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専門家コラム

内々定を出した後に不適性と思われる扱いと内定取り消し問題

内々定者を集めた食事会やセミナーで、面接ではわからなかった素行や性格面が判明することがあります。この学生はどうも問題があり、会社の一員に相応しくない、入社してもらうわけにはいかないと思われる事態にどう対応・判断すべきでしょうか。

 

内々定とは

 

そもそも内々定と内定の違いはなんでしょうか。一般的に内々定は内定とほぼ同じ意味になりますが、内々定は動労契約成立前(労働契約には至っていない状態)のことを指します。つまり内々定とは企業と学生との口約束の状態だと言え、法的な拘束力はありません。

 

内々定を取り消すデメリット

 

労働契約が成立していないことから法律上は問題ない、内々定の取り消しが出来ると考えてはいけません。内々定を取り消す際の一番のデメリットは会社の悪評が広まる事です。「あの会社は内々定を取り消した」として、ネットに口コミが広まり、大学の学生課からも要注意の会社としてマークされてしまいます。

 

会社側の都合による内々定の取り消しといった悪い情報は拡散されやすく、ブラック企業として見られてしまうため、翌年からの新卒採用では会社の人気が一気に落ちてしまいます。数年に渡って悪い噂が流れてしまうため、優秀な人材の確保が非常に厳しくなることは容易に想像できます。

 

内々定でも取り消しはできる?

 

内々定の定義は会社ごとに違ってきますが、書面もしくは口頭で内々定と伝えているケースがほとんどだと思います。もしも、まだ内定(内々定)を伝えていない場合は、改めて最終選考をおこない、不合格を通知すれば問題ありません。

 

最終選考は回数に制限がありませんので、最終選考を二度おこなうことも可能です。ただし、事実上の最終選考が終わっている段階で「ほぼ内々定です」「最終選考は意思確認のみ」と伝えてしまう会社があります。

 

当初は意思確認だけだったとしても、選考過程である以上は不合格にすることは全く問題ありません。しかし、就活生側からは「嘘をつかれた」「裏切られた」という印象になってしまいます。採用担当者が学生にリラックスしてほしいから伝えてしまうこともありますが、安易な発言には注意してください。

 

内々定の取り消しも違法になるケースもある

 

内々定の取り消しは法的には問題にならず、学生からの損害賠償請求も原則として認められないと考えられています。そのため「内々定の取り消しならまだ大丈夫」「風評被害さえ気にしなければ問題ない」と思われるかもしれません。

 

しかし、過去に内々定の取り消しでも違法と判断され、損害賠償に至った裁判事例もあります。業績不振や景気悪化を理由にしても経緯や対応次第では違法となることを理解しておきましょう。

 

内々定の取り消しが可能な理由

 

合理的な理由があれば内々定の取り消しは可能です。合理的な理由は内定取り消しとほぼ同じ条件になり、留年や傷害事件などで逮捕された場合は合理的な理由であるとされています。

 

また経歴詐称(学歴詐称)も合理的な理由だと判断されます。ただし、「部活動と言っていたが実はサークルだった」「ゼミ長と言っていたが嘘だった」程度では取り消しの理由にはなりません。エントリーシートが偽名だった場合や出身高校や大学名に虚偽が発覚した場合が経歴詐称とされています。

 

内々定後に不適性だと判断される一番多い原因は、懇親会で内々定者が酔って暴れたり、迷惑行為をおこなったりするケースです。まだ従業員ではないとはいえ会社や同期となるかもしれない人間への迷惑行為を見過ごしてはいけません。

 

度が過ぎた暴力行為があった場合は内々定の取り消しも可能だと言えますが、勢いで判断していないか冷静になる必要があります。周囲が飲ませすぎていなかったか等、中立かつ公平な判断をしてほしいと思います。

 

まとめ

 

経緯や事情にもよりますが、仮に不適性だと判断しても内々定を覆すことは無理だと言っていいかもしれません。法的な問題がないとはいえ企業側の一方的な都合で内々定を取り消すと問題がある行為だと判断されます。もしも合理的な理由だと思われる場合は弁護士や社労士に一度相談してみることをおススメします。

 

そうならないために選考過程でしっかり就活生を見極める必要があります。SPI試験や面接だけでなく判断すると表面的な部分しか見抜けないときもあります。最終選考前に座談会を設けるなどして、就活生を総合的に判断し、本質を見極めるようにしてください。

 


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コラム執筆者
本庄 孝司
本庄 孝司(ホンジョウ タカシ)
株式会社サーフボード 新規事業部チーフ
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