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専門家コラム

連載:事例で知る職場の問題解決 第八回:ムダに気づけない

本シリーズでは、よく職場で起きる問題の事例を取り上げ、解決策をご紹介します。ぜひ職場改善のヒントにしてみてください。

 

よくある職場の問題8:ムダに気づけない

~ある問題職場の情景~

Aさんが中途入社した会社では、新人が自社や業界関連の主要紙の記事を切り抜きして、切り抜き記事のコピーを部課長から部員に回覧する慣行がある。この業務のために、新人は常に始業時間より2時間早く出勤している。

 

確かに市場や競合の動きをウォッチすることは大事だし、新聞を読む時間は新人にとって勉強になると思う。とはいえ部課長は忙しく、新聞記事のチェックをできずに仕事を開始することも多い。そのため夕方になっても部員にコピーが回ってこず、部課長の書類箱に埋もれていることも。

 

そういう日が続くと、「ニュースはリアルタイムに受け取るからこそ価値があるのに」「もっといい方法もありそうだけど・・・」とAさんは感じてしまう。しかし同僚達は何も不思議に思わないようだ。Aさんは日増しに違和感を募らせていくのだった。

 

 

 

皆さんの職場でも、事例のようにムダに気づけていない、もしくは言えていないということはありませんか?

 

Aさんは今のやり方を疑問視し、もっといい方法がありそうだと感じています。ですが、新参者なので新しい会社に遠慮してなかなか率直に言うことができません。それは新人も同様かもしれません。

 

Aさんに「遠慮せずに言えばいいじゃないか」と思われるかもしれません。しかしそれは難しいということが、「ランク」という考え方で説明できます。ランクとは、持っているパワーや影響力の高低差のことです。ランクが低いと物申しづらく、疎外感を感じやすくなります。ランクには下記のような種類があります。

 

○社会的ランク・・・社会的な立場や役割、属性(年齢、性別、人種、容姿など)の差で生まれるパワー

○文脈ランク・・・その場の暗黙ルールや文脈を理解しているかどうかから生まれるパワー

 

Aさんは新しい会社の文化や習慣について知らない、新参者。すなわち文脈ランクが低いため、「切り抜きをさせるのも意味や考えがあるかもしれない。何も知らない自分が差し出がましくおかしいとは言えない・・・」と遠慮してしまうのです。

 

本来新しい人が入ることはムダに気づけるチャンス。ですが今のままだとその声が上がらず変わることは難しいでしょう。それは会社全体にとっても損失です。

 

Aさんがランクを乗り越えて声を上げるにはどうしたらよいでしょう?ここからは本ワークショップでご提供しているヒント集の一部をご紹介します。

 

 

■「おかしい」を言い合う場作りでお悩み解決!

職場の問題地図ワークショップでは、ムダに気付くためには、「おかしい」を言い合う場作りが大事だとお伝えしています。

 

Aさんのようにおかしいと思っていても、ランクが低いと遠慮や忖度が邪魔をして、実際に自ら言い出すことは難しいもの。そのため、ランクの低い人にも負担をかけずに本音を引き出す場作りが大切になります。おやつタイムなどを設けて、リラックスして話す場を提供し、お互いを知る機会を増やすことも良いでしょう。また、定期的に皆で話し合う場をつくることも効果的です。

 

例えば、毎週、隔週、毎月など、定期的におかしいこと・ムダを出すための時間を設けてみましょう。ポストイットに書き出す、KPT法(※)といった業務改善の手法を使うなど様々な方法があります。

 

※KPT法とは

Keep 「良いこと、うまくいったこと、続けること」 、Problem 「課題や問題点」 、Try 「やってみること、挑戦すること」で問題の解消を目指す、振り返りのためのフレームワーク。Keep/Problemを書き出し、Keepからはなぜよかったかと成功要因を、Problemからはできなかった理由や失敗理由をディスカッションして振り返る。最後にKeepとProblemを踏まえ、Try=どんなアクションを取るべきかを検討する。

 

監修:(株)トッパンマインドウェルネス パートナー・コンサルタント

あまねキャリア工房 代表 沢渡あまね


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コラム執筆者
北條藍子
北條藍子(ホウジョウアイコ)
企画開発チーム クライアントパートナー
㈱トッパンマインドウェルネス、企画開発チームのコンサルタントとして、お客様の社員一人ひとりの成長と組織の内発的変革をご支援します。
お客様の人材戦略、特に人材育成の課題解決に取り組んでいます。より本質的な変化を起こすため、対話や内省を通して受講者が自ら気付きを得ること、今までと異なるものの見方に気付き取り組み姿勢が変化したりモチベーションが向上することを重視しています。
得意分野 モチベーション・組織活性化、キャリア開発、コミュニケーション
対応エリア 全国
所在地 台東区

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