舘野 泰一氏プロフィール画像
舘野 泰一氏
立教大学 経営学部 准教授
たての・よしかず/1983年生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。企業・教育機関におけるリーダーシップ教育の研究・実践をおこなっている。主な著書に『パラドックス思考:矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』、『これからのリーダーシップ:基本・最新理論から実践事例まで』、『リーダーシップ教育のフロンティア【研究編】【実践編】: 高校生・大学生・社会人を成長させる「全員発揮のリーダーシップ」』などがある。

舘野 泰一氏からのメッセージ

「人間らしい働き方を実現する組織のあり方とは?」

一見、壮大に見える問いですが、AIをはじめとするテクノロジーの進化や、それに伴う企業の環境変化は、人間が働く意義や、人間らしく働く組織のあり方を、我々に問い直しています。

私は人間らしさの源泉は「矛盾」にあると考えています。一見非合理に見えるこの性質と向き合うことこそが、今後人事の仕事においてより重要になると考えています。

「新しいことに挑戦してください」と伝えると「既存の仕事が忙しい」と言うのに、「余計なことせず、ちゃんとやってください」と伝えると、「勝手にいつもと違うやり方を試してしまう」のが人間です。

AIのように「命令(プロンプト)」通りに動いてくれないので、一見「めんどくさい」と思えます。しかし、それゆえに、思いもよらない成果を生み出すことがあるのが、人間の愛らしい特徴です。「仕事に感情を持ち込むな」と言われることもありますが、組織や仕事に愛着や誇りを持つからこそ生まれる成果があります。

「人間はめんどくさいけど、愛らしい」

人間の矛盾した特徴と一緒に向き合いながら、人間らしくいきいきと働ける組織を実現していきましょう。