宇田川 元一氏プロフィール画像
宇田川 元一氏
埼玉大学大学院 人文社会科学研究科 教授
うだがわ・もとかず/専門は経営戦略論、組織論。ナラティヴ・アプローチに基づいた企業変革やイノベーション推進の研究を行っている。また、さまざまな企業のアドバイザーとしてその実践を支援。近著『企業変革のジレンマ 「構造的無能化」はなぜ起きるのか』(日本経済新聞出版(日経BP))は「HRアワード2025」書籍部門優秀賞を受賞。他に『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論』(NewsPicksパブリッシング、「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞)、『組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2』(ダイヤモンド社)の著書がある。

宇田川 元一氏からのメッセージ

今日の企業経営は、これまで以上に短期の目に見える成果を求められています。もちろん、高い収益性を生み出すことは大切なことです。しかし、その成果だけを追い続けると、企業の活動の意義がいつの間にか共通の指標に回収されてしまい、「なぜこの会社で働くのか」「この会社が社会にある意味は何か」といった輪郭が喪失されてしまいます。また、事業の競争力の源泉であるユニークネスも失われてしまいます。

だからこそ人事に期待されるのは、制度や数字を整えることに加えて、その会社ならではの強みや歴史、そこで働く一人ひとりの多様さや複雑さに目を向け、言葉にし、育てていくこと――いわば「経営のB面」を耕すことだと思います。そのB面があるからこそ、A面である市場での競争力や成果も、より力強く持続的に生まれます。人事は、その土台をつくる中核です。今年も、意味のある企業と仕事を、現場から一緒につくっていきましょう。