高橋 潔氏からのメッセージ
日本的経営が神通力を失った20世紀末から、わが国の人事はアメリカの追随に明け暮れてきた。そろそろ、自分の頭で人事制度と人事施策を考える時期がきたようだ。雇用と賃金は人々の生活に直結しているので、制度をいじるのは気が引ける。だから、次代を担う日本企業には、日本の文化と哲学に根ざした人事評価を考えてほしい。
評価は組織の鏡である。組織が従業員に対して大切にしている価値観や人材哲学を、わかりやすい形で表している。一方、評価には不満がつきまとうものだ。人事評価は、スマホのアプリのように苦情で育つ面がある。不満や苦情の裏には管理職や従業員のニーズが潜んでいる。だから、不満は評価の友と考えたい。
人事評価は人材を見極める総合格闘技である。理論と実践の両方がかみ合ってはじめて、形ばかりにとらわれることなく、生きた人材の評価ができる。ことわざに「考えと続飯(そくい=飯粒を練ったのり)は練るほどよい」とある。コピーキャット(猿まね)ではなく、みんなで自分の組織の処遇について、考えを巡らせたいものである。


