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森永 雄太氏
上智大学 経済学部 経営学科 教授
もりなが・ゆうた/神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)。立教大学経営学部助教、武蔵大学経済学部准教授、教授を経て、2023年9月より現職。専門は組織行動論、経営管理論。著書は『ウェルビーイング経営の考え方と進め方 健康経営の新展開』(労働新聞社)、『ジョブ・クラフティングのマネジメント』(千倉書房)など。

森永 雄太氏からのメッセージ

ハーバード大学のビアー教授らは、2015年に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という論文を発表し、1980年代に彼らが提唱した「多様な利害関係者を考慮に入れた人的資源管理」に立ち戻る必要性を主張しています。企業全体が、株主価値の最大化に過度に焦点化してきたマネジメントから、従業員や地域社会を含む多様な利害関係者を考慮に入れたマネジメントへと舵を切ることが求められるようになってきたからです。このような原点回帰を目の当たりにした人の中には、人事という営みがまるでエッシャーのだまし絵のように同じところをぐるぐると回っているだけなのではないかと感じてしまうかもしれません。

しかし私は、このような原点回帰が、今の人事を超えていく大きなチャンスなのではないかと考えています。もちろん、だまし絵から抜け出して、螺旋階段のような上昇気流を生み出して行くことは大変です。しかしだからこそ、人事の日を、過去に学び、未来を構想する、そんな1日にしていただければと思います。