講演者インタビュー

――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

小藪：パナソニックでは松下幸之助創業者の事業哲学である「ものをつくる前に人をつくる」という考えに基づき、50年以上に渡り、人材開発の専門機関を設置しています。そして、創業者の経営理念をベースとして、常に時代の変化に応じた研修カリキュラムを開発しています。

ここ最近はさまざまな企業から、技術リーダー育成に関するお悩みの声をお聞きします。過去の技術リーダーは、自身の専門領域における技術課題を解決することでリーダーシップを発揮していました。しかし、絶え間ないビジネス環境の変化や技術革新、さらには技術の細分化・分業化などにより、それだけでは十分に役割を果たせなくなっています。企業の明日の姿を予想することが困難である今、技術リーダーには、大局を俯瞰した上で事業に変革をもたらすことが期待されています。

パナソニックでも、時代の変化へ対応するための大きな課題として、技術者をけん引し、事業にイノベーションをもたらす技術リーダーの育成に取り組んできました。一例ですが、「経営理念に立脚したリーダーシップのあり方をグローバルに共有」「研修の場を活用した、部門をまたがる社内ネットワーキングの構築」などの施策により、技術リーダーの行動変革や実践の強化を目指しています。今回の講演では、これらの具体的な事例を基に、これからの技術リーダー育成はどうあるべきか、皆さまの参考になる情報をご提供したいと思います。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

小藪：パナソニック内部には、さまざまな組織・職能・ビジネス形態に応じて、それぞれの人材育成課題があります。

我々は、それらの課題に対して「教育ソリューションの提供」という観点からの解決アプローチを基盤に、当該部門の責任者や担当者などと議論しながら、研修内容を作りこんでいます。その過程で、製造業ならではの超実践的な視点を活かすと共に、外部の研修会社ともコラボレートしながら、カリキュラムを作成しています。こうして蓄積したノウハウや研修コンテンツを精査する目は、パナソニック内部だけではなく、研修を検討されている企業のお役にも立てると考えています。

その実績にご注目いただき、昨今はさまざまな企業からお声がけいただくケースが増えてきましたので、外部の企業にもサービスのご提供を始めています。その際は、私どものグループ会社であるパナソニック エクセルスタッフを通じて、研修をご提供しています。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

小藪：パナソニックでは、事業の構造改革を進めると共に、変革を加速して新たな成長戦略を仕込むべく取り組んでいます。もちろん、私ども研修部門の立場としても、会社のビジョン実現に向けた人材開発を進めています。

今回は、実際の人材開発の現場においてどのように悩み、どのような挑戦をしているのか、現在進行形の取り組みをお話します。限られた時間ではありますが、私どもと同じく人材開発に力を注いでいらっしゃる皆さまに、何かしらヒントをお持ち帰りいただけると幸いです。より具体的な人材開発についてのご相談もお受けいたします。希望される方は、パナソニック エクセルスタッフの担当者に、お気軽にお声掛けください。