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高橋 潔氏
立命館大学 総合心理学部 教授
たかはし・きよし/神戸大学名誉教授。1960年大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、ミネソタ大学経営大学院にてPh.D.を取得。神戸大学大学院 経営学研究科 教授などを経て現職。専門は組織行動論、産業心理学。著書に『人事評価の総合科学』(白桃書房)、『ゼロから考えるリーダーシップ』(東洋経済新報社)、『経営とワークライフに生かそう! 産業・組織心理学(改訂版)』(共著、有斐閣)、『新版 組織行動の考え方』(共著、東洋経済新報社)、『現場で役立つ人材評価学 人を見る目を養い仕事・教育に活かす』(日本経済新聞出版)などがある。

高橋 潔氏からのメッセージ

日本的経営が神通力を失った20世紀末から、わが国の人事はアメリカの追随に明け暮れてきた。そろそろ、自分の頭で人事制度と人事施策を考える時期がきたようだ。雇用と賃金は人々の生活に直結しているので、制度をいじるのは気が引ける。だから、次代を担う日本企業には、日本の文化と哲学に根ざした人事評価を考えてほしい。

評価は組織の鏡である。組織が従業員に対して大切にしている価値観や人材哲学を、わかりやすい形で表している。一方、評価には不満がつきまとうものだ。人事評価は、スマホのアプリのように苦情で育つ面がある。不満や苦情の裏には管理職や従業員のニーズが潜んでいる。だから、不満は評価の友と考えたい。

人事評価は人材を見極める総合格闘技である。理論と実践の両方がかみ合ってはじめて、形ばかりにとらわれることなく、生きた人材の評価ができる。ことわざに「考えと続飯(そくい=飯粒を練ったのり)は練るほどよい」とある。コピーキャット(猿まね)ではなく、みんなで自分の組織の処遇について、考えを巡らせたいものである。