森永 雄太氏からのメッセージ
ハーバード大学のビアー教授らは、2015年に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という論文を発表し、1980年代に彼らが提唱した「多様な利害関係者を考慮に入れた人的資源管理」に立ち戻る必要性を主張しています。企業全体が、株主価値の最大化に過度に焦点化してきたマネジメントから、従業員や地域社会を含む多様な利害関係者を考慮に入れたマネジメントへと舵を切ることが求められるようになってきたからです。このような原点回帰を目の当たりにした人の中には、人事という営みがまるでエッシャーのだまし絵のように同じところをぐるぐると回っているだけなのではないかと感じてしまうかもしれません。
しかし私は、このような原点回帰が、今の人事を超えていく大きなチャンスなのではないかと考えています。もちろん、だまし絵から抜け出して、螺旋階段のような上昇気流を生み出して行くことは大変です。しかしだからこそ、人事の日を、過去に学び、未来を構想する、そんな1日にしていただければと思います。