊富な定年退職者を中心とする6人がアセッサーを務め、重要職務就任者約700人に対して面談を実施し、これまでの業務経験やリーダーシップスタイル、性格特性などを深掘り。この面談データや職務グレード判定などから得られる情報を参考に、配置や育成を戦略的に進めています。本講座ではアセッサーも登壇し、制度導入の背景や運用方法、実際の効果を解説。重要ポストの人材育成や最適配置を成功させるポイントについて議論します。
●講師紹介

湯澤 智弘氏
三菱商事株式会社 人事部 タレントマネジメントチームリーダー
(ゆざわ ともひろ)2006年三菱商事株式会社に入社。金属資源グループで、コバルト・ニッケルの営業を担当した後、100%出資先のトレーディング会社の事業投資先支援・管理業務に従事。その後、ロンドン、シンガポールに計8年間駐在し、アルミのトレーディングを担当。帰任後、アルミの資源投資管理・新規事業検討業務を経て、人事部へ異動。採用責任者として、新卒・キャリアの採用業務に従事した後、2025年4月より現職。

鈴木 賢司氏
ヒューマンリンク株式会社 シニアアセッサー
(すずき けんじ)1984年に三菱商事株式会社に入社。語学研修生としてロシアに派遣され、その後モスクワ、ニューヨーク、ロンドンなど海外拠点での勤務を通じ、地域戦略の実行や地域インテリジェンスの発信において豊富な経験を積む。2014年に本店のロジスティクス総括部長に就任し、事業への保険付保やリスクポートフォリオの最適化に従事。2018年にはロシア三菱商事会社社長に就任し、拠点の経営や域内事業開発支援に尽力。2021年の定年退職後は、ヒューマンリンク株式会社で重要職務就任者へのアセスメント施策の立ち上げと実行を牽引し、人材の可視化に取り組んでいる。
第5回 2025.08.06 Wed.16:00-18:00/ 自己成長支援
挑戦と学びを促す富士フイルムグループの人材育成
~従業員の自己成長をどのように支援するか~
富士フイルムグループは、変化の激しい時代において、事業ポートフォリオの大転換を成功させました。同社では「変化に対応する」だけでなく、「変化を作り出す」という考えに基づき、自己成長支援プログラム「+STORY」を展開。「従業員の挑戦意欲と学び」をさまざまな施策によって後押ししています。本講座では、プログラムの具体的な内容や、根底にある人材育成に対する考え方を共有。事例をもとに、従業員の自己成長をどのように促進するのか、組織成長にいかにしてつなげていくのかを参加者全員で議論します。
●講師紹介

座間 康氏
富士フイルムホールディングス株式会社 執行役員 人事部長 総務部管掌 兼
富士フイルム株式会社 取締役 常務執行役員 人事部長 総務部管掌
(ざま やすし)1987年、富士フイルム株式会社に新卒入社。マーケティング、国内営業、人事、海外営業を経て、2019年富士フイルム株式会社の執行役員 人事部長に就任。2021年より富士フイルムホールディングスの執行役員 人事部長に就任し、現在に至る。
第6回 2025.08.27 Wed.16:00-18:00/ シニア活躍
大和ハウス工業の事例から考える
「シニア社員」が主体的に仕事に取り組み、成果を上げるためのポイント
高齢化や人手不足が大きな社会問題となる中、シニア社員の活躍に期待する企業が増えています。シニア社員がいきいきと働き、活躍の場を広げられるため、企業に求められることは何でしょうか。本講座では、先進的事例として大和ハウス工業の取り組みを取り上げます。同社では、60歳一律での役職定年や年収水準の下がる処遇体系を廃止し、60歳以降も昇格の機会がある制度へ改定。65歳または67歳の定年年齢を選択できる「67歳選択定年制度」を導入するなど、先進的な取り組みによって成果を上げています。同社の事例をもとに、シニア社員が主体的に仕事に取り組み、成果を上げるためのポイントを考えます。
●講師紹介

上田 あきは氏
大和ハウス工業株式会社 経営戦略本部 人事部長
(うえだ あきは)2000年土地活用提案の営業職として新卒入社。その後2007年に人事部へ異動してダイバーシティ推進部門の立ち上げ、2017年に経営企画部へ異動、2019年に建設現場でのデジタル推進に取り組む「デジタルコンストラクションプロジェクト」の立ち上げ、2020年より建設デジタル推進部を発足して「建設×デジタルの中長期戦略策定」に従事し、2025年より現職。
第7回 2025.09.03 Wed.16:00-18:00/ 仕事と介護の両立
「お互いさま」で支え合う風土へ
花王が実践する「対話」起点の仕事と介護の両立支援
企業にとって重要課題となっている、仕事と介護の両立。花王では、早くから介護当事者との「対話」を起点に、「制度拡充」と「風土醸成」の両輪で支援体制を構築してきました。本講座では、社員の心理的・時間的・経済的負担に対応する具体的な制度設計や、全社的な啓発活動を通じて「お互いさま」の意識を育む風土づくりの実践事例を紹介します。介護当事者の声を聞くことの重要性、制度の認知・利用促進、支え合う文化を築く秘訣など、同社の取り組みを参考にしながら、両立支援を実践するには何が必要なのかを議論します。
●講師紹介

澤田 悦子氏
花王株式会社 人財戦略部門 DE&I推進部 マネジャー
(さわだ えつこ)2009年にキャリア入社し、法務部門で商標を担当。国内グループ会社や米国での業務統合プロジェクトに携わった後、2017年より取締役会事務局としてコーポレートガバナンスを担当。2024年6月より現職につき、主に介護と育児の両立支援を推進している。自身も介護経験者であり、その実体験を生かしながら、支援策の改善に取り組んでいる。
第8回 2025.09.10 Wed.16:00-18:00/ 勤務制度・勤怠管理
「人の力を最大化する」を支える、DeNAの勤務制度と勤怠管理
~最大限のパフォーマンスを発揮する多様な働き方の実現を目指して~
「人の力を最大化する」というHRミッションを掲げるDeNA。事業の多角化や個々のライフステージの変化などに対応し、一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるような多様な働き方を実現すべく、2023年4月に勤務制度や勤怠管理を見直しました。本講座では、同社における制度変更の背景や導入までのプロセス、運用上の工夫や課題などを紹介。DeNAらしい働き方は、「チームで成果を出すこと」「個々人の業務やライフスタイルに応じた柔軟な働き方」の両立を目指すものです。参加者全員で、自社が今後目指す勤務制度と勤怠管理の参考として同社の事例を学び、議論します。
●講師紹介

田仲 祐典氏
株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 人事部 副部長
(たなか ゆうすけ)大学卒業後、製造業の人事部門にて、採用育成・労務・人事制度・海外人事等に携わり、2022年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。入社後は、グループ会社のPMIをはじめ、人事労務領域を幅広く担当。2025年4月より現職。