アドバイザリーボードメンバーからのメッセージ

有沢 正人氏

カゴメ株式会社 常務執行役員 CHO(人事最高責任者)

カゴメ株式会社 有沢 正人氏

私がお話しをさせていただく機会に必ず申し上げてることが四つあります。

まず一つ目は「人事のお客様は誰か」ということです。もちろん一義的には従業員でしょうが、その先にある様々なステークホールダーを忘れてはいけません。判断に迷ったらこの仕事は何のため? 誰のだめ? に行っているのか常に自問自答していただきたいのです。

二つ目は人事は「経営と現場の橋渡し役になる」ということです。人事戦略は経営戦略の中でも最も重要な戦略です。そしてそれは会社全体の方向性をも決める影響力を持ちます。
人事に携わる方には是非とも人事は経営そのものであるという意識をもつと同時に、経営の視点と現場の視点の両方を持っていただきたいです。

三つ目は人事は「TOPに対する影響力を問われる」ということです。TOPの言うことを鵜呑みにするのではなく、人事として逆に「まずは隗から始めよ」と言えるかが人事には問われます。なぜなら改革はTOPから始めてこそ説得力があるからです。人事は経営そのものである、という意識を常に持ち多くの接点をTOPと持っていただきたいです。

四つ目は「最後までやりきる覚悟と意思があるか」ということです。過去に囚われることなく常に革新と改革を行うことが現代の人事には求められています。新しいことを始める際には困難や抵抗はつきものです。自分で人事としての原理原則に常に照らして変えることをを恐れず堂々と覚悟と信念を持っていただきたいと思います。

プロフィール

カゴメ株式会社 常務執行役員 CHO(人事最高責任者)
有沢 正人氏(ありさわ まさと)

慶応大学商学部卒業後、1984年に協和銀行(現りそな銀行)に入行。銀行派遣にて米国でMBAを取得後、主に人事、経営企画に携わる。2004年に日系精密機器メーカーであるHOYAに入社、人事担当ディレクターとして全世界のグループ人事を統括、全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入を行う。また、委員会設置会社として指名委員会、報酬委員会の事務局長も兼任、グローバルサクセッションプランの導入などを通じて、事業部の枠を超えたグローバルな人事制度を構築する。2009年に外資系保険会社であるAIU保険に人事担当執行役員として入社。ニューヨーク本社とともに、日本独自のジョブグレーディ ング制度や評価制度を構築する。2012年1月、カゴメに特別顧問として入社。カゴメの人事面におけるグローバル化の統括責任者となり、全世界共通の人事制度の構築を行っている。2012年10月より現職となり、国内だけでなく全世界のカゴメの人事最高責任者となる。