梅崎 修氏からのメッセージ
人事を対象に自由に研究を続けたいと思っている。この<自由に>という目標は、思いのほか、難しい。本人が自由な新しい発想と思っていても、その多くは繰り返されてきた流行の繰り返しかもしれないのだ。
では、既知の枠組みの一歩外に出るにはどうすればよいのか。いっそのこと<事実>を記述することに徹したらどうだろう。かつて正岡子規は、<写生>という方法で自由な表現を獲得した。写生論とは、事物の写生(スケッチ)を繰り返すことで獲得できる自由な眼の力ではないのか。まだ名付けられていない<かたまり>や<うごき>を発見し、観察して、記述する力である。そして、膨大なスケッチの後に、どのような「言葉」をつなげるのか。言葉は、他者との共有資源であろうが、それを自分の使い方にアレンジできるかが勝負である。癖のある言葉遣いの人事のプロをともに目指そうではありませんか。