裁量労働制とは?
裁量労働制とは、簡単に言えば、労働時間の縛りがない労働のことです。
よくある労働は朝の九時から夕方五時までというよ一日八時間の決まった労働時間が設定されています。ですが、裁量労働制ではこの決まった労働時間というものがなく、いつ出社してもいいですし、いつ退社してもいいという労働スタイルです。
近年では、成果主義を反映して、この裁量労働制を考える企業が増えてきています。
裁量労働制にはメリットもデメリットも考えられます。成果が出せる人であれば、短時間の労働で朝遅くきて、夜は早く帰るということも可能となりますが、仕事が遅い人は夜遅くまで仕事をすることになります。当然残業代というものも出ません。
成果主義ということを考えるのであれば、これは当然と言えば当然ではありますが、何をもって仕事が早い、遅いといえるのかは、かなり主観的な違いがあるので、一概には言えないことがほとんどです。何をもってして、仕事が遅いとか早いとかがいえるのかがあいまいなのに、裁量労働制が導入されると、どんどんと仕事が増えていくことになるということが起きるのです。
そして、雇用をする側にとって、裁量労働制が仕事が出来る出来ないに関わらず、遅くまで仕事をさせることが出来る“便利な”制度として使われることになりかねません。
その一方で、この裁量労働制では、社員が自由に労働時間を決められるということがあります。これは良い点といってもいいでしょう。子供がいる家庭などで、朝は子供の送り迎えで遅く出勤して、夕方も早く帰るということが出来ます。自分の都合で仕事の時間を決めることが出来るというのは大きな意義があるでしょう。
つまるところ、裁量労働制は、運用する経営者や管理者の考え次第で良し悪しが決まるということになります。誰の仕事が速くて誰の仕事が遅いなどというのは、ほとんどの場合が経営者や管理者の主観によるからです。
朝の九時から仕事をして五時に帰るというのと、この裁量労働制とどちらが成果が出せるのかわかりません。時間が決まっているから仕事をさぼるという人もいるかもしれませんが、成果主義だから仕事を頑張るかというとそういう人ばかりでもありません。
何をもって仕事の成果が出ているのかを判断することも難しく、できるだけ客観的に線引きができるかどうかが裁量労働制の成否を分けることになるでしょう。
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鈴木 孝裕(スズキ タカヒロ) 株式会社ウェブサーブ 代表取締役

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